FX 誰にでもわかるチャート教室

第47回 今後のドル円相場

今回解説していく通貨はドル円です。日銀は植田総裁の下でも現在の金融緩和策を継続していく方針が明らかになった一方、米国では金融引き締めの長期化観測が高まり、日米間の金融政策の方向性の違いが明確になってきました。ドル円は日米金利差拡大への思惑から半年ぶりに140円の大台を回復してきましたが、チャート上でもドル円の状況を確認していきましょう。


ドル円の週足分析

下図のチャートはドル円の週足チャートになります。長期視点では2021年1月安値を始点する上昇トレンドが継続中です(チャート上の黄色実線)。一方、昨年10月高値を始点とする下降トレンド(青色実線)は4月にブレイク。今年1月安値を始点とする短期の上昇トレンド(黄色点線)は機能しており、足もとでは上昇基調がはっきりとしてきました



さらに今回は「ROC」でも見ていきましょう。ROC は4月下旬から一時的にマイナス圏に沈む場面も見られましたが、今月に入って再び負の値から正の値に転換。ゼロ水準を上抜けて「トレンドが下降から上昇へと転換した」ことを示唆しています。トレンドライン、ROCでいずれも現在が上昇トレンドであることが確認できました。


ドル円の日足分析

今度は日足でも見ていきます(下図のチャート)。週足で確認した今年1月安値を始点とする上昇トレンド(黄色点線)のほか、3月24日安値を始点とする上昇トレンド(黄色実線)もあり、これらを目処にした押し目買い戦略などが有効となりそうです。



なお、1月安値を始点とする上昇トレンドは5月31日時点(132.00円付近)から1カ月後(133.08円付近)、3月24日安値を始点とする上昇トレンドは5月31日時点(135.44円付近)から1カ月後(138.10円付近)までそれぞれ水準を切り上げていきます。


一方で、今後の上値目処ですがチャート上で目につくのは昨年11月21日高値(チャートの赤丸部分)の142.25円付近。過去に同水準を巡って激しい攻防があった145.00円付近(青色実線)も、今後はレジスタンスとなる可能性を秘めています。また、今回は「一目均衡表の水準論」でも上値の目標値を探ってみましょう。

チャート上の青丸で囲った部分を基に計算した均衡点ですが、N計算値とNT計算値はすでに上抜けているので今回は除外。V計算値は146.18円、E計算値は148.59円となります。この辺りも意識しておくとよさそうです。


今後のイベントは

最後に今後1か月間の重要イベントも確認しておきます。最大の注目は6月13-14日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)です。今回は経済・金利見通しも同時に公表されるため、FOMC参加メンバーによる政策金利見通し(ドットチャート)も注目されます。その他のイベントは以下の通りとなります。


今後1カ月の重要イベント

6月2日 米国 5月雇用統計

6月5日 米国 財務長官が指摘したデフォルト期限

6月13日 米国 5月消費者物価指数(CPI)

6月13-14日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)

6月15-16日 日本 日銀・金融政策決定会合

6月23日 日本 5月全国消費者物価指数(CPI)

6月30日 米国 5月個人消費支出(PCEコア・デフレーター)


この連載の一覧
第84回 ランド円、上昇トレンドは本物か
第83回 メキシコペソ円、レンジブレイクのチャンス到来
第82回 ユーロドル、レンジ相場脱却の手掛かりは乏しい
第81回 トルコリラ円、昨年8月以来のチャンスをものにできるか
第80回 ドル円、上昇トレンドを維持も上値追いは慎重に
第79回 NZドル米ドル、長期下落トレンドのブレイクは失敗か
第78回 豪ドル米ドル、依然として下落トレンド
第77回 ポンド円、来年以降の下値リスクに警戒
第76回 ランド円、ヘッドアンドショルダーズの可能性高まる
第75回 メキシコペソ円、レンジ相場がしばらく継続か
第74回 ユーロドル、メインシナリオはレンジ相場
第73回 ドル円、ポイントは一目均衡表雲の維持
第72回 低迷ぶりが際立つトルコリラ円、反発の可能性は?
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第69回 ユーロ円、月足チャートでは不安なし 週足では?
第68回 ポンドドル、一目雲に接近で正念場に
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第10回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その4
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第3回「誰にでもわかるチャート教室」相場の方向性が一目瞭然、トレンドライン
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第1回「誰にでもわかるチャート教室」 相場が不安定だからこそ、チャート分析に頼りたい

為替情報部 アナリスト

岩間 大祐

大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。 外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

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