ビットコイン 絶好調、年初来では7割高
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は22日20時過ぎ、対ドルでは2万8200ドル付近、対円では375万円近くで推移しています。前週比では14%を超えた上げ幅、年初来では7割近くの上昇幅と絶好調です。
21日にはBTCドルは2万8600ドル前後と6月中旬以来の高値まで上値を伸ばしました。時価総額も一時5490億ドル(1ドル=132円換算で約72.5兆円)を超えました。
暗号資産全体の規模も当然ながら拡大し、年始には8000億ドルを割り込んでいたところから5割以上も伸びています。その中でビットコインのドミナンス(シェア)も40%前後から46%超まで上昇してきました。
※Trading Viewより
BTC時価総額、VISAを大きく上回る
「ビットコイン時価総額がハイテク大手メタを抜く、VISAも大きく引き離す」コインテレグラフ
ビットコイン(BTC)ドルが一時2万ドル割れから切り返し、2万4000ドル台を回復した頃の記事です。ハイテク大手メタ・プラットフォーム(旧Face book)の時価総額をBTCが上回ったことを報じています。
記事から1週間が経ち、現状の位置関係を「Infinite market cap」を参考に見てみましょう。米国の株価は21日終値を元に算出されています。
BTC時価総額は依然としてメタを200億ドル程度上回っています。
また、BTCは決済という面からクレジットカードのVISAと比較されることが多いようです。分散型(ビットコイン)と中央集権型(VISA)とでは当然違いはありますが・・・。
そのVISAの時価総額は約4665億ドルと、BTCが790億ドル以上も差をつけています。
なぜこれほどまでに強いのか・・・・・
前回の【暗号資産よもやま話】でも少し触れましたが、今のビットコインは、市場でリスクが高まったときに資金が向かう「代替資産」としての位置付けが強まっているようです。
「ビットコイン上昇、アメリカ人の“安全資産への投資”が牽引」コインデスク
※coindesk 3月22日記事「Bitcoin's Price Rally Driven by Americans' Safe Haven Bid: Matrixport」より
記事によれば、専門家は米国における取引が主要な時間帯にビットコインが上昇していることを指摘。年初来の上昇幅を66%とすると、アジアで取引が多いときは約16%、欧州はわずかに3%、そして米国の時間帯は47%上昇しているというのです。
米銀の連鎖破綻やクレディ・スイス問題で金融システミックリスクへの警戒感が高まりました。逃げ場を探していた資金が暗号資産、特にビットコインに向かっていたとの見立てです。
※Trading Viewの3月22日ツイートより
Trading Viewのツイートも問題があるとされた金融機関の株価が下落するなか、BTCドルは堅調だったことを示しています。
強欲度合いが強まる
「仮想通貨の恐怖・強欲インデックス、ビットコイン過去最高値以来の好スコアを記録」コインテレグラフ
暗号資産市場のセンチメント(心理、感情)を数値で表す「Crypto Fear & Greed Index(CFGI、暗号資産の恐怖と強欲指数)」という指数に関する記事です。
CFGIを毎日発表しているalternativeによれば、指数は「ボラティリティや、出来高や市場の勢い、ソーシャルメディア、ビットコインの優位性や傾向など」を元に算出されているということです。市場心理が悲観的であれば低下し、楽観的であれば上昇しやすい傾向にあります。
前述の記事によれば、CFGIが66まで上昇したのはBTC価格が史上最高値を記録したとき以来でした。指数はその後も強含み、21日には68を記録しています。
「Crypto Fear & Greed Index(CFGI、暗号資産の恐怖と強欲指数)」は市場が気にかける指数の1つです。というのも、暗号資産市場は感情的であるとされ、時には行き過ぎることがあるからです。
CFGIが極度の恐怖(指数が低い)に傾いたときは買いのチャンスの可能性、一方で強欲(指数が高い)過ぎるとなときはその後の調整(下落)を示唆しているとの見方があります。
あくまでも「そうなるかもしれない」という観測でありますが、市場に対する視点の1つとして気にかけておいても良いかもしれません。