今回解説していく通貨はNZドル円です。前回の分析(3月6日)以降に開催されたNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策決定会合(4月10日、5月22日)ではいずれも政策金利の据え置きが決定されました。ただ、声明文では総じてタカ派的な内容が目立ち、5月22日会合では利下げの開始予想時期が2025年7-9月期へと先延ばしされています。他の主要中銀と比較してもRBNZのタカ派姿勢が目立つ状況にありますが、チャート上でもNZドル円の状況を確認していきましょう。
NZドル円の月足分析
下図のチャートはNZドル円の月足チャートになります。前回の分析(3月6日)からどのように推移したかを見ていきますと、3月こそやや上値の重さが意識されたものの、4月以降は堅調地合いを取り戻し、2014年12月高値の94.05円(チャート上の青色点線)を上抜け。2007年7月につけた直近高値の97.79円(チャート上の青色実線)や節目となる大台の100円到達も視野に入ってきています。
一方で、2020年3月安値を始点とする上昇トレンドライン(チャート上の黄色実線)はしっかり機能しており、長期目線でははっきりとした上昇トレンドが継続しているようです。
NZドル円の週足分析
今度は週足でも見ていきます(下図のチャート)。2020年3月安値を始点とする上昇トレンドライン(チャート上の黄色実線)や2007年7月につけた高値の97.79円(チャート上の青色実線)は月足分析で紹介したものと同じものです。今回はさらに「DMI」もチャートに加えてあります。
月足でも確認した通り、現状ではしっかりとした上昇トレンドが続いているようです。+DI>-DIの状況で現在が上昇トレンドであることを示唆。さらにトレンドの強さを示すADXが急上昇しており、足もとで上昇トレンドが強まっていることが分かります。
ここからは月足分析で示した通り、2007年7月高値の97.79円や節目の100円などが上値の目標になりますが、2020年3月安値を始点とする上昇トレンドライン(チャート上の黄色実線)を基に引いた「チャネルライン」からは100円の大台よりも上値余地があるように見えますね。
一方で昨年3月安値を始点とする上昇トレンドライン(チャート上の黄色点線)を基に引いた「チャネルライン」から考慮すると、現状はほぼ上限付近に位置しています。今後はこうした「チャネルライン」などを中期・長期の上値目標として活用し、押し目買いを進めていくのが無難でしょう。
今後のイベントは
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきましょう。期間内ではありませんが、7月10日には次回のNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策決定会合が控えており、注目となります。また、日銀に関しても市場では政策正常化への思惑が広がっており、注意が必要となるでしょう。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
6月13-14日 日本 日銀金融政策決定会合
6月21日 日本 5月全国消費者物価指数(CPI)