セントラル短資_トップ
PR
気になるテーマ解説

3月決算企業は市場の期待に応えられるか?

4月に入り、2026年度が始まりました。4月から始まる「年度」というのは日本特有の文化で、世界的には1月~12月の暦年が主流です。税金面などいろいろな事情から1886年(明治19年)に年度が導入されたとのこと。カレンダー上だと中途半端ですが、日本人にとっては馴染み深いので違和感はあまりないでしょう。


年度の概念があるため、4月が期初となる日本企業が大半を占めます。なお、証券取引所のルールとして決算期末後45日以内に決算短信を開示するという規程があります。これにより、3月締めの上場企業は4月終盤から5月中旬にかけて本決算の発表が集中することが通例となっています。


決算月は企業によりけりですが、本決算では前期の成績発表だけでなく新年度の業績予想(ガイダンス)も出できます。株価は未来を予想して動くため、4月終盤~5月中旬の決算発表シーズンは特に注目されるイベントです。


3月締め企業はどれくらい?

東京商工リサーチによると、3月期決算の上場企業は約2300社とのこと。現在、東京証券取引所だけでも約3900社が上場しているので、全体のうち、おおよそ6割が3月締めの企業ということになりますね。


4月終盤~5月中旬にかけて約2300社が本決算を発表しますので、株式市場のニュースも決算関連で埋まります。決算発表に併せて重要な開示も多く出やすいので、アクティブな投資家は開示を見るだけでも大変な作業です。


全部の企業は載せきれないので、日経平均採用銘柄に絞ってみました。後述する内容に関連するPER(株価収益率)も掲載しています。3月期の企業は赤い網かけです。



※純利益予想または1株純利益が非開示、純損益が赤字予想の企業はPER記載なし

PERは26年3月期の会社予想ベース(4月15日時点) 社名は略称


このように日経平均採用銘柄でみると3月期の企業がほとんどで、全体のうち8割を占めます。これから人気銘柄が続々と決算を発表するので、ドキドキしながら待っている人も多いでしょう。


高い期待を超えられる?

本決算で特に注目されるのが新年度の業績予想(ガイダンス)です。ガイダンスが市場の期待を上回ればポジティブ、下回ればネガティブのような感じです。なお、業績予想が失望される内容となり急落することをガイダンスリスクと呼びます。


出所:トレーダーズ・ウェブ 期間は2026年4月15日まで


ちなみに、日経平均の10年間のチャートはこのような感じです。90年代バブル期の高値を大きく上回る水準で、6万円台にも乗りそうな勢いです。チャートだけ見れば、さらに上がるというよりも下がったときのことを想像してしまいますね。ただ、日経平均の数値は構成する225銘柄の株価で決まりますので、個別企業の頑張り次第といえます。


とはいっても、ここまで指数が上昇する中、企業に求められる業績のハードルが高いことも事実です。AI投資が旺盛なことで、半導体関連や電線関連は期待値も高め。昨今では中東情勢が悪化したことで重要資源の供給懸念もあり、どれほどの影響があるかは未知数です。


こういった不確定要素はアナリストの予想にも織り込みきれていないとみられるため、市場予想(コンセンサス)が高水準のまま放置されているケースもあると想定されます。そうなると、今回のイラン紛争やエネルギー資源価格の高騰などが起きる前の高い期待値とガイダンスを見比べることになります。


上の方で掲載した225銘柄一覧のPERを見ると、例えばフジクラや古川電気工業、アドバンテスト、三菱重工業などの数値が相対的に高いです。PERは、株価が1株利益に対して何倍まで買われているかを示す指標です。数値が高いほど投資家の期待も大きいという見方ができ、反対に数値が高いほど割高感があるということにもなります。


ちなみにPERが高い理由として、特別損失などの影響により純利益が一時的に急減している場合があります。なぜPERが高いのか、その要因もしっかり調べておいた方がよいでしょう。



割高感を解消するには1株利益の大幅な伸びが必要です。例えばですが、アドバンテストの27年3月期1株利益は市場予想が658円(4月15日時点)となっていました。アドバンテストの26年3月期会社予想452円に対する増加率は約46%です。


