ビットコイン、激しすぎ
インターネット上でのみ流通・取引される暗号資産(仮想通貨)。その代表的なビットコインが今、えらいことになってます!
どういうことか、まずは6月の値動きから振り返ってみましょう。
※一般的に使われるBTCをビットコインの単位として使用します。
6月初め、1BTCは418万円付近まで買われていました。しかしながら6月半ばになると売りが優勢となり、19日朝にはなんと237万円台まで急落。この月の高値からの下落率は約43%!にもなりました。
ただその後、安値から25%ほど上げた水準となる295万円台まで買い戻される場面もありました。
※出所:Trading Viewより
「ビットコイン死亡」がトレンドワードに
ビットコインの「えらいこと」のもとを辿ると、5月に起きたステーブルコイン「テラUSD」の暴落に行きつきます。
※詳しく知りたい方はNHK記事「テラ暴落なぜ?」を参照ください。
まったくステーブル(安定的)ではなかったテラUSDのおかげで、6月に入ると暗号資産の高金利運用を保証していた企業やヘッジファンドの経営危機が表面化しました。
それを受けて、まずは暗号資産で市場規模2位のイーサリアムを手放す動きが進み(50%以上の下げ幅を記録)、ビットコインも耐え切れず大幅に下落した次第となったわけです。
ビットコインが大きく値を下げると、Google検索では「bitcoin dead(ビットコイン死亡)」という言葉がトレンドワードとなりました。一部の専門家は、ビットコインや他の暗号資産の市場が「氷河期に入った」などという見方も示しています。
悲観的になる前に、時価総額をチェック
ただしあまり悲観的にならず、ここでまずビットコインの時価総額(発行枚数×1BTCあたりの価格)を見てみましょう。価格は下がったとは言え、6月27日時点では55兆円を超えています。
※出所:CoinMarketCap
55兆円がどの程度かというと、例えば、2000年頃に一般家庭や企業・金融機関などに出回っていた日銀券(いわゆるお札)と同じくらいの規模です。
20年以上前の話ではありますが、すでに経済が十分に成熟していた日本のお札残高は、送金や決済を目的に作られたビットコインにとって1つの目安ではないでしょうか。
他には、日本企業の株式規模と比較してみましょう。
6月28日引け時点で時価総額(発行済み株数×株価)のトップはトヨタの35.3兆円です。次にソニーの14.6兆円が続き、NTTは第3位の14.3兆円となります。
いかがでしょうか?
単体の企業と暗号資産を時価総額で単純に比べること自体が正しいのか?と問われると、正直微妙な気もします。しかしながら、ビットコインの価値を示す1つの指標として捉えても良いのではないでしょうか。
なおビットコインに対する批判「単なるデジタルデータであり、資産的な裏付けがない」との声も確かによく聞きます。ただし既に55兆円の規模を抱えており、金融場を全体を見るうえで無視できない存在であるというのは確かな事実です。
ところで、ここまで暗号資産という言い方をしてきましたが、↑の時価総額では「全ての仮想通貨」と記載されていることにお気づきでしょうか。
暗号資産と仮想通貨、他のメディアをみても両方の言い方が出回っているようです。意味は同じですが、このコラムでは金融庁のお達しに沿い「暗号資産」で通したいと思います。
よもやま話の方向性、残念ながら
さて「暗号資産よもやま話」では、タイトル通りに暗号資産に関する「よもやま=様々な、雑多な」話題を提供していくつもりです。
ただし決して、「お客さん、良いコインあるから買いませんか?」「今この時期に購入しておけば、年末にはウハウハですよ」、「目指すは2倍や3倍の値上がりではない、100倍です!」などというお勧めは残念ながらありません。
もし、そういうことを期待していた人がいましたらゴメンなさい。
もちろん、ビットコインやそれ以外の暗号資産の魅力は積極的に伝えていくつもりです。そして、投資をする上で非常に大事な「いったい何が危険なのか」ということも話していきます。
このサイト「いまから投資」では、株式やFX(外国為替証拠金取引)を中心に、様々な角度から資産形成をサポートする情報が盛り込まれる予定です。そのなかで、金融市場で存在感を増す暗号資産市場で「今、起きていること」を知っていただき、ぜひ投資のヒントに繋げてほしいと思っています。
暗号資産の取引を始めたい人向けの交換業者での口座開設の仕方、または既に始めているという人に対しても、現物だけではなく証拠金取引の利点や気を付けるべき点なども伝えていきます。
あと、この機会に歩いてコインを稼ぐ「STEPN」も始めてみました。まだアプリを使いこなすまでには至っていませんが、近況報告も今後はしていくつもりです。
今日はこの辺りまでとし、次回は「ビットコインの魅力」について話を進める予定です。