第一四半期、さえなかった…
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は2025年4月2日10時頃、対円では1276万円前後と前週(7日前)比3%安、対ドルが8万5000ドル付近で推移しています。
ほか主要なアルトコインは軟調なものが目立ち、時価総額2位のイーサリアム(ETH)が前週比で約8%超安、リップ(XRP)は13%超安、ソラナ(SOL)も12%程度の下落率です。
3月28日に発表された米国の経済指標では、物価高と景気悪化が重なる「スタグフレーション」のリスクに対する懸念が急速に高まりました。トランプ米大統領による関税強化策が、賦課される国だけでなく、米経済の先行きでさえも不安にさせているという状況です。
ビットコイン(BTC)などの暗号資産は今や完全にリスク資産という位置付けです。市場の変動によって価値が大きく上下する可能性がある資産であり、いわゆるリスクオンの相場状況で買われ、リスクオフで売られやすくなります。
トランプ関税に端を発したリスクオフの波に今月も引きずられました。暗号資産分析サイトcoinglassによれば、BTCの対ドルにおける月間騰落率はマイナス2.3%でした。2月マイナス17%超よりは改善されたものの、3月としては5年ぶりの月間マイナスで終えています。
また四半期ベースでもマイナス11.8%と3四半期ぶり、第1四半期としては2022年以来の下落で終えました。
※coinglassのサイトより
BTC準備金、ゴールドを使い?!
ところで、トランプ米大統領も押し進めようとしている戦略的ビットコイン準備金はどうなったのでしょうか。
※戦略的準備金とは、国などが将来の不確実な状況や緊急事態に備えて、重要な資産を蓄えておく仕組み。経済の安定や安全保障を目的としており、これまでだと石油備蓄、金(ゴールド)、外貨保有などがある。
「米政府、金証券の含み益を原資とするビットコイン取得の可能性も…」コインテレグラフ
金(ゴールド)証券の含み益を使うことで、政府が新たな予算を組まずにビットコインを所得できるという、暗号資産諮問委員会の事務局長の考えを報じています。
米国は世界最大の金(ゴールド)保有国であり、2024年末時点で約8133.5トンと、2位ドイツの約3351トンを大きく引き離しています。ちなみに、中国は全体7位で2269トン、日本はインドに次いで10位の846トンです。
金証券(Gold Certificate)とは、米政府(財務省)が金をFRBに預けた(または引き渡した)ことを示す証券です。市場価格とは関係なく、公定価格(1トロイオンス=42.22ドル)で評価され、FRBのバランスシート上の資産として保持されています
70倍上の評価アップを有効に…
米セントルイス連銀の経済データベース「FRED(Federal Reserve Economic Data)」によれば、
FRBの金証券口座には2006年以降、ドル価ベースで110.37億ドルの残高が続いています。
1トロイオンス=31.1034768グラム、前述された公定価格(1トロイオンス=42.22ドル)から計算すると、米政府が保有する金8133.5トン分相当の価格です。
さてここで、3月31日のニューヨーク金先物市場概況を見てみましょう。
先物ではありますが、現物取引の指標でもあります。金は安全資産とも言われ、相場がリスク回避に動いたときに資金が向かいやすいとされています。もちろん、必ずしもそうなるわけではありませんが、今回のトランプ関税で株や暗号資産などのリスク資産とは明らかに違った動きです。
3000ドルを超えて更に上値余地を試すなかで、現状42ドル台で評価されている金証券に目が行くのは当然と言えるかもしれません。トランプ政権の暗号資産諮問委員会は、この金証券の含み益を使い、ビットコインの戦略的準備金拡大を狙っているようです。
1トロイオンス=3100ドルで単純に計算すると、現評価額から73倍、110億ドルから8000億ドル超まで膨らみます。1ドル=150円で120兆円です!
金証券の評価替えが本当にできるのか、今のところ定かではありません。ただもし、含み益の一部でもビットコインの戦略的準備金に使用されるようであれば、市場へのインパクトは無視できないものとなるでしょう。
※Trading Viewより