暗号資産ウォッチャー これに注目!

第98回「ビットコイン、ハッキングもなんのその こんどは豪とタイが!」

BTC、堅調な動き続く


代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は6月6日10時頃、対円では1107万円台と前週(7日前)比で3%以上高い水準で取引されています。BTCドルが7万1200ドル前後での値動きです。

 

先週末にBTC円は1050万円まで弱含むも、その後は切り返す動きとなりました。1100万円付近では一度頭を抑えられましたが下押し幅は限定。5日NY時間には、史上最高値1120万円に迫る場面もありました。BTCドルも6万7000ドル割れから、一時7万1700ドル台まで買い戻されました。

 

暗号資産サイトcoinglassによれば、5月のビットコイン騰落率は11%上昇でした。4月の下落幅14%超には届きませんでしたが、半減期を終えた材料出尽くし感による持ち高調整売りはある程度済んだということでしょうか。

 

・半減期とは

ビットコイン・ネットワークでは、マイニングと言われる「ブロック生成(取引や送金データの集まりを繋げる)競争」に勝ったマイナーに報酬が支払われます。約4年に1度発生する半減期では、その報酬が半分になります。4月20日を境に、報酬は1ブロック生成ごとに6.25BTCだったところから3.15BTCとなりました。


※coinglass より

 

 日本の交換所でハッキング


さてこの1週間のサプライズニュースといえば、日本の暗号資産交換所がハッキングされ、約4500BTC(482億円相当)が不正に流出したことでしょう。

「ビットコイン482億円が不正流出・・・・」Bloomberg

 

こちらは交換所のウエブサイトで最初に報告されたページの一部です。

 


5月31日13時26分頃の不正流出と規模、そして流出相当分のBTCは全額保証する旨をこの時点で表明していました。


一部メディアによれば、ハッカーは盗み出したBTCをすでに10のウォレットