BTC、週明けも下落の流れ続く
代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)は6月26日12時頃、対円では995万円台と前週(7日前)比で3.6%低い水準で取引されています。BTCドルが6万2200ドル前後での値動きです。
週明けのBTC相場は前週からの下落の流れが続きました。対円では1020万円台、対ドルでは6万4000ドル付近から、25日早朝にはそれぞれ935万円台と5万8500ドル割れまで下げ幅を拡大しています。
BTC円は6月7日に記録した1124万円台の過去最高値から17%弱、BTCドルが同日の直近高値から19%に迫る下落率を記録しました。前回コラムで指摘した弱気なチャートフォーメーション「ダブルトップ」がより明確になりました。
※Trading Viewより
売りニュースが目立つ
下落局面では、どうしても売り圧力に繋がるニュースが目立ちます。
例えば、クジラと呼ばれる長期の大口保有者が売ったという話やマイニング(採掘)企業が売り続けているという見方などです。
「ビットコインクジラ、過去2週間で12億ドル相当を売却」CryptoQuant
「ビットコインマイニング企業、6月に20億ドル相当のビットコインを売却」CryptoTimes
4月に起きた半減期(マイニングの報酬がそれまでの半分3.125BTCに)で、マイニング企業は利益が縮小。それまでに溜めていたBTCを手放すことで収益を出さねばならず、売却ペースは過去1年以上で最も速いと指摘されています。
ただマイナーによるBTC売り増加については、以前から予想はされてはいました。
「マイナーの保有量削減で・・・」コインデスク
また、クジラを追跡する情報について懐疑的な見方もでてはいます。
「~クジラを追跡することは役に立たない・・・」コインテレグラフ
マウントゴックス、ついに始まる
25日早朝にBTCが急ピッチで値を下げた理由は、10年前に破城したあの会社の影響もあったようです。
「マウントゴックス、7月からBTCとBCH・・・」コインテレグラフ
2013年当時、世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所だったのが日本のマウントゴックス(Mt.GOX)社です。しかしながら、2014年前半に同社サーバーが大規模なハッキングにあっていたことが発覚しました。
ユーザー保有分で約75万BTCと約10万BTCの自社保有分の合計約85万BTCがマウントゴックスから流出したとされています。当時のレートで約470億円相当の損失、さらに28億円の顧客預り金も失われ、マウントゴックスは破綻しました。
その後、マウントゴックスの再生管財人はハッキングされたうち14万2000BTCを取り戻すことができました。その弁済がビットコインとビットコインキャッシュ(14万3000BCH)で7月から開始されます。
債権者は世界中にいるとされ、その手続きには時間がかかると見られています。ただし、現在の水準で1兆4000億円にもなる弁済が進めば、受け取った債権者が市場で売却する可能性を市場は懸念したのでしょう。
※Trading Vewより
意外とそうならない?!
マウントゴックス弁済報道の前に、BTC相場はすでに地合いが弱まっていました。売り材料に敏感なところで飛び込んできたニュースで、ロングの投げ売りも出たのでしょう。
もっとも、下落が一旦収まると相場は冷静さを取り戻し、BTCドルは節目とされた6万ドルを回復します。
「マウントゴックスの弁済への懸念は誇張・・・」コインデスク
「Mt.GoxがBTCの大幅な売り圧力を引き起こすことはない」Beincrypto
弁済されたBTCは当初に警戒されたほど市場に出てこない、という見方が広がりつつあるようです。
独政府も売っていた? ETFには久しぶりに
マウントゴックス弁済報道の他にも、売りに結び付きそうなニュースがありました。
「ドイツ政府、合計1300BTCを取引所に送金・・・」コインテレグラフ
「独政府機関が2400万ドル相当のBTCを・・・」コインデスク
ドイツ連邦刑事庁(BKA)は2013年、映画の海賊版ウェブサイトの運営者から約5万BTC近くを押収。BKAにつながるウォレットから今月、複数回にわたってBTCが取引所に送金・売却されました。依然として、4万6000以上BTCがウォレットに残っているとされています。
売る人がいれば、買う人もいます。
米国で上場されている現物ビットコインETFに資金が戻ってきたようです。
暗号資産分析サイトcoinglassによれば、現物ETFは24日まで7日営業日連続で流出超を記録し、その合計額は11.3億ドルを超えていました。しかしながら25日には、合計で3100万ドルの流入超となりました。
※coinglassより
ロバート・キヨサキ氏のように、下がったら買いたい人はまだ多そうです。
「ビットコイン投資戦略」価格下落時に考えるべきこと」BitTimes