ビットコイン、久しぶりの400万円台
代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコインは、9月20日19時頃で対円では401万円をやや下回る水準です。先週半ばから底堅い動きが続き、前週(7日前)比では約3.8%上昇した位置で推移しています。
今週初から買いが進み、2週間半ぶりとなる400万円超えとなりました。一度は大台の維持に失敗しましたが、再び上昇力が強まると406万円台まで上値を伸ばしました。
※Trading Viewより
ノムラが参戦
高値を試した場面では、↓のニュースが伝わりました。
「野村HDのデジタル資産子会社 機関投資家向けビットコインファンドを立ち上げ」コインテレグラフ
野村ホールディングスの暗号資産子会社「レーザー・デジタル・アセット・マネジメント」が、機関投資家向けにビットコインファンドを立ち上げました。
レーザーデジタルビットコイン導入ファンド(Laser Digital Bitcoin Adoption Fund)と名付けられ、ビットコインの買い持ちのみのエクスポージャーを提供するとされています。
※エクスポージャーとは、投資家が保有する金融資産のうち特定のリスクにさらされている割合のこと。東海東京証券、証券用語集より
野村證券などを傘下に持つ大手金融グループがビットコイン市場に参入してきたことは、当然ながら相場にとってポジティブ要因として受けとめられました。
※Laser Digital サイトより
SOL、売られた理由の復習
今月11-12日にビットコインを含めた暗号資産が売り込まれた理由の1つとされたのが、破綻した暗号資産取引所FTXが保有しているデジタル資産を売却する可能性でした。
特にFTXの創始者サム・バンクマンフリード氏が、ソラナというブロックチェーンプラットフォームに入れ込んでいたことが懸念の一つとされました。
ソラナのプロジェクトに多額の投資をしたFTXは、ネットワークで使用されるSOLを約11億ドルも保有していることが分かっています。FTX保有の資産が相場の売り圧力となるとの警戒感が一気に広がると、SOLは1日で10%以上の下落幅を記録する日もありました。
もともと8月半ばから暗号資産全般に下げ基調となっていたことも、下落スピードを速めた要因でしょう。SOL円は9月前半に3000円まで持ち直す場面もありましたが、FTX関連の不安が高まると12日には2600円を割り込みました。
一定の制限があった
しかしながらFTX保有のSOLが処分されることになったとしても、売却には一定の制限があることが分かってきました。
「FTXによるソラナ売却はあるのか? 仮想通貨トレーダーの懸念を検証」コインテレグラフ
記事では、SOL相場の1日の現物取引量と潜在的な売り圧力を比較すると、ショートを積み上げるのは危険だというトレーダーの見解を紹介しています。さて、この1週間でSOLの反発は10%以上と他の暗号資産よりも目立っています。FTXニュースに過剰に反応してしまった人たちが買い戻しているのかもしれません。
BTC円の戻しに関しても、直近高値をつけた一押しは前述の「レーザー・デジタル」が材料なのでしょうが、その前に支えとなったのがSOLの反発かもしれません。
※Trading Viewより
アルトコイン、ときどきチェック
ソラナ(SOL)とビットコイン(BTC)の時価総額は、それぞれ82.7億ドルと5283.3億ドル。暗号資産全体のシェア(ドミナンス)はSOLが0.8%弱の一方で、BTCは49.3%と圧倒的な差があります。
規模の差が段違いなので、SOLが反発したからBTCも上がったとは言い過ぎかもしれません。相場もそこまで単純ではないでしょう。しかしながら今月半ばからの相場全体の値動きを見ていると、SOL始まりで他のアルトコインが買い戻され、それがBTC上昇のきっかけの1つとなった可能性も否定できません。
BTCだけを取引するにしても、時間があればアルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)にもアンテナを張っておくことは、暗号資産全体の流れを掴むために必要かなと思います。まずは、目にとまったコインの値動きを時々チェックする程度でよいでしょう。
少しだけでも視野を広げると、新たな気づき、そこから収益チャンスに繋がるかも?しれません