やはり米国の問題は無視できない?!
代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)は5月31日21時時点、対ドルでは2万7100ドル前後と前週比では約1.4%高で推移しています。週明けに2万8500ドル手前まで急ピッチで値を上げましたが、一巡後は再び伸び悩みました。
BTC円も一時取引所では約4週間ぶりに400万円台を乗せる場面もありましたが、その後は376万円台まで緩みました。
上昇した要因の1つは、世界中が警戒していた「米国の債務上限問題」を巡りバイデン政権と野党・共和党が原則合意に至ったというニュースでした。
「ビットコイン上昇、一時約2週間ぶり高値-米債務上限問題巡る合意で」 Bloomberg
※FNNプライムオンライン より
政府や銀行などに影響されない非中央集権を目指して生まれたビットコインであっても、さすがに世界最大の経済大国のデフォルト(債務不履行)はリスク要因だったようです。そのデフォルトが避けられるとの見通しが買い安心感につながりました。
しかしながら執筆時の日本時間31日夜の時点では、債務上限・合意案の議会採決を待っている状態です。共和党・強硬派の反発も懸念されるなかでは、BTCを積極的に買い上げられないのでしょう。
「Bitcoin Edges Below $28K as Investors Eye US Debt Ceiling Progress」coindesk
(ビットコインは2万8000ドル割れ、投資家は米債務上限問題の進展に注目)
月間では今年初めての・・・
さて、BTCドルの年初来上昇率は6割を超えています。ただし5月に限って言えば、今のところ約7%のマイナスです。
↑はこのコラムでも良く取り上げている暗号資産分析サイトcoinglassの月次リターンから抜粋しました。サイトが新バージョンに代わっていますが、古いバージョンもまだ使えるようです。
BTCがこのままの水準で推移すると、対ドルでは今年初めての月間マイナスを記録することになります。5月に絞って言えば、21年から3年連続の赤字月です。
チャートを見てみると、4月半ばの高値から5月初めの戻り高値を結んだラインが引けます。今後はこの線が抵抗水準として働くか値動きのポイントとなるでしょう。
※Trading Viewより
BTCドル 目指すは4万5000ドル?!
ビットコイン相場は今年前半の勢いが失われつつあるように見えます。しかしながら、ここから更に6割以上も上昇するとの見方もあるようです。
「This is What Needs to Happen for Bitcoin to Reach $45K This Year According to JPMorgan」 cryptopotato
(JPモルガンよれば、ビットコインが今年4万5000ドルに到達するために必要なこと)
米金融大手JPモルガンのアナリストが先日明らかにしたレポートでは、BTCドルが今年中にも大きく上昇する見込みが示されていたようです。複数の暗号資産メディアがその件について報じています。
アナリストはビットコインの代替資産としての役割に注目。個人投資家が今後、ビットコインをリスクヘッジ資産の代表格とされるゴールド(金)と同じようにポートフォリオに組み入れる可能性があるというのです。
中央銀行以外で投資家が保有しているゴールドは約3兆ドルの市場価値とされています。そのゴールドのパフォーマンスとビットコインが似てくるようであれば、BTCドルは今年中に4万5000ドル(1ドル=140円だと630万円)に達してもおかしくないというのです。
「ビットコインと金(ゴールド)の関係性」 DMM Bitcoin
DMM Bitcoinのサイトに昨年5月に掲載され、夏に更新された記事です。希少性や機能面で両者の類似点を複数挙げています。ただ価格の動きとしては、この時期は逆相関関係だったようです。
では、Trading Viewで昨年末からの直近にかけての、ビットコインと金先物の値動きと相関関係を見てみましょう。
※Trading Viewより
今年1月半ばから後半、3月後半はかなり高い関係性でした。ただし、足もとでは相関関係は薄れつつあります。
いずれにせよ、ビットコインを保有するうえでゴールドの値動きには注視する必要がありそうです。