今回解説していく通貨はメキシコペソ円(mxn/jpy)です。テクニカル的には日足ベースでやや上昇の勢いに陰りが見られます。週足ベースは明確な上昇トレンドを維持していますが、短期的にはやや注意が必要となるでしょう。
ファンダメンタルズではメキシコ中銀が追加利下げを実施したものの僅差での決定となり、今後の追加緩和についてもやや不透明感が広がりつつあります。
今後のメキシコペソ円の相場焦点:メキシコ中銀は僅差で追加利下げを決定
まずはメキシコの現在の金融政策状況を確認していきます。
メキシコ銀行(中央銀行)は2021年7月に金融引き締めを開始。2023年4月に政策金利を11.25%まで引き上げて、2024年3月から金融緩和局面へと移行しました。現在の政策金利は6.75%です。
●メキシコ銀行は3月に開催された直近の会合で政策金利を6.75%へと引き下げましたが、その際の声明文では
・インフレ見通しは今年1-3月期から7-9月期にかけてわずかに上方修正
・中銀のインフレ目標(3.0%±1.0%)に収束する時期については2027年4-6月期で変わらず
・インフレ軌道のリスクは引き続き上振れ方向に傾いている
・今後もマクロ経済および金融状況の推移に応じて、追加の金利引き下げの適切性と時期を評価する
などの見解が示されました。
また、今回の決定が3対2の僅差であったこと(ヒース副総裁とボルハ副総裁は据え置きに投票)も明らかになっています。追加緩和方針は維持した格好ですが、今後の金融政策については不透明感も根強い状況です。
メキシコペソ円の日足分析:上昇の勢いに陰り
下図のチャートはメキシコペソ円の日足チャートになります。

昨年4月9日安値の6.84円を始点とする上昇トレンド(チャート上の黄色実線)がしばらく続いていましたが、今年の3月に入ってトレンドラインを下抜けてきました。
チャート下部に追加した「DMI」で確認しても-DI>+DI(下落トレンド)を示唆。昨年4月からの急激な上昇トレンドラインを割り込んだからといって、下降トレンド入りしたと判断するのは次期尚早ですが、やや上昇の勢いが鈍っている点には警戒しておきましょう。
なお、目先の上値目標として意識されていた2024年7月高値の9.09円は一時的に上抜ける場面がありましたが、同年5月高値の9.46円(いずれもチャート上の青色実線)はまだ届いていない状態です。
メキシコペソ円の週足分析:上昇基調が継続
今度はやや長期的な視点で状況を確認していきます。下図のチャートはメキシコペソ円の週足チャートです。

こちらでは2020年4月安値を起点とする長期の上昇トレンド(チャート上の黄色実線)がしっかりと継続しているようです。チャート下部に追加した「DMI」で確認しても+DI>-DI(上昇トレンド)を示唆。トレンドの強さを示すADXも上昇一服こそしていますが、数年来の高水準を維持しています。総じて明確な上昇トレンドにあることがうかがえます。
気を付けるべきは日足分析で指摘した上値目標(2024年5月高値の9.46円)に今後も届かなかった場合でしょうか。現状ではこのシナリオに向かうリスクは低いと思われますが、2024年5月高値と今回の高値で大きなダブルトップを形成する可能性もゼロではないでしょう。
今後の取引材料・変動要因をチェック:日・メキシコの金融政策に注目
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は日本・メキシコ両国の金融政策。市場では日銀が4月会合で追加利上げに動くとの見方が広がっているほか、メキシコ中銀は前述したように追加緩和方針を維持しているものの先行き不透明感が根強い状況です。
また、3月以降のインフレ統計ではいよいよ中東戦争による物価への影響が反映され始める見込みで、日・メキシコともに注目を集めそうです。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
4月9日 メキシコ 3月消費者物価指数(CPI)
4月24日 日本 3月全国CPI
4月27-28日 日本 日銀金融政策決定会合
5月7日 メキシコ 4月CPI
5月7日 メキシコ メキシコ中銀、金融政策決定会合





