今回解説していく通貨はメキシコペソです。高金利通貨として個人投資家からも人気の高く、スワップポイントも大きな魅力。メキシコの中央銀行は現在、政策金利を過去最高水準となる11.25%に設定しています。今回はより長期的な投資スタイルも考慮しながら、チャート上で状況を確認していきましょう。
メキシコペソ円の月足分析
下図のチャートはメキシコペソ円の月足チャートになります。長期視点では2007年6月高値を始点する下降トレンドラインを昨年3月にブレイクしました(チャート上の青色実線)。現在は2020年4月安値を始点とする上昇トレンド(黄色実線)が機能している状態です。
2020年4月安値を始点とする上昇トレンドラインは、今月時点で5.90円付近での推移。年末には6.30円台まで切り上がる見込みとなっており、スワップポイント狙いの長期視点であれば、このトレンドラインが維持されている限りは問題なさそうです。
メキシコペソ円の週足分析
今度は週足でも見ていきましょう(下図のチャート)。メインのトレンドは月足でも紹介しました2020年4月安値を始点とする上昇トレンドですが、直近の動きをみると昨年8月安値を起点とした比較的短期の上昇トレンドも機能しているようです。
7.60円近辺で2度上値を抑えられたことで「ダブルトップ」へと向かう場面もありましたが、上記のトレンドライン付近で下げ止まったことで、「ダブルトップ・フォーメーション」の完成は回避。足もとでは再び上値を目指す展開となっています。
こうした経緯を踏まえると、短期的には昨年8月安値を起点とした上昇トレンドの維持が肝要となるでしょう。なお、同ラインは執筆時点(21日)で6.78円台に位置しており、1か月後には6.83円台まで穏やかに上昇していく見込みです。
一方で、上値は前述した7.60円台を突破できるかがポイントになります。三度上値を抑えられると相場転換のきっかけとなるかもしれません。
今後重要イベントは
最後に今後の重要イベントも確認しておきます。注目は日・メキシコ両国の中央銀行金融政策。日銀は4月27-28日、メキシコ銀行(中央銀行)は5月18日に次回の金融政策決定会合が開催されます。また、メキシコペソ円は対ドル経由の取引で動意づくこともあるため、5月2-3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)にも留意しておきたいところです。その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
4月27-28日 日本 日銀金融政策決定会合(28日の会合後には植田新総裁の記者会見)
5月2-3日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC、3日の会合後にはパウエルFRB議長の記者会見)
5月9日 メキシコ 4月消費者物価指数(CPI)
5月18日 メキシコ メキシコ中銀、政策金利
5月19日 日本 4月全国CPI