前回までトレンドの反転を示唆するリバーサル・フォーメーションを紹介してきましたが、今回からはトレンドの継続を示唆するコンティニュエーション・フォーメーションについて話していきます。
上昇・下降トレンドの最中にも勢いが小休止する「保ち合い」と呼ばれる局面が出現することがあります。
このままトレンドが終了・反転していくのかと疑問が出てくるでしょうが、コンティニュエーション・フォーメーションを形成する場合、再び元のトレンドに回帰していきますので、その時になって慌てないようにコンティニュエーション・フォーメーションの形状を理解しておきましょう。
買い方・売り方の勢力の違いが保ち合いの形を作る
コンティニュエーション・フォーメーションの中で特に重要なものに、トライアングル・フォーメーションがあります。
トライアングル(三角形)の字の通り、相場が三角形の形を形成。いわゆる「三角保ち合い」のことです。
上図はユーロドルのトライアングル・フォーメーションが出現したパターン。それまでの下降トレンドがいったん保ち合いに入り、トライアングルを形成しています。
ここでは1.3000ドルがサポートラインとして機能し、何度か戻りを試す動きを見せていますが、次第に売り方の勢力が増したことで徐々に戻りが鈍くなり、上値を切り下げる形で推移。ついには買い方が耐えられなくなり、1.3000ドルのサポートラインをブレイク。さらに下値を探る展開に、という流れです。
このように下値が一定で上値が切り下がる形は「ディセンディング・トライアングル(下降三角形)」と呼ばれます。逆に上値が一定で下値が切り上げる形は「アセンディング・トライアングル(上昇三角形)」と呼び、こちらは上昇トレンド時に出現する保ち合い局面です。
いずれの場面でもトライアングルを作る前の相場の進行方向は、トライアングル後も維持されることは変わりません。
買い方・売り方の勢力が拮抗した場合は?
ここまでは買い方か売り方の勢いがどちらか優勢の場合に形成されるトライアングルについてお話してきましたが、買い方・売り方の勢力が拮抗している場合も、相場はトライアングルを形成することがあります。
上図はユーロ円のトライアングル・フォーメーションが出現したパターン。
これまでと違って買い方と売り方の勢力が拮抗した結果、この保ち合い局面では上値の切り下げと下値の切り上げが同時に進行します。そして保ち合い局面が進んで相場が煮詰まった後に、保ち合い局面をブレイク。トレンドが再開した形です。
これをシンメトリカル・トライアングル(対称三角形)と呼びます。シンメトリカル・トライアングルは上昇・下降トレンドのどちらでも出現しますが、ここでも大事なことは相場の方向性は維持されるということ。
上図のユーロ円チャートでも、上昇トレンドはシンメトリカル・トライアングルを経て、トレンドの方向を維持していることが分かります。