BTC、弱含み
代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)は6月20日8時頃、対円では1028万円台と前週(7日前)から4%超も安い水準で取引されています。BTCドルが6万5000ドルをやや割り込んだ値動きです。
BTC円は先週末に1030万円割れで下値を広げたところから切り返し、今週前半には1060万円超えまで買い戻されました。もっともその後は再び売り優勢となり、19日早朝に1013万円台まで今月安値を更新しています。
※Trading Vewより
BTCドルも一時6万4000ドル付近まで下げ足を速めました。7日につけた直近高値7万1900ドル台のからだと11%の下落率です。
ダブルトップを形成
チャートの形でダブルトップというパターンがあります。価格が(ほぼ同じ水準で)二度の高値を付けた後に下落するというフォーメーションです。形状としては「M」のように見え、トレンド転換として捉えられています。
今回のBTCドルやBTC円の日足チャートで、そのダブルトップが見られました。
※Trading Viewより
テクニカル分析には常に「ダマシ(騙し、英語ではfakeoutやfalse breakoutとも呼ばれる)」が付きまといます。特定の価格レベルを突破したように見えて、実際にはその方向に継続しない現象です。
経験則としてこのダブルトップは「ダマシ」も多いので、私はあまり気にしていませんでした。
実際、ネックラインと言われる直近安値の支持水準(BTCドルは6万6600ドル付近)を下抜けても、一旦は大きく切り返しています。慌てて買い戻した参加者も多かったのではないでしょうか。
しかしながら反発は上値の重さを確認したに留まり、再び支持水準を割り込みました。
上値が重かった理由
このところBTCの上値の重かった理由の1つは、やはり現物ETFの影響を受けたものでした。以下は暗号資産分析サイトcoinglassに記載されている現物ETFのネットフローのチャートです。
流入が急拡大したのが4日で、その後は流入超ながらも徐々にプラス幅は縮小しています。10、11日と流出超に転じ、一旦持ち直した後に4日連続でマイナスを記録しています。
黄色い線のBTC価格も、4日以降は上値が切り下がっているのが分かります。
さてこちらの記事↓
「今年の暗号通貨市場、120億ドルの純流入・・・・」コインデスク
今年、多くの資金が暗号資産市場に流れ込んでおり、その中心が現物ビットコインETFです。しかしながら現物ETFについて、取引所の既存ウォレットから移された資金も多いと指摘しています。
アルトコインの影響もあった
ビットコインの下落は、ドージコイン(DOGE)やソラナ(SOL)の急落に引きずられた面もありました。
暗号資産の時価総額上位をみると、ソラナの全体のドミナンス(占有率、シェア)は約2.6%、ドージコインが1%にも達していません。しかしながら今回は、先物市場でロングが清算された金額はビットコインより大きかったことがBTCにも影響しました。
ドージコイン先物では、6000万ドル相当のロングポジションが清算されたとされています。
「ドージコイン強気派・・・2021年以来最大の打撃」コインデスク
※coinglassより、先物市場で清算された金額
イーサリアムが持ち直し、SECのおかげ
19日には時価総額2位のイーサリアム(ETH)が反発し、BTCも下げ渋りました。
「米規制当局、イーサリアムが証券であるかどうかの調査を終了へ」コイングラス
米証券取引委員会(SEC)は、イーサリアム(ETH)が証券かどうかの調査を終了したという報道です。SEC規制への懸念が大きく後退し、ETHは3%近く上昇しました。
BTCの暗号資産全体のドミナンスは50%超えを維持していますが、それ以外の暗号資産(アルトコイン)の影響を避けられない局面も増えつつあります。