BTC、 アルトコインに引きずられ
代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)は、1月25日10時時点では対ドルで2万2600ドル付近での値動きです。年初来で36%超の上昇率、1週間前からも6%以上の上げ幅を維持しています。
堅調なBTCをみて取引したくなった人も多いのではないでしょうか。口座開設がまだの人は、【暗号資産よもやま話】第6回の後半以降をぜひ参考にしてみてください。
さてBTCですが、1日前と比べるとややマイナスに沈んでいます。これはBTC以外の暗号資産、イーサ(ETH)などアルトコインの弱さに引きずられているとも言えるでしょう。暗号資産市場で時価総額が第2位のETHは足もとで5%の下落、週間でもマイナスとなってしまいました。
※CoinMarketCapより
ETHの下落要因はハッキリしませんが、ひょっとしたらこういったこと↓も影響しているかもしれません。
「ポルシェ、NFT発行を停止──価格設定などに批判」コインデスク
NFT(Non-Fungible Token)は「代替不可能なトークン」と訳されています。
「NFT(ノンファンジブルトークン)とは?・・・」DMM Bitcoinサイトより
このNFTの多くがイーサリアムブロックチェーン上で取引されています。前述ニュースがETHの印象の悪さにつながり、高値警戒感も強まりつつある中で「売り戻しに傾いた」のかもしれません。
ただしETH売りBTC買いも出ていたためか、BTCの下げ幅は限られています。【暗号資産よもやま話】第20回でも述べましたが、海外ではETH対BTCなどのクロス取引も盛んです。
※Trading Viewより
BTCドル、悪材料に反応せず高値を更新!
さてBTCですが、先週末に再び上昇力を強めました。21日(土)には対ドルで2万3300ドル台と約5カ月ぶりの高値を更新。昨年末から外国為替で円高が進行した影響もあり、対円では昨年11月の高値314万円台に届きませんでしたが、それでも300万円台を一時回復しました。
BTCと連動性が高い米株主要指数の1つナスダックが堅調なまま終えたこと、米金利の頭打ちでリスク資産に資金が向かいやすかったことなどが上昇要因に含まれているようです。
確かに今でも、暗号資産関連で悪いニュースはまだ目立ちます。
「業界で人員削減、年明け2週間で1600人超」ブルームバーグ
「暗号資産企業ジェネシス、レンディング部門が米破産法の適用申請」ロイター
こういったニュースが出るたびに、BTC先物市場で売り向かう投機筋はまだ多そうです。
しかしながら前述した米株や金利の影響もあり、BTCの地合いが良すぎました。
※「地合い」とは、相場の状況やムードを表す言葉。先行きへの期待が高く、買い意欲が旺盛、取引量も拡大している状況を「地合いが良い」、逆の状況を「地合いが悪い」という。日本証券業協会HP参照。
値動きを見ただけの判断ですが、昨年11月に暗号資産交換業FTXが破綻した影響でBTCを手放す必要に迫られた人たち(マイナーや悪いコストのロング?)による売りは、ある程度終わったのかもしれません。
相場にとって悪いニュースが出ても下サイドへの動きが限られたときは、注意が必要です。相場の上下は最終的に需給によって決まります。悪材料でも下げ渋ったような場合、その商品を買わなければいけない人、買いたい人が多いということでしょう。
やはりクジラはいた
そしてやはりというか、クジラと呼ばれる大口投資家(1000BTC以上を保有しているアドレス)たちもBTCを買い集めていたようです。
https://twitter.com/ali_charts/status/1616875069640433665
ブロックチェーン分析サイトSanbaseを引用した↑のツイートは、1月第2週から3週にかけてクジラが7万BTCを買い集めていたと述べています。1BTCを2万ドルで計算すると14億ドル(1ドル=130円で1820億円)にも達します。
前回の【暗号資産よもやま話】第29回で触れましたが、やはりクジラの買い上げが投機筋をショートカバーに走らせたのかもしれません。
春節にもアノマリーがあった?!
ところで、私は勉強不足で知りませんでしたが、この時期にもアノマリーがあるようです。それは春節(中国・中華圏における旧暦の正月)に関するものです。
「Chinese New Year Bitcoin Trade Is Guaranteed Profit, Researchers Say」Decrypto
(調査によれば、春節のビットコイン取引は利益を保証)
記事によると、2015年から2022年までの8年間、春節の入りでBTCを買い、10日後に売ると勝率は100%!平均で9%の収益率というのです。
春節は毎年時期が変わり、今年は1月22日から始まりました。22日にBTCをロングにし、2月1日にポジションを閉じるという戦略でOK!というわけです。
※Trading Viewより
ただチャートをみると、295万円台が1月22日の始値です。春節を待ちきれないアノマリー信奉者たちも参入していたからか、前2日間で約30万円(約11%)の上げ幅を記録しており、さすがに高過ぎるという気も・・・・。いずれにせよ、2月1日の水準が注目されます。
なお、相場に絶対はありません。