前々回の米国編、前回の日本・欧州圏とイベント・指標について簡単に説明してきましたが、今回は英国・オセアニア圏(豪州とニュージーランド)になります。
英国で重要なイベント・指標とは
・英MPC
英国の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)が定期的に開催している金融政策決定会(Monetary Policy Committee)です。年8回開催され、金融政策の結果と同時にMPCの議事要旨が公表されるという特徴があります(他の中銀は金融政策会合の2週間以上後に公表、日銀の場合は6週間後)。
また、英MPCでは票決が分かれるケースも多く、他の中銀と比較しても9名のMPCメンバーの票の行方にも注目が集まります。
・CPI
BOEの責務も「物価の安定」であるため、月の中旬に発表される消費者物価指数(CPI)の内容は注目されます。なお、BOEのインフレ目標は2%となっています。
・その他の経済指標やイベント、要人発言など
その他の経済指標は市場予想から大きくかい離する結果とならない限り、相場への影響も限定的です。また、英経済指標の特徴として、月の中旬に集中的に発表されるということは一応頭に入れておきましょう。その分、他国のように月初や月末に発表される指標の数は控えめです。
ニュージーランドで重要なイベント・指標とは
・RBNZ
ニュージーランド(以下、NZ)の中央銀行であるNZ準備銀行(RBNZ)は年間に7回、金融政策決定理事会を開催します。NZドルは米ドルやユーロ、円などと比較すると流通量が限られるため、同じ中銀のイベントでも相場変動は大きくなりがちです。
・CPI
NZでは消費者物価指数(CPI)の発表は四半期ベースです。発表時間が日本時間の早朝に当たり、市場の流動性が低下している時間帯なので、相場の急変動に注意が必要です。
・NZの変わった特徴
NZドルの特徴として豪ドルとの連動制が挙げられます。NZは豪州と産業構造も大きく異なりますが(NZは農業国、豪州は鉱業国)、為替市場では同じオセアニア通貨として同様の方向性になりがち。豪ドルが動意づいた時には連動して動くこともあるので、豪ドルの動向にも注意が必要となります。
豪州で重要なイベント・指標とは
・RBA
豪州の中央銀行である豪準備銀行(RBA)は年間に11回、金融政策決定理事会を開催します。1月以外の毎月、第1火曜日に開催されます。多分に漏れず、中央銀行の金融政策は最重要イベントになります。RBAは主要中銀の中でも最も金融政策決定理事会の回数が多いので、月初は常にリスク管理が重要となります。
・CPI、雇用統計
豪州では消費者物価指数(CPI)の発表は四半期ベースでしたが、近年になって月次ベースの発表も公表されるようになりました。また、月の中旬に発表される雇用統計も注目度が高く、相場の影響を与える場面がしばしば見られます。