今回解説していく通貨はニュージーランド(NZ)ドル円(nzd/jpy)です。NZドル円は上昇トレンドを維持しており、基本的には押し目買い方針の継続がよいでしょう。2024年7月につけた高値であり、次のターゲットとなる99円台を上抜けると、100円の大台も視野に入ってきます。
ファンダメンタルズでは日銀・NZ中銀ともに利上げ観測が高まっています。特にNZ準備銀行(RBNZ)は前回の金利決定が異例の同数決着となり、金利先高観が急速に高まりつつあるようです。
今後のNZドル円相場の焦点:前回の金融政策決定は異例の同数決着に
まずはNZの現在の金融政策状況を確認していきます。
NZ準備銀行(RBNZ)は2021年10月に金融引き締めを開始。2023年5月に政策金利を5.50%まで引き上げて、2024年8月から金融緩和局面へと移行しました。現在の政策金利は2.25%です。
●RBNZが金利の据え置きを決めた5月直近会合での声明文では
・利上げが3人、据え置きが3人で拮抗
・2月時点の想定よりも早期かつ大幅な利上げが必要になるとの認識では全委員が一致
・目標の2%に戻るのは2027年中頃まで遅れる見通し
などの見解が示されました。金利決定の判断は3対3の同数となったため、議長(総裁)の決裁権によって据え置きの決定が下されています。
ブレマン総裁はその後の会見で「全員が利上げに同意、違いはタイミングだけ」「今後の会合での利上げは想定されているが、最終決定はデータに依存する」などの見解を示しており、RBNZの金融引き締めへの転換は時間の問題と言えるでしょう。
なお、RBNZの最新の金利予測では年内に2-3回程度の利上げを想定。今後はインフレ指標などを確認しながら具体的な利上げペースを探る段階へと移行することになりそうです。
NZドル円の週足分析:上昇トレンド継続で押し目買い方針も維持
下図はNZドル円の週足チャートになります。

現在は2020年3月安値を始点とする上昇トレンド(チャート上の青色実線)内で推移。さらに短期の目線で確認すると昨年4月安値を始点とする上昇トレンド(チャート上の黄色実線)と見なすこともできるでしょう。
チャート下部に追加した「DMI」で確認しても+DI>-DI(上昇トレンド)を示唆。目立ったリスク要因も見当たらず、当面は昨年4月安値を始点とする上昇トレンドラインを目処に押し目買い方針を維持するべきでしょう。
NZドル円の日足分析:今後のターゲットは99円近辺
今度は日足チャートでもNZドル円の流れを確認していきます。

足もとでは95円台の高値をつけた後に92円台まで失速。ただ、昨年4月安値を始点とする上昇トレンドライン(チャート上の黄色実線)に沿って下値を切り上げていることを考慮すると、現状は押し目買いの好機と見るべきかもしれません。
今後は2024年7月高値の99.02円(チャート上の丸で囲った部分)がターゲットに。同水準を上抜けるといよいよ100円の大台も視野に入ってきます。
今後の取引材料・変動要因をチェック:日本・NZともに利上げの可能性高まる
最後に今後1カ月間の経済指標や重要イベント等も確認しておきます。注目は日本・NZの金融政策。両中銀ともに利上げに踏み切る可能性が高まっており、日本とNZの金利差が今後拡大もしくは縮小していくか、両国の利上げペースなどに対する言及を確認しておきたいところです。
また、両中銀ともに前回の会合ではメンバー間の意見の相違が目立っていたため、政策決定の際の票決なども相場に影響を与える可能性があるでしょう。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
・6月15-16日 日本 日銀金融政策決定会合
・6月19日 日本 5月全国消費者物価指数(CPI)
・7月8日 NZ RBNZ、金融政策決定委員会





