今回解説していく通貨はNZドル米ドルです。NZ準備銀行(RBNZ、中央銀行)では前回の分析(1月15日)から大きな変化がありました。3月5日にオアRBNZ総裁が突然の辞任を発表。任期を3年残しての辞任となりました。今月9日には次回の金融政策決定会合が開催されますが、当面はホークスビーRBNZ副総裁が総裁代行として金融政策のかじ取りを担うことになります。基本的に金融政策方針が大きく変化することはないでしょうが、しばらくは注意しておく必要があるでしょう。
では、チャート上でもNZドル米ドルの状況を確認していきましょう。
NZドル米ドル週足分析
下図のチャートはNZドル米ドルの週足チャートになります。前回の分析時(1月15日)からの推移を確認すると、昨年9月30日高値を始点とする下降トレンドライン(チャート上の黄色実線)を今年1月下旬にブレイク。その後はやや下げ渋る動きとなり、3月には0.58米ドル台まで下値を切り上げる場面も見られました。
ただ、前回に戻りの注目水準として指摘した昨年8月5日安値の0.5850米ドル、昨年4月19日安値の0.5852米ドル(いずれもチャート上の青色実線)を超えられてはおらず、今後さらに買い戻しが続くかについても不透明感が漂います。
チャート下部に追加した「DMI」で確認しても、依然として-DI>+DI(下落トレンド)を示唆。トレンドの強さを示すADXも高止まりしており、下落トレンドが形成されていることを示しています。
一方で今後の下値目処としては2022年10月安値の0.5512米ドルおよび2020年3月安値の0.5470米ドル(いずれもチャート上の丸で囲った分)辺りとなりそうです。節目の0.5500米ドルを挟んだこれらの水準をクリアに下抜けてしまうと、2009年につけた0.4900米ドル付近まで大きな下値目標がなくなります。
NZドル米ドルの日足分析
今度は短期的なチャートから相場の流れを改めて確認していきましょう。下図は日足チャートです。(3月31日執筆時点)。
週足分析とは違ってチャート下部の「DMI」からは明確なトレンドの動きは確認できないようです。-DIと+DIは交差を繰り返しており、何よりもトレンドの強さを示すADXは際立って低水準で推移。昨年10月から今年1月中旬までは明確な下落トレンドとなっていましたが、現在は新たなトレンドの形成待ちといったところでしょうか。
ただ、チャート上からは2月3日安値を始点として徐々に下値を切り上げる動きが確認でき、今後に戻りの目処(0.5850米ドル台、チャート上の青色実線)を上抜けることができれば、週足分析で示した下落トレンドの転換につながるかもしれません。直近の買い戻しが今後も継続していくか注目しておきたいところです。
今後のイベントは
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。期間内に米連邦公開市場委員会(FOMC)は予定されておらず、注目はNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策決定会合となるでしょう。ホークスビーRBNZ副総裁のもとで6人体制での会合となりますが、オア前総裁が前回の金融政策決定会合時に示した方針(4月と5月に25bpの引き下げを想定)を維持するのか、それとも何らかの変化が見られるかの注目しておきましょう。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
4月4日 米国 3月米雇用統計
4月9日 NZ NZ準備銀行(RBNZ)、金融政策
4月10日 米国 3月消費者物価指数(CPI)
4月17日 NZ 1-3月期CPI
4月30日 米国 3月PCEコア・デフレーター
5月2日 米国 4月米雇用統計