ビットコイン、先週は最高値からの安値更新
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は4月25日7時頃、対円では1002万円付近と前週(7日前)と比べて5.5%ほど上昇した水準です。BTCドルが6万5300ドル台で推移しています。
この1週間を振り返ると、19日(金)の値動きが印象的でした。東京昼前に急ピッチで値を下げ、BTC円は史上最高値から16.6%下落した水準となる917万円付近、BTCドルも5万9600ドル台まで下値を広げました。
※Trading Viewより
また中東のドンパチが、でもリスク回避ムードは・・・
BTCが最高値からの安値を再び更新した要因は、今回も中東のドンパチでした。
19日東京午前にイスラエルがイランを空爆したことが報じられ、地政学リスクが再び高まりました。リスク資産の株が売られ、逃避先として米債に資金が向かいました。為替は円やスイスフランが再び買われています。
リスク回避の動きの流れにそって、前週同様にビットコインも売られました。
しかしながら事前にイスラエルが米国に通告していたこと、最も懸念されたイラン核施設への被害はなかったことなどが、徐々にリスク回避ムードが後退。対立する両国ともに報復の応酬は避けたいとの雰囲気が出てくると、本格的な軍事衝突は免れるとの見方が広がりました。
ビットコインも安値をつけた10時間後には対円で1000万円、対ドルでは6万5000ドル台まで大幅に反発しています。
※Trading Viewより
半減期、いつの間にか終了してた
週末、出歩いたらいつのまにかビットコインの半減期は終わっていました。20日(土)21時頃、ビットコイン・ネットワークでは4回目となる半減期を迎えました。↓はこちらのCOINWARZというサイトを参照しています。
シチズンウォッチのオフィシャルサイトによれば、UTCは「Universal Time Coordinated(協定世界時)」の略です。世界で基準とされており、精度の高い原子時計と天体観測に基づいて決められた時間のことです。UTCは日本時間から9時間遅れていますので、UTC12時は日本の21時となります。
半減期とは、ビットコイン・ネットワークでブロック(取引や送金データの集まり)生成、いわゆるマイニングにおける報酬が半分になることです。マイニング競争に勝ったマイナーはそれまで6.25BTCを獲得できましたが、それが20日21時頃以降から1ブロック3.15BTCとなります。
半減期は21万ブロックごとに発生するように仕組まれています。ビットコインのブロックチェーンでは1ブロック生成に約10分かかることから、半減期は約4年ごとのイベントということです。
インフレを防ぐために
ビットコインの発行はマイナーへの成功報酬のみであり、つまり半減期ごとに供給量が半分になるということです。これはビットコインのインフレを防ぎ、希少性を維持するために実行されます。
過去には「2012年11月(報酬が50BTCから25BTCに)、2016年7月(報酬12.5BTC)、2020年5月(6.25BTC)」に半減期が発生しました。
今後も半減期は繰り返され、2140年頃には設定されている発行枚数である2100BTCの上限に達するとされています。
※coin market capより
ここからの上昇は待つ必要が?
4回目の半減期を通過し、BTC円は980万円台から一時1041万円まで、BTCドルは6万4000ドル割れから6万7200ドル台まで上昇しました。金融市場全般にリスクセンチメントが好転したこともありましたが、供給量が減ったことによる需給の引き締まりを意識した買いも出ていたようです。
「2024年のビットコイン半減期は、最も強気なサイクルの到来か」コインテレグラフ
記事には「半減期後に短期的には調整局面を迎えることが多いが、長期的に強気になると予想されている」と記載されています。今後は調整局面というのが肝のようです。
前回の半減期(2020年5月)頃のBTCドルチャートを見てみましょう。
※Trading Viewより
2020年5月11日頃に3回目の半減期が起こり、その後もBTCドルは1万ドルに巡る攻防が続きました。2カ月半後にやっとレンジを上向きにシフトしています。もっとも、そこから本格的な上昇トレンドに入るまで3カ月弱かかりました。前回の半減期後は、底堅かったものの5カ月間の調整局面とも言えるでしょう。
現物ETFの影響もあり、今回は半減期前にBTC相場が大きく上昇していました。4年前とは単純に水準だけでなく、金融市場や暗号資産を取り巻く状況、世界情勢も変わっています。意外と、過去とは全く異なる半減期後の値動きなるかもしれません。