今回解説していく通貨は豪ドル米ドルです。豪準備銀行(RBA)は昨年に計5回の利上げを実施し、政策金利を4.35%まで引き上げました。また、7年ぶりに総裁が交代(ロウ氏からブロック現総裁へ)、政策決定会合の開催が年11回から8回に変更されるなど、RBAを巡って大きな変化も見られており、今年の金融政策も気になるところです。ではチャート上でも豪ドル米ドルの状況を確認していきましょう。
豪ドル米ドルの週足分析
下図のチャートは豪ドル米ドルの週足チャートになります。前回の解説(9月6日)からの推移を確認すると、長期視点では2021年2月高値を始点とする下落トレンドが継続中(チャート上の青色実線)。現在はチャネルライン(チャート上の青色点線)で下げ止まり、買い戻しの局面にありますが、依然として長期の下落トレンドにあることは間違いなさそうです。基本的には今年も戻り売り姿勢で臨んだほうが無難と言えます。
一方、今回は2020年3月安値を始点とする上昇トレンドライン(チャート上の黄色実線)を新たに引いてみましたが、サポートラインとして機能するかは今後の推移で確認する必要する必要があるでしょう。
豪ドル米ドルの日足分析
今度は日足でも見ていきます(下図のチャート)。チャート上の青色実線および青色点線は週足チャートで紹介した下降トレンドラインとチャネルラインと同じものです。足もとの上昇を確認すると昨年12月28日に0.6871米ドルまで上昇した後、買いが一服しています。
今回の上昇局面で昨年6月、7月に上値を抑えられた0.6900米ドル超え(チャート上の丸で囲った部分)をまたしても失敗した点は気になるところ。チャート下部に追加した「MACD」も今年に入ってマイナス圏に転落し、売りシグナルを示しています。昨年11月安値を起点とする短期の上昇トレンドライン(チャート上の黄色実線)を下抜けてくると、再び下値を探る展開となる可能性もあるため、注意が必要となるでしょう。
なお、このトレンドラインは本日時点で0.6610米ドル付近に位置しており、1カ月後には0.6740米ドル台まで切り上がる予定です。
今後のイベントは
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は豪米の金融政策。足もとでは金融政策の方向性が相場の流れを左右していることもあり、両中銀ともに注意が必要となります。また、金融政策を占ううえで物価動向にも気を配りたいところ。豪州では本日からの1カ月間で四半期も含めて三回のCPIが発表となります。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
1月10日 豪州 11月消費者物価指数(CPI)
1月11日 米国 12月CPI
1月26日 米国 12月PCEコア・デフレーター
1月30-31日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)
1月31日 豪州 12月CPI
1月31日 豪州 10-12月期CPI
2月2日 米国 1月米雇用統計
2月6日 豪州 RBA理事会
2月6日 豪州 四半期金融政策報告