新NISAの開始をきっかけに投資を始める個人が増えました。つみたて投資枠でインデックスファンドに投資する人、成長投資枠を使って個別株に投資する人、スタイルはそれぞれだと思います。
いずれにも共通しているのは中長期投資がメインということです。新NISAが始まってからは、企業の成長とともに中長期的な値上がりを狙ったり、安定的な配当を継続的に受け取りたいというニーズがいっそう強まった感じがあります。老後に向けた資産形成への関心が高まったことが理由の一つかもしれません。
株主の権利を行使してみる
個別株を買うと、その会社の株主になります。主な目的は前述のとおり値上がりや配当、優待などですが、株主総会への出席と議決権の行使も株主の権利です。報道番組では、株主総会の会場に向かう人がカメラに映ることがありますよね。
ただ、映っているのは若者というよりもリタイア世代が多い印象です。基本的に株主総会は平日の日中に開催されるので、働いている現役世代は参加しづらいのが実情と言えます。
一方で、投資先の経営陣から直接話を聞ける貴重な場でもあり、開示資料には載っていない話が出てくることもあります。機会があれば、一度は参加してみると思わぬ収穫があるかもしれません。
ちなみに、株主は1単元で1議決権をもらえます。現時点で日本株の売買は普通株式が100株単位に統一されましたので、100株で議決権1つ。1000株なら議決権は10個です。

株主になると、株主総会が開かれる前に招集通知が届きます。そこには議決権を行使できる書類も入っており、当日の投票だけでなく、事前投票もできます。選挙みたいな感じですね。
株主総会では何をする?
株主総会は年に1回開催される定時株主総会が基本で、事業報告の説明が中心となります。定時株主総会に上がる議案は役員の選任などが多いですが、必要に応じて開催される臨時株主総会では、M&A・組織再編、買収防衛、大規模な増資など株価へのインパクトも大きい議案が中心となります。
特段の不安がない場合、定時株主総会は平和に終わりますが、機関投資家との攻防を繰り広げている会社や不祥事を起こした会社、業績が悪く株価が大きく下げた会社などの定時株主総会、臨時株主総会は荒れる傾向にあります。ニュースには載らない現場の臨場感をリアルタイムで体験できるのが株主総会の面白さでもあります。
過去は定時株主総会で株主にお土産を渡す企業も一定数あり、これを目的に参加する個人投資家も多かったようです。現在は縮小傾向です。なお、企業によっては特徴的なこともあります。例えば、某玩具メーカーの株主総会では仮装した株主が毎回参加するなど、一種の恒例行事となっています。株主総会というとお堅いイメージがありますが、その会社らしさが出る場でもあります。
以前よりも参加しやすくなった株主総会
昨今ではオンラインで株主総会を開催する企業も増えています。自宅PCやスマホなど、通信環境が整っていればどこからでも参加できるので、人によっては仕事の合間に参加することもできるでしょう。
規模の大きい会社になるほど参加する株主も増えますが、反対に規模が小さい企業は参加者がそこまで多くならない傾向にあります。株主総会では事業報告が終わると質疑応答に入りますので、このタイミングで株主は質問を投げかけることができます。

質問が押し寄せる大企業に比べて、後者の企業は自分の声を拾ってくれる可能性があります。推しの配信で自分のコメントが拾われるような感覚に近いかもしれません。たとえ100株しか持っていなかったとしても、自分の存在が認知されるのは嬉しいですよね。
もし長期的に投資したい、投資している企業があるのであれば、時間を作って1度は株主総会に参加してみることをおすすめします。相場が急変動すると不安にはなりますが、株主として会社との関わりを持つことで長期投資のスタンスがより盤石になるのではないでしょうか。