このガイダンスを出してようやく市場予想通りとなり、株価が現値(4月15日時点で27585円)から変わらなければ、PERは42倍程度に低下します。それでもPERが高いことに変わりはないですが、もし市場予想に届かなければ株価が下がることでしかPERは低下しません。


アドバンテストに限ったことではありませんが、PERが高い銘柄はハードルも高いことが多いです。日経平均が最高値圏にあるなか、期待感の大きい銘柄群がこのハードルを乗り越えられるかが焦点となるでしょう。期待して保有銘柄の決算日をまたぐのか、それとも内容を見てから再検討するのか、十分に検討を重ねておきたいところです。


この連載の一覧
3月決算企業は市場の期待に応えられるか?
長期投資だからこそ参加してみたい株主総会
上場観測が伝わるスペースXとは何者なのか?
エネルギー安全保障が重要課題に
令和8年の地価公示は?
国土強靭化に20兆円!
急落時に見たい「日経平均VI」
日本株VS米国株VS世界株
再び国策に売りなし相場?
米国新興企業のアンソロピックとは何者なのか?
SaaS企業はAIに取って食われるのか?
金利の急上昇と機関投資家
丙午の迷信が気になる2026年
金利上昇で利回り商品が芽吹き始める
今年も厳しそうな小売業
未曾有のメモリー価格高騰 追い風になりそうな企業は?
アクティビスト系ファンドの実力は?
興味深い残価設定型住宅ローン
新たな住宅購入補助金と住宅ローン減税
辰巳は株主優待制度の導入ラッシュ
長期金利上昇でフラット35はどうなる?
住宅ローン減税に見直し観測 需要喚起となるか?
日経平均がバブルになったらいくら?
「フィジカルAI」が次のテーマに
日経平均は一段と半導体株指数化が進む
日本のニッチトップ10選
日経平均と過去の自民党総裁選
つみたてNISAの成績、日経平均とS&P500が逆転?
令和7年の地価上昇トップは北海道
タイムズカーシェアの料金体系変更を考える
流行のハイベータ投資
ユニークなETF(上場投資信託) シンプレクスAM編
ユニークなETF(上場投資信託) グローバルX編
ソフトバンクグループとNAV
営業利益は増加しているが経常利益は減少
レバナスがひそかに高値更新
関税リスク後退で株価回復が期待される業種は?
8つに分けられるTOPIX(東証株価指数)
7月以降は訪日客数が持ち直すか?
いまさら聞けない関税を簡単解説
日銀のスケジュールをチェックしてみよう
注目度急上昇のステーブルコインとは?
モノ言う株主の存在感
量子コンピューターの人気が再燃
名前だけで買われてしまった銘柄
株主還元強化がマストのバリュー株
グロース市場に100億円の壁
NISAでまさかの毎月分配型が解禁?
急落はチャンス? 業種別で大きな差も
インバウンド需要はピークアウト?
節約志向の中で注目したい食品スーパー
日本の水道管は地球30周分
NISAでも債券投資の検討余地?
ありそうでなかったTOB(株式公開買い付け)狙いの投信が登場
HEMSとは
新しい配当基準「DOE」の採用が増加傾向
苦渋の値上げは続くのか
その優待、長く続く?
どこまで利上げする?
最近目にするAIエージェントとは?
2025年の注目テーマ3選
ハンバーガーが高すぎる?
来年はへび 変化の年は課題も山積み
神戸で市立中学校の部活動が終了 民間企業に求められることは?
持ち合い解消の流れが一段と加速
令和7年度の住まい補助は「子育てグリーン住宅支援事業」に
自社株買いの良い影響を考えてみる
AIが人の1万倍賢くなる?
手取りが増えたら何をしたい?
気を付けたい権利取りのポイント
【気になるテーマ解説】DX銘柄も生成AI活用が必須に
来年のNISA枠はどうする?
投資促進の一方で詐欺被害も多発
市場予想との付き合い方
