FX 誰にでもわかるチャート教室

第25回「誰にでもわかるチャート教室」 避けられるリスク(米国編)

前回まで非時系のテクニカル指標について解説してきましたが、今回からは趣向を変えて主要国のイベント・経済指標などに目を向けていきたいと思います。チャート分析でイベント・経済指標に触れることは少し趣旨が違うかもしれませんが、把握しているとトレードに役立つことも多いはずです。


知っていれば避けられるリスク

なぜ今回、イベント・経済指標について述べていくかと言いますと、チャート分析を主体にしたトレードにおいて、これらの要素は「邪魔者」だからです。ということであれば無視したくなりますが、残念ながら一部のイベント・経済指標が相場の与える影響力は大きく、初回の内容でも触れたとおり、チャート分析のそれを軽く凌駕します。


テクニカル上では上昇だと予想していても、指標の結果次第で相場が急落・・・といったケースは為替市場でもよくあること。そのため重要なイベント・経済指標については最低限理解しておく必要があります。チャート分析を基にトレードをしていたとしても、重要指標などの前にはしっかりとリスクヘッジをしておきましょう。



米国で重要なイベント・指標とは

最初に解説する国はやはり米国です。ドル絡みの取引には当然大きな影響を与えますし、ドル円などを通じてクロス円にも影響を及ぼすことが多いため、為替取引をする上で米国を無視することはできません。以下、米国の重要なイベントや経済指標について簡単に紹介します。


米連邦公開市場委員会(FOMC)

米国の中央銀行に当たる米連邦準備理事会(FRB)が開催している金融政策決定会合です。世界経済全体に影響を及ぼすため、市場の注目度も当然ながら特Aクラス。6週間に1回、年8回開催されます。FOMCの結果公表後にはFRB議長の記者会見もあり、こちらにも注意する必要があります。日本時間で深夜3時(米国の冬時間には4時)に結果が出るため、当日はその前にリスク管理を徹底しておきたいところです。


消費者物価指数(CPI)、雇用統計、個人消費支出(PCE)デフレーター

FRBの責務は「雇用の最大化と物価の安定」となっているため、FRBが注視しているこれらの指標は金融政策に与える影響が大きく、数多くの米経済指標の中でも特に重要視されています。基本的には雇用統計が月の初旬、CPIが中旬、PCEデフレーターが月末に発表されます。

なお、経済指標全般に言えることですが、前回から伸びが加速・減速しているか、市場予想から上・下振れたかなどが注目され、予想との乖離が大きいほど発表後の相場変動も大きくなる傾向があります


その他の経済指標やイベント、要人発言など

その他では国内総生産(GDP)やFOMC議事要旨なども注目度の高い指標です。また、他の指標についても注目度が高まるケースがあります。例えば現在ですと、世界的にインフレが高進している影響から通常よりも物価関連統計に注目が集まりやすくなっています。これらはその都度注目度が変化するため一概には言えません。


また、FRB当局者の発言も注目ポイントです。パウエルFRB議長は別格として、FRBを構成する全米12地区の地区連銀総裁の発言に相場が反応することもあります。同じ地区連銀総裁でもその年のFOMCで投票権を有しているかなどで注目度が変わりますが、ここでは割愛します。興味がある方は調べてみて下さい。



がんじがらめにならないように

とはいえ、これらの指標や要人発言などを全て警戒するとほぼ毎日のように注意せざるを得なくなります。それで身動きが取れなくなってしまっては本末転倒というもの。ある程度までの指標やイベント、要人発言などは許容すべきリスク要因として扱う方が無難でしょう。


ただ、前述した「FOMC」「CPI」「雇用統計」「PCEデフレーター」「FRB議長発言」の予定だけは、テクニカル主体のトレードでも常にチェックしておくべきです。

この連載の一覧
第84回 ランド円、上昇トレンドは本物か
第83回 メキシコペソ円、レンジブレイクのチャンス到来
第82回 ユーロドル、レンジ相場脱却の手掛かりは乏しい
第81回 トルコリラ円、昨年8月以来のチャンスをものにできるか
第80回 ドル円、上昇トレンドを維持も上値追いは慎重に
第79回 NZドル米ドル、長期下落トレンドのブレイクは失敗か
第78回 豪ドル米ドル、依然として下落トレンド
第77回 ポンド円、来年以降の下値リスクに警戒
第76回 ランド円、ヘッドアンドショルダーズの可能性高まる
第75回 メキシコペソ円、レンジ相場がしばらく継続か
第74回 ユーロドル、メインシナリオはレンジ相場
第73回 ドル円、ポイントは一目均衡表雲の維持
第72回 低迷ぶりが際立つトルコリラ円、反発の可能性は?
第71回 豪ドル円、上値トライのチャンスだが力強さを欠く
第70回 NZドル円、いよいよ過去最高値も視野入りか
第69回 ユーロ円、月足チャートでは不安なし 週足では?
第68回 ポンドドル、一目雲に接近で正念場に
第67回 ランド円、ヘッドアンドショルダーズの懸念消えず
第66回 NZドル米ドルに反発のチャンス到来?
第65回 好調なメキシコペソ円に失速の気配
第64回 ドル円、150円台までは介入の可能性低い
第63回 カナダドル円、110円台への再挑戦が迫る
第62回 リラ円、一目雲を数年来上抜けできず
第61回 今後の豪ドル米ドル相場
第60回 今後のユーロドル相場
第59回 今後のポンドドル相場
第58回 今後のランド円相場
第57回 今後のNZドル円相場
第56回 今後のドル円相場
第55回 今後のメキシコペソ円相場
第54回 今後のトルコリラ円相場
第53回 今後の豪ドル円相場
第52回 今後のNZドル米ドル相場
第51回 今後のユーロドル相場
第50回 今後のユーロ円相場
第49回 今後の豪ドル米ドル相場
第48回 今後のポンド円相場
第47回 今後のドル円相場
第46回 今後のランド円相場
第45回 今後のトルコリラ円相場
第44回 今後のNZドル円相場
第43回 今後のメキシコペソ円相場
第42回 今後のユーロドル相場
第41回 今後の豪ドル円相場
第40回 今後のドル円相場
第39回 ダウ理論とエリオット波動(3)
第38回 ダウ理論とエリオット波動(2)
第37回 ダウ理論とエリオット波動(1)
第36回 ローソク足(3)
第35回 ローソク足(2)
第34回 ローソク足(1)
第33回 一目均衡表(4)
第32回 一目均衡表(3)
第31回 一目均衡表(2)
第30回 一目均衡表(1)
第29回 リトレースメント
第28回 避けられるリスク(その他の国編)
第27回 避けられるリスク(英国・オセアニア編)
第26回 避けられるリスク(日本・欧州編)
第25回「誰にでもわかるチャート教室」 避けられるリスク(米国編)
第24回「誰にでもわかるチャート教室」 ポイント&フィギュア
第23回「誰にでもわかるチャート教室」 練行足とカギ足
第22回「誰にでもわかるチャート教室」 新値足
第21回「誰にでもわかるチャート教室」 パラボリック
第20回「誰にでもわかるチャート教室」 エンベロープとボリンジャーバンド
第19回「誰にでもわかるチャート教室」 MACD
第18回「誰にでもわかるチャート教室」 ROC
第17回「誰にでもわかるチャート教室」 突発的な急変動に対処する
第16回「誰にでもわかるチャート教室」 DMI
第15回「誰にでもわかるチャート教室」 サイコロジカル・ライン
第14回「誰にでもわかるチャート教室」 RCI
第13回「誰にでもわかるチャート教室」 ストキャスティクス
第12回「誰にでもわかるチャート教室」 RSI
第11回「誰にでもわかるチャート教室」 時間軸の考え方
第10回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その4
第9回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その3
第8回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その2
第7回「誰にでもわかるチャート教室」 フォーメーションあれこれ~その1
第6回「誰にでもわかるチャート教室」 移動平均線~その2
第5回「誰にでもわかるチャート教室」 移動平均線~その1
第4回「誰にでもわかるチャート教室」チャネルラインと外国為替市場の独自性
第3回「誰にでもわかるチャート教室」相場の方向性が一目瞭然、トレンドライン
第2回「誰にでもわかるチャート教室」相場のトレンドを探る
第1回「誰にでもわかるチャート教室」 相場が不安定だからこそ、チャート分析に頼りたい

為替情報部 アナリスト

岩間 大祐

大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。 外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

岩間 大祐の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております