BTC、さすがに調整もある
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は11月20日14時頃、対円では1431万円前後と前週(7日前)と比べて約5%高い水準で取引されています。BTCドルが9万2000ドル付近で底堅い値動きです。
暗号資産の支援を表明しているトランプ氏が次期大統領に選出されたから、BTCは上昇基調を一気に強めました。たださすがに一本調子という訳にいかず、下向きに調整する場面も見られました。
BTC円は14日未明、一部取引所で1450万円に迫った後に、1360万円付近まで緩みます。BTCドルも9万3500ドル付近まで値を上げたところから、8万7000ドル割れまで売り押されました。
下落時には、トランプ次期大統領による解任の可能性が高まっているゲンスラー米証券取引委員会(SEC)委員長が、懲りずに暗号資産への規制強化方針を示したことが伝わりました。
また、以下のように下向きの更なる調整を見込む声も出始めています。
「BTC価格に健全な冷却の指摘…」コインテレグラフ
米国で上場されている現物ビットコインETFが2日連続で資金流出(約6.4億ドル)を記録したことも、重しとなったようです。
いずれにせよ、上昇相場においても価格は上下しながらトレンドを形成していくということです。
やはり、現物ETFへの流入止まらず
しかしながら、やはりというか、米国市場では現物ビットコインETFへの買い意欲は高まったままです。今週に入り、2日間で約10.67億ドル(1ドル=154円換算で1643億円)の資金が現物ETFに向かいました。
7日には13.6億ドルと1日の流入額としては最大を記録し、その後11日にも11億ドル超、12-13日も合計で13億ドル超の資金が現物ビットコインETFに入ってきました。相場の地合いが強いなかで、これだけの資金流入があれば「そりゃあ、上がるわけだ」と思わざるを得ません。
米投資銀行ゴールドマン・サックスも現物ビットコインETFを、7.1億ドルほど保有していることが明らかとなりました。同銀行は4年ほど前、ビットコインなどの暗号資産は、顧客にとって適切な投資ではないとの見方を示していました。
こういったなか、資産運用大手ブラックロックが提供する現物ETFビットコインのオプション取引も、米ナスダック証券取引所で始まりました。それがBTCの高値更新に繋がったようです。
日本時間20日未明(NY19日午後)BTCは対ドルで一時9万4000ドル台に乗せ、対円では1454万円付近まで値を上げ、それぞれ史上最高値を更新しています。
※Trading Viewより
考え方を変えた人、真の勝者は…
ビットコインがこれだけ好まれるなか、暗号資産に対する考えを改めつつある人も増えてきたようです。カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁もその1人です。
「Senior Federal Reserve Official Who Blasted Bitcoin Now Says He'll Have an Open Mind」CoinDesk
(ビットコイン批判のFRB高官、オープンな考えを持つ)
記事によれば、ミネアポリス連銀総裁はこれまで、ビットコインや他の暗号資産を「価値がない」「詐欺的」「ナンセンス」と長いあいだ呼んできました。それが最近のインタビューで「Open Mind」を持つと言っています。
つまり、カシュカリ氏がより客観的で中立的な立場に変化したことを意味し、今後はビットコインを理解しようとする姿勢が見られます。もしかすると、メリットや長所を認識し始めた可能性もあるでしょう。
トランプ次期政権の誕生まで約2カ月となり、米国では規制緩和を織り込む動きが見られます。
「米当局、暗号資産事業者の取り締まり緩む見込み トランプ政権で」ロイター
トランプ氏が次の商務長官として指名したハワード・ラトニック氏(米金融サービス企業キャンター・フィッツジェラルドCEO)も、暗号資産の支持者としてしられています。
「The Real Winner of the 2024 Elections: The Crypto Industry」CoinDesk
米国を中心とした話ではありますが、この記事のタイトル通り「2024年選挙の真の勝者、暗号資産業界」が今のところ進行中です。