政策保有株の解消良し悪し
「地面師たち」が大ヒット 厳しい日本の土地事情
7分の1は空き家の日本
QUOカードはなぜ人気なのか
住宅ローン人気銀行の動向まとめ
米大統領選、どこに恩恵?
中小型株への資金回帰が鮮明に
国際会計基準のルール変更へ 営業利益が分かりやすく?
新紙幣の発行開始でキャッシュレスが進む?
次世代自動車「SDV」とは?
マンション価格下落も依然高い そういえば晴海フラッグは?
プロが注目する配当株は?
出生率が過去最低を更新 止まらない少子高齢化
日本の長期金利が1%台に 今後の影響は?
日経平均と半導体株の関係
株式分割は本当に好材料なのか
株価は割高なのか? 指標を参考にしてみる
新興市場をざっくり振り返ってみる
金が人気の背景とは?
東京都の予算
マイナス金利解除が決定 マーケットへの影響は?
長期投資は我慢比べ
アクティブETFのその後
シリコンアイランド九州は復活か
政策保有株式の売却が進む(2)
決算プレーと自動売買
配当株投資の怖いところ
インターネット広告に試練 Cookie規制とは?
ロボアドバイザーの先駆け ウェルスナビの実力は?
優秀なインデックスファンドとは?
辰年は上がりやすい?
新NISA 注意したい配当金と分配金
新NISA 流行の積み立てと為替リスク
コスト最安の日本株アクティブファンドが登場
NTTが推進するIOWN構想とは?
政策保有株式の売却が進む
歯の健康は全身の健康 病気は未然に防ぐ時代へ
MSワラントの恐怖
配当金が保険料の賦課対象に?
今年は暖冬の予報 マーケットへの影響は?
投信の超低コスト競争に拍車
建設業界と2024年問題
積み立て投資との相性良し悪し
住宅ローンの借り入れは計画的に
東証スタンダード市場の選択申請が増加中
長期金利と株価の関係はよく言われるが・・・
国内初のアクティブETFが誕生
魚が高すぎて買えません
配当方針いろいろあります
太陽光発電は自家消費へ
メタの新SNS「Threads」使ってみた
電池の覇権、リチウムの次は亜鉛?
SENSEX指数が最高値更新 インドってどんな国?
訪日旅行者は今後も伸びる?
半導体製造装置 1台おいくら?
変動金利型住宅ローンが実質マイナス金利へ
話題沸騰のダイヤモンド半導体とは?
著名投資家の投資候補を考察
デジタル給与が解禁! メリット・デメリットは?
私の銀行は大丈夫?
全人代が開幕 いまさら聞けない日本の中国依存度
金利上昇の懸念はあるが省エネ住宅は拡大へ
【気になるテーマ解説】 健康だけじゃない? アミノ酸の可能性
なんでも材料視する株式市場
多発する客テロ AIカメラに注目集まる
会話は人そのもの 話題の「ChatGPT」とは?
「超」高齢化社会の日本
金利に翻弄される銀行 金利の影響と債券の仕組み
出生数80万人割れへ 子育て関連株の行方は・・・
何かと注目される親子上場
【気になるテーマ解説】市場規模は無限大? 壮大な宇宙産業
【気になるテーマ解説】レベル4解禁! ドローンの普及で何が変わるのか
【気になるテーマ解説】成功率3万分の1? 新薬開発の過酷な道のり
【気になるテーマ解説】パワー半導体ってなんだ?
【気になるテーマ解説】「Web3.0」ってなんだ?

日本株情報部 アナリスト

畑尾 悟

2014年に国内証券会社へ入社後、リテール営業部に在籍。個人顧客向けにコンサルティング営業に携わり、国内証券会社を経て2020年に入社。「トレーダーズ・ウェブ」向けなどに、個別銘柄を中心としたニュース配信を担当。 AFP IFTA国際検定テクニカルアナリスト(CMTA)

畑尾 悟の別の記事を読む

人気ランキング

人気ランキングを見る

セントラル短資_右カラム1
PR

連載

連載を見る

話題のタグ

公式SNSでも最新情報をお届けしております