今回解説していく通貨はトルコリラ円です。トルコ銀行(中央銀行)は前回の解説(6月19日)以降に開催した金融政策決定会合で政策金利を維持。一方、日銀はご存じの通り追加利上げに動き、結果的にドル円・クロス円は総崩れとなりました。円絡みの取引は現在も不安定な動きが続いていますが、チャート上でも改めてトルコリラ円の状況を確認していきましょう。
トルコリラ円の日足分析
下図のチャートはトルコリラ円の日足チャートになります。前回の解説(6月19日)からの推移を確認すると、7月3日に4.98円まで上昇する場面も見られたものの、その後は上値を切り下げる展開となり、8月26日には4.22円まで過去最安値を更新しました。
3月安値を起点とした短期上昇トレンド(チャート上の黄色実線)をはっきりと下抜けたことで、4カ月近く続いた上昇トレンドは転換。今回のチャートに追加した「一目均衡表」で見ても、7月上旬までは強い買いシグナルとされる三役好転(転換線>基準線、遅行スパン>26日前の価格線、価格線>抵抗帯(雲))が点灯していましたが、足もとでは一転して強い売りシグナルである三役逆転が点灯。
手元にある材料は売りを示唆するものばかりで、ここから買い向かうのは難しいでしょう。基本的には戻り売りを推奨。押し目買いをするには最低でも8月15・16日につけた直近高値4.43円(チャート上の丸で囲った部分)を超えてからとすべきです。
トルコリラ円の週足分析
次に週足でも状況を確認してきましょう(下図のチャート)。こちらにも一目均衡表を追加したほか、チャート下部には「DMI 」も加えてあります。
DMIは7月に約2年ぶりとなる+DI>-DIの状態(上昇トレンド)となりましたが、現在は再び-DI>+DI(下落トレンド)を示唆。トレンドの強さを示すADXも上昇しており、週足ベースで見てもはっきりとした下落基調となっています。
また、一目均衡表で見ると三役逆転こそ点灯していませんが、やはり売りを示唆するシグナルが多い状況にあります。さらに前回(7月)の上昇局面で一目雲にチャレンジすることができなかったことも気になるポイント。今後もしばらくは4.8-4.9円付近からの分厚い雲が上値を抑制する状態が続きます。日足分析で紹介した直近高値を上抜けたとしても、4円台後半にはこうしたレジスタンス水準が控えていることも覚えておきましょう。
今後のイベントは
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は日・トルコ両国の金融政策。日銀による前回の利上げと追加利上げ方針の表明によって円相場が急伸したのは記憶に新しいところであり、今回も注意が必要となります。また、日本の政局が為替相場に影響を及ぼすケースは多くないとはいえ、次期首相選でもある自民党総裁選の行方にも注目しておきたいところです。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
9月3日 トルコ 8月消費者物価指数(CPI)
9月19日 トルコ トルコ中銀、金融政策決定会合
9月19-20日 日本 日銀金融政策決定会合
9月27日 自民党総裁選