前回に続いて「一目均衡表」の基本的な見方を解説していきます。先行スパンや遅行スパンの基本的な利用法、また転換線や基準線なども含めて複合的に相場の転換ポイントを探る「三役好転」についても紹介します。
一目均衡表の見方(基礎編)
先行スパン1、先行スパン2
先行スパン1と先行スパン2の間の帯状の部分を雲(抵抗帯)と呼び、価格線が雲より上に位置している場合は「強気相場」、価格線が雲より下に位置している場合は「弱気相場」となります。
雲は上昇相場では押し目の目処、下落相場では戻りの目処として機能し、雲の厚さが厚ければ強い抵抗に、薄ければ弱い抵抗となります。また、先行スパン1と先行スパン2の上下が入れ替わるポイントを「雲のねじれ」と呼び、トレンド転換のサインとも言われています。
遅行スパン
遅行スパンが価格線を上回った際を「好転=買い」、遅行スパンが価格線を下回った際を「逆転=売り」となります。遅行スパンは当日の終値を26日遅行させるものですから、26日前と比較して相場が上昇しているか、下落しているかという判断です。
三役好転と三役逆転
三役好転とは、転換線と基準線、抵抗帯と現在の価格線、遅行スパンと26日前の価格線、でいずれも好転したことを示す状態です。三役好転は「買いのポイント」とされ、詳細な条件は以下の通りとなります。
①基準線が横ばいもしくは上昇している状態で、転換線が基準線を上回る
②現在の価格線が抵抗帯を上回る
③遅行スパンが26日前の価格線を上回る
以上の3条件をいずれも満たした状態となります。
また、三役逆転は①-③の条件を一つも満たしていない状態を指し、「売りのポイント」とされています。
三役好転と天底は一致しない?
では、実際のチャートで一目均衡表を見ていきたいと思います。下図はユーロドルの日足チャート。昨年の前半は下落基調となっていましたが、9月後半に底を打ってから上昇基調へと転じています。
これに対して三役が好転したタイミングはバラバラですが、もっとも遅かったのが②の現在の価格線が抵抗帯を上回ったポイントです(チャートの○で囲った部分)。
この時点で三役好転が成立したことになりますので、三役好転は11月前半。実際に相場が転換(9月後半)してから1カ月半ほどのタイムラグがあったことになります。
このように一目均衡表の三役好転・三役逆転は通常の場合、実際の相場転換から遅行することがほとんどです。これは決してネガティブなことではなく、相場の格言「天井売らず、底買わず」に即したもの。一目均衡表を考案した一目山人氏も「天底を狙うことは容易ではなく、狙うべきでもない」と述べています。