FX 誰にでもわかるチャート教室

第11回「誰にでもわかるチャート教室」 時間軸の考え方

前回まで4回に渡ってフォーメーション分析について紹介してきましたが、今回はちょっと趣向を変えて「チャート分析における時間軸」についてお話していこうと思います。


様々な時間軸の中でどれを選ぶべきか?

チャートにはローソク足やラインチャート、バーチャートなどの種類がありますが、いずれのチャートでも時間軸を決める必要があります。ローソク足ですと、1分毎に横軸が移動していく1分足から、1時間足、日足、週足、月足など様々な時間軸があるほか、5分足や4時間足などもよく使用されている時間足です。


これらの時間軸のうち、どれを採用するべきか判断に迷うこともあるでしょうが、結論から言ってしまうとどの時間軸が正解というのはありません。自分のトレードスタイルに合ったものが正解ということになるのですが、その際に「自分が相場を確認できる頻度・回数」が重要となってきます。


例えば1時間足を基に自分のトレード戦略を考えたにもかかわらず、家事や仕事などが忙しくて1日に相場をチェックする機会が2、3回程度ですと、1時間ごとの相場変動を追い続けるのは難しいでしょう。そうなればトレンドの加速・減速や転換などに気づくことが遅れる、さらにトレードのタイミングを逸してしまうといった事態を招きかねません。


そんな失敗をしないためにも自分が無理なく相場を確認できる頻度・回数を確認して、自分の生活スタイルにあった時間軸でトレード戦略を構築することを心掛けたいところです。前述のように1日に相場をチェックする機会が2、3回程度ならば日足以上の長い時間軸を選択するのがよいでしょう。



トレード戦略は必ず複数の時間軸を基に

もう一つ、時間軸について重要な点が「単一の時間軸のみで判断しない」ことです。

例えば1時間足のドル円を確認したところ、下落トレンドが確認できたとします。トレンドの方向性が分かったので早速売り注文を入れたいところですが、ここでいったん他の時間軸でも相場を見てみましょう。より長期の日足で確認すると、こちらでは上昇トレンドが発生中。こういった状況は為替相場に限らずよく起こります。


短期と長期の時間軸が相反する方向を示していた場合、どちらかのトレンドを選択する必要がありますが、相場への影響力は基本的に、長期>中期>短期です。

そのため複数の時間軸を使用するやり方として、個人的には「長期の時間軸で相場のトレンドを探り、短期のトレンドで売買ポイント(新規参入や利食い・損切り)を探る」ことをお勧めします。先ほどの例で言えば、現在の状況を上昇トレンド内の調整局面と捉えて押し目買いのポイントを探る、という形ですね。



また、新規で参入した後も短期の時間軸を継続的に確認することで、トレンドが転換する可能性にいち早く気づくことができるというメリットもあります。

複数の移動平均線などを表記すると分かりますが、トレンドが転換していく順番は短期→中期→長期が基本。短期・中期の時間軸を確認しながら、長期の時間軸で作った自分の投資戦略はこのままでよいか、見直す必要があるのか、など複数のシナリオを想定しておくと、その後の相場変動にも対応しやすくなるでしょう。

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第24回「誰にでもわかるチャート教室」 ポイント&フィギュア
第23回「誰にでもわかるチャート教室」 練行足とカギ足
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第20回「誰にでもわかるチャート教室」 エンベロープとボリンジャーバンド
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第11回「誰にでもわかるチャート教室」 時間軸の考え方
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第3回「誰にでもわかるチャート教室」相場の方向性が一目瞭然、トレンドライン
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第1回「誰にでもわかるチャート教室」 相場が不安定だからこそ、チャート分析に頼りたい

為替情報部 アナリスト

岩間 大祐

大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。 外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

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