BTC、買いが買いを呼び
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は11月13日15時頃、対円では1345万円前後と前週(7日前)と比べて約17%高い水準で取引されています。BTCドルが8万6500ドル付近で底堅い値動きです。
5日の米大統領選では、前大統領のトランプ共和党候補が圧勝。トランプ氏は選挙戦で暗号資産支援の姿勢を鮮明にしてきたため、次期政権の政策に対する期待感からビットコインへの資金流入は止まりませんでした。
BTC円は先週後半から週末にかけて1180万円付近で何度か上値を抑えられましたが、10日(日)午後に上抜けに成功すると一気に上げ幅を拡大。一旦伸び悩むも週明けから買いが買いを呼び、1386万円まで急騰します。
さすがに利益確定の売りに押されたものの、1300万円前半で下げ渋ると13日早朝には1390万円まで過去最高値を更新。米大統領選の開票が始まった頃(日本時間6日午前)からの上昇率は30%以上も拡大しました。
※Trading Viewより
1日の値幅としても過去最大
BTCドルも週末に7万8000ドルを超えて8万ドル台まで上昇。もみ合った後に週明けは9万ドル手前まで急騰しました。そのまま高値圏で引けて、11日の始値から終値までの幅は約8300ドルを記録しました。Cointelegraphによれば、1日としては過去最大の値幅です。
その後BTCドルは8万5000ドル台で下値を固めると、5日早朝にはついに9万ドル台乗せに成功しました。ただし、そこで上昇は一服しています。
あの企業は、やはり買い増し
さて、BTC価格が過去最高値を更新し続けるなか、企業としては最大のBTC保有者である米マイクロストラテジーもやはり買い増ししていました。
ビットコイン信奉者として知られているマイケル・セイラ―会長のもと、同社は10月31日から11月10日にかけて2万7200BTCを平均価格7万4463ドルで購入。約20.2億ドルを費やして増えたマイクロストラテジーの「総額保有量は27万9420BTC」にも達しました。1BTCの平均単価は4万2692ドルとされています。
「MicroStrategy Buys Another 27,200 BTC for $2B…」CoinDeSK
※マイケル・セイラ―氏のXより
暗号資産情報サイトCoinMarketCapによれば、供給されたビットコインは1978.1万BTC。そのうちマイクロストラテジー1社で、全体の1.4%を保有しています。
戦略的準備法案?!
11月5日に行われた米議会選挙では、上院は早々に共和党の過半数が決定し、下院も同党が多数派を確保できると見られています。
共和党による立法がしやすくなったなか、7月に共和党のルミス上院議員が提出した「戦略的ビットコイン準備金」法案が話題となりました。これもBTC相場の押し上げに繋がったようです。
法案の概要は以下になります
・購入計画:米政府が5年間で合計100万BTCの購入を目指す。これは米国がビットコイン供給量の約5%を保有することを意味します。
・資金調達の方法:米政府の金(ゴールド)準備金の価値を再評価することによって調達。
・目的:米国の債務削減やインフレ対策に寄与し、ビットコインを貯蓄手段としても使用。また、金融イノベーションのリーダーとしての地位を確保する。
共和党のルミス上院議員はまた、購入したBTCは少なくとも20年間保有されべきと述べています。
トランプ次期大統領が提唱していた「ビットコインの戦略的備蓄」に沿った法案のようです。トランプ氏は、米政府が保有する約21万BTCを売却せずに保持する方針を示しており、ルミス議員の法案はこれをさらに拡大する形となっています。
米議会で今後、この法案についてどのような議論が交わされるのかが非常に興味深いところです。