ヘッジファンド
「ヘッジファンド」とは、私募形式によって募った特定の投資家の資金を一手の戦略に基づいて運用するファンドの一形態です。運用対象や運用手法は様々で、明確な定義はありません。
その特徴として、通常の投資信託に比べて①投資戦略の自由度が高い②絶対リターン追求型の投資手法をとる③投資マネージャーの報酬体系が業績連動型であることなどがあげられます。
ヘッジファンドの投資家
ヘッジファンドの投資家として一般的に超富裕層の個人投資家ですが、近年は金融機関や年金基金などの機関投資家が投資するケースも増えています。ヘッジファンドはデリバティブ(金融派生商品)を使ってハイリスク・ハイリターンの投資を行っているが、市場リスクを抑制した投資戦略をとる場合もあり、リスクの大きさはファンドによって様々です。
ヘッジファンド資産、過去最高の5兆ドル
今月に調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)が発表したデータによると、7-9月のヘッジファンドへの資金純流入額は約340億ドル。四半期ベースでは、世界金融危機が起きる前の2007年以来の高水準となり、世界のヘッジファンド業界の運用資産額が過去最高の5兆ドルに達しています。投資家が代替資産への投資を拡大し、ファンドの運用成績も堅調だったことが背景にあります。
今年は地政学的緊張やトランプ米大統領の一連の政策対応を背景に、市場が不安定な動きを見せています。こうした環境の下、投資家の間では相場変動の影響を受けにくい運用成果を志向する動きが強まり、それがヘッジファンドへの資金流入を促しています。ヘッジファンド市場を支えているのは米国株の上昇に加え、トランプ関税をきっかけとした債券・為替市場のボラティリティー上昇です。
米商品先物取引委員会(CFTC)の投機筋の円ポジションは4月末に17万枚以上の買い越しと最高を記録したが、9月末には7万枚台まで縮小しました。空前の規模に拡大した円買いポジションが大きく縮小したのは、5月以降に円安気味の展開になった影響が大きかったと考えられます。
外為市場で活動のヘッジファンド
ヘッジファンドにはさまざまな戦略別類型があるが、各国の外為市場(特にドル/円市場)では、主に①グローバルマクロ、②CTA(Commodity Trading Advisor)、③HFT(High Frequency Trading、高頻度取引)という、3 類型のヘッジファンドが活動しています。
グローバルマクロ
グローバルマクロは、各国のマクロ経済や金融政策運営などについて自らの見通しに基づくシナリオを作成し、為替や金利、株式などへの投資を行います。したがって、グローバルマクロの収益の源泉は、経済や政策の方向に関する予測力やシナリオ作成力にあると言えます。
CTA(Commodity Trading Advisor)
CTA は、市場価格の統計的分析に基づき、価格の動きの中からアノマリーやトレンドといった「癖」を見出し、これを収益の源泉とするヘッジファンドです。CTA はマクロ経済のシナリオではなく、データの純粋な統計的分析に特化しているため、グローバルマクロとは異なり経済やファイナンス分野の経験があるトレーダーは少なく、数学や物理学等の博士号保有者が目立ちます。
HFT(High Frequency Trading、高頻度取引)
HFT は、為替、金利、株式などへの投資において、アルゴリズムを駆使し、高速・高頻度の自動売買を繰り返し、収益を得るヘッジファンドであります。外為市場では、取引の電子化が進展する中で、このところプレゼンスを拡大させています。HFTは回線速度の制約を極小化するため、電子取引システムや取引所のメインサーバーが存在するロンドンやニューヨーク、シカゴを拠点とするものが多いです。
 
        
      
       
           
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                


