FX 誰にでもわかるチャート教室

第27回 避けられるリスク(英国・オセアニア編)

前々回の米国編、前回の日本・欧州圏とイベント・指標について簡単に説明してきましたが、今回は英国・オセアニア圏(豪州とニュージーランド)になります。


英国で重要なイベント・指標とは

英MPC

英国の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)が定期的に開催している金融政策決定会(Monetary Policy Committee)です。年8回開催され、金融政策の結果と同時にMPCの議事要旨が公表されるという特徴があります(他の中銀は金融政策会合の2週間以上後に公表、日銀の場合は6週間後)。

また、英MPCでは票決が分かれるケースも多く、他の中銀と比較しても9名のMPCメンバーの票の行方にも注目が集まります


CPI

BOEの責務も「物価の安定」であるため、月の中旬に発表される消費者物価指数(CPI)の内容は注目されます。なお、BOEのインフレ目標は2%となっています。


その他の経済指標やイベント、要人発言など

その他の経済指標は市場予想から大きくかい離する結果とならない限り、相場への影響も限定的です。また、英経済指標の特徴として、月の中旬に集中的に発表されるということは一応頭に入れておきましょう。その分、他国のように月初や月末に発表される指標の数は控えめです。



ニュージーランドで重要なイベント・指標とは

RBNZ

ニュージーランド(以下、NZ)の中央銀行であるNZ準備銀行(RBNZ)は年間に7回、金融政策決定理事会を開催します。NZドルは米ドルやユーロ、円などと比較すると流通量が限られるため、同じ中銀のイベントでも相場変動は大きくなりがちです。


CPI

NZでは消費者物価指数(CPI)の発表は四半期ベースです。発表時間が日本時間の早朝に当たり、市場の流動性が低下している時間帯なので、相場の急変動に注意が必要です。


NZの変わった特徴

NZドルの特徴として豪ドルとの連動制が挙げられます。NZは豪州と産業構造も大きく異なりますが(NZは農業国、豪州は鉱業国)、為替市場では同じオセアニア通貨として同様の方向性になりがち。豪ドルが動意づいた時には連動して動くこともあるので、豪ドルの動向にも注意が必要となります。



豪州で重要なイベント・指標とは

RBA

豪州の中央銀行である豪準備銀行(RBA)は年間に11回、金融政策決定理事会を開催します。1月以外の毎月、第1火曜日に開催されます。多分に漏れず、中央銀行の金融政策は最重要イベントになります。RBAは主要中銀の中でも最も金融政策決定理事会の回数が多いので、月初は常にリスク管理が重要となります。


CPI、雇用統計

豪州では消費者物価指数(CPI)の発表は四半期ベースでしたが、近年になって月次ベースの発表も公表されるようになりました。また、月の中旬に発表される雇用統計も注目度が高く、相場の影響を与える場面がしばしば見られます。

この連載の一覧
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第108回 ユーロ円、はたして「ダマシ」だったのか
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第105回 NZドル米ドル、「三角保ち合い」のブレイクを見極めたい
第104回 ドル円、上昇トレンドは崩れていない
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第102回 メキシコペソ円、2022年からの上昇トレンドは終了?
第101回 ユーロドル、現在の下落基調でレンジブレイクなるか
第100回 トルコリラ円、週足ベースでも変化の兆し
第99回 豪ドル円、10数年ぶりの高値の視野に
第98回 NZドル円、ますます上昇トレンドが明瞭に
第97回 ポンドドル、短期的には上方向へ
第96回 ユーロ円、ユーロ導入来高値更新で未知の領域へ
第95回 ランド円、10数年来の相場転換となる可能性も
第94回 ドル円、急落後も上昇トレンドを維持
第93回 メキシコペソ円、上昇トレンドは健在だが・・
第92回 トルコリラ円、大きなチャンス到来か
第91回 豪ドル米ドル、上方向は攻めづらい
第90回 NZドル米ドル、トレンド転換につながる注目ポイントに接近
第89回 ユーロドル、ヘッド・アンド・ショルダーズの完成なるか
第88回 ドル円、5月中にも上方向へブレイクか
第87回 豪ドル円、上昇トレンド継続に黄色信号
第86回 NZドル円、上昇トレンド継続も目先は調整リスク
第85回 ポンドドル、長期下降トレンドの転換は間近?
第84回 ランド円、上昇トレンドは本物か
第83回 メキシコペソ円、レンジブレイクのチャンス到来
第82回 ユーロドル、レンジ相場脱却の手掛かりは乏しい
第81回 トルコリラ円、昨年8月以来のチャンスをものにできるか
第80回 ドル円、上昇トレンドを維持も上値追いは慎重に
第79回 NZドル米ドル、長期下落トレンドのブレイクは失敗か
第78回 豪ドル米ドル、依然として下落トレンド
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第39回 ダウ理論とエリオット波動(3)
第38回 ダウ理論とエリオット波動(2)
第37回 ダウ理論とエリオット波動(1)
第36回 ローソク足(3)
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第34回 ローソク足(1)
第33回 一目均衡表(4)
第32回 一目均衡表(3)
第31回 一目均衡表(2)
第30回 一目均衡表(1)
第29回 リトレースメント
第28回 避けられるリスク(その他の国編)
第27回 避けられるリスク(英国・オセアニア編)
第26回 避けられるリスク(日本・欧州編)
第25回「誰にでもわかるチャート教室」 避けられるリスク(米国編)
第24回「誰にでもわかるチャート教室」 ポイント&フィギュア
第23回「誰にでもわかるチャート教室」 練行足とカギ足
第22回「誰にでもわかるチャート教室」 新値足
第21回「誰にでもわかるチャート教室」 パラボリック
第20回「誰にでもわかるチャート教室」 エンベロープとボリンジャーバンド
第19回「誰にでもわかるチャート教室」 MACD
第18回「誰にでもわかるチャート教室」 ROC
第17回「誰にでもわかるチャート教室」 突発的な急変動に対処する
第16回「誰にでもわかるチャート教室」 DMI
第15回「誰にでもわかるチャート教室」 サイコロジカル・ライン
第14回「誰にでもわかるチャート教室」 RCI
第13回「誰にでもわかるチャート教室」 ストキャスティクス
第12回「誰にでもわかるチャート教室」 RSI
第11回「誰にでもわかるチャート教室」 時間軸の考え方
第10回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その4
第9回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その3
第8回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その2
第7回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その1
第6回「誰にでもわかるチャート教室」 移動平均線~その2
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第4回「誰にでもわかるチャート教室」チャネルラインと外国為替市場の独自性
第3回「誰にでもわかるチャート教室」相場の方向性が一目瞭然、トレンドライン
第2回「誰にでもわかるチャート教室」相場のトレンドを探る
第1回「誰にでもわかるチャート教室」 相場が不安定だからこそ、チャート分析に頼りたい

為替情報部 アナリスト

岩間 大祐

大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。 外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

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