前回からお伝えしているトレンドの継続を示唆する「コンティニュエーション・フォーメーション」。今回はその続きになります。今回はペナント、フラッグなどについてお話します。
ポールと三角旗で形成される保ち合い「ペナント」
ペナントは一見すると前回紹介したトライアングル・フォーメーションと似ているようですが、大きな違いは保ち合い局面に入るまでに急激な上昇・下落を経て形成されるという点です。
この上昇・下落の部分がポール、保ち合い局面がペナント(三角旗)のように見えることからペナントと呼ばれています。
上図はドル円の上昇ペナントが出現したパターン。急ピッチでの上昇(ポール)、そして保ち合い局面(ペナント)を経て、ペナントのレジスタンスラインをブレイク。再び上昇トレンドへ、という流れになります。
同様に急ピッチでの下落からペナントを形成する下降ペナントも存在します。言うまでもないことですが、こちらもペナント前のトレンドの方向性は維持されることになります。
また、ペナントはトライアングル・フォーメーションよりも「比較的短い期間で形成される」という特徴もありますので、こちらも覚えておきましょう。
ペナントとの違いは保ち合いの形状「フラッグ」
続いて紹介するのはフラッグと呼ばれるフォーメーション。ペナントと同様に比較的短い期間で形成されるフォーメーションであり、ポール部分が存在するのも同様です。違いは保ち合い局面の形状となります。
上図はユーロドルでフラッグが出現したパターン。急ピッチでの上昇(ポール)が続いた後、平行四辺形の保ち合い局面を挟んで上昇トレンドへと回帰しています。先ほどのペナントと違ってこの保ち合い局面が国旗のような旗に見えることからフラッグと呼ばれます。
上図のフラッグは強気相場内での一時的な調整部分に当たることから「強気の下降フラッグ」と呼称されています。反対に下落時に出現するフラッグは「弱気の上昇フラッグ」となります。
為替市場では見られないフォーメーションも
今回は紹介しきれませんでしたが、この他にもポールを伴いつつも比較的長い期間を経て形成されるウェッジ(強気の下降ウェッジ、弱気の上昇ウェッジ)、ローソク足などでいわゆる「窓」を開けてトレンド反転を示唆するリバーサル・ポイント※、トライアングル・フォーメーションの派生として逆三角形のような形状で徐々に上下が拡大していくブロードニング・フォーメーションなど、特殊なフォーメーションも存在します。
※株式相場などのチャート分析では両方に「窓」が空いた「アイランドリバーサル(離れ小島)」が重要なトレンド転換のシグナルとして紹介されることがありますが、24時間取引が基本となる外国為替市場では「窓」ができることがほとんどないため、原則出現することはありません。