今回解説していく通貨は豪ドル米ドルです。豪準備銀行(RBA)は5日に開催された金融政策決定理事会において、政策金利を市場予想通り4.10%で据え置くことを決定。声明文では「金融政策の幾分かの引き締めが必要になるかもしれない」「インフレ率を目標に戻すという断固とした決意に変わりはない」などの見解が示され、前回から大きな変更は見られませんでした。
ただ、市場ではRBAの金融引き締めサイクルが終了に近づいているとの思惑が広がり、公表後に豪ドルは売りに押されています。ではチャート上でも豪ドル米ドルの状況を確認していきましょう。
豪ドル米ドルの週足分析
下図のチャートは豪ドル米ドルの週足チャートになります。前回の解説(6月14日)からの推移を確認すると、長期視点では2021年2月高値を始点とする下落トレンドが継続中(チャート上の青色実線)。その一方で昨年10月安値を始点とする短期の上昇トレンドライン(黄色実線)は8月に入ってブレイク。2020年3月安値を始点とする上昇トレンドライン(黄色点線)も週引けベースで確認する必要がありますが、ブレイク寸前となっています。
足もとの状況を鑑みると気になるのはやはり下方向のリスクになるでしょう。前述の上昇トレンドラインをはっきりと下抜けると、下値余地がさらに拡大します。その際の目安として今回は複数のチャネルライン(青色点線)を加えてみました。重要な下値の目処である昨年10月13日安値0.6170米ドル(チャート上の丸で囲った部分)のほかに、こうしたチャネルラインでも目標値を確認しておきましょう。
豪ドル米ドルの日足分析
今度は日足でも見ていきます(下図のチャート)。チャート下部に追加した「DMI」は9月に入って-DIが+DIを上抜けており、下降トレンド入りしたことを示唆。ターゲットは週足分析でも示した昨年10月13日安値0.6170米ドル(チャート上の丸で囲った部分)となるでしょう。
一方で上値は先月末から2度上値を抑えられた0.6522米ドル超えが最初の目標となります。さらには8月10日高値の0.6616米ドルも目処になるでしょう。これらの水準を上抜けるまでは短期的にも戻り売り姿勢で臨むほうが無難となりそうです。
今後のイベントは
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は豪米の金融政策。また、豪州は5日開催分の豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨、米国はFOMCで同時に公表される金利見通し(ドットチャート)などを確認し、今後の金融政策方針を探りたいところです。その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
9月13日 米国 8月消費者物価指数(CPI)
9月14日 豪州 8月雇用統計
9月19日 豪州 豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨(9月5日開催分)
9月19-20日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)
9月27日 豪州 8月CPI
9月29日 米国 8月PCEコア・デフレーター
10月3日 豪州 RBA理事会
10月6日 米国 9月米雇用統計