BTC高値更新、あの企業はまだ買う
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は11月27日20時頃、対円では1422万円前後と前週(7日前)と比べて約2%低い水準で取引されています。BTCドルが9万3600ドル台での値動きです。
先週後半もBTC買いの流れはとまらず、21日にBTC円は初めて1500万円台乗せに成功し、翌22日には1543万円台まで史上最高値を更新しました。BTCドルも9万9800ドル前後まで上げ幅を拡大しました。
この上昇基調のなかで、やはりというか、企業としては最もビットコインを保有している米マイクロストラテジーが約54億ドル分(1ドル=153円換算で8262億円)のBTCを購入していました。今回の増加分は5万5500BTCとしています。
同社会長のマイケル・セイラ―氏のXによれば24日現在、38万6700BTCを保有しています。これまでマイクロストラテジーは約219億ドルをビットコイン購入に費やし、1BTCあたりのコストは5万6761ドルということです。
ただし、週末から伸び悩んだBTCは週明けから下落しました。さすがに相場全体に買われ過ぎ感が高まっていたため、持ち高調整も出やすかったようです。売り圧力が強まるなか、対円で1390万円台、対ドルでも9万1000ドル割れまで一時下押しました。
※Trading Viewより
あの人が辞める、暗号資産業界に朗報
21日には暗号資産業界にとって喜ばしいニュースが米証券取引委員会(SEC)から発表されました。これまで暗号資産への規制に積極的だったゲイリー・ゲンスラ―SEC委員長が、来年1月20日にSECを退任することになりました。
トランプ米次期大統領は選挙期間中の今夏、暗号資産支持派の気を引くために、自身が大統領に当選したあかつきにはゲンスラ―委員長を解任すると叫んでいました。ただ実際にはそういった権限は大統領になく、ゲンスラ―氏の動向が注目されていました。
一部メディアによれば、ゲンスラ―氏が2021年にSEC委員長に就任してからこれまで、講じられた規制は100件以上にものぼります。同氏の姿勢により、現物ビットコインETFのSEC承認が遅れたとも言われています。
この後トランプ氏が指名するSEC委員長は、当然ながら暗号資産業界にとって柔軟な見解・対応を示す人が選ばれるでしょう。そうなると、暗号資産の現物ETFの上場が活発化するかもしれません。
すでに時価総額で上位ソラナ(SOL)について、こういったニュースも出てきています。
「ビットコインやイーサに続きソラナの現物ETFが来年にも登場か」Forbes JAPAN
「ビットワイズ、ソラナ現物ETFレースに参戦」コインデスク
米では規制緩和期待が広がる
米国からはまた、トランプ氏が次の財務長官に指名したファンド経営社のスコット・ベッセント氏が暗号資産支持者ということも話題となっています。ベッセント氏はインタビューで、「暗号資産は自由に関するものであり…」と述べており、今後の規制緩和が急ピッチで進むかもしれません。
そういったなか金融サービス大手チャールズ・シュワブの次期CEOが、暗号資産を顧客に直接提供する計画を明らかにしました。同社はこれまでも、ETFや先物などでビジネス展開をしてきましたが、規制環境の変化が期待できるなかでより積極的に暗号資産に踏み込むもようです。
米国ではこれからトランプ次期政権のもと、既存の金融機関や企業が暗号資産への取り組むという流れが強まっていくでしょう。
日本ではやっと…
一方日本からは、日経新聞がこういったニュースを報じました。
ただこれは、法定通貨などに連動するステーブルコインの仲介業ということです。
それよりも、玉木党首率いる国民民主党の動向が注目されます。同党は10月の総選挙で衆院議席数を改選前の7議席から28議席まで大きく増やしました。大躍進した国民民主党の選挙公約には、暗号資産のことが具体的に含まれていました。
・暗号資産税制を雑所得扱いから分離課税へ
・暗号資産同士の交換時の非課税化
・先物レバレッジ倍率を現行2倍から最大10倍までの引き上げ
・暗号資産ETFの導入
・トークン・エコノミーの支援
「日本での仮想通貨課税にも変化か 野党の国民民主党が…」コインテレグラフ
「暗号資産の税率引き下げを与党に要望」コインデスク
税制改正を巡る協議で国民民主党は、暗号資産課税について見直しを求めました。
与党が過半数割れし、国民民主党や玉木代表の影響力が国会で強まるなか、日本の暗号資産業界にも新しい風が吹くかもしれません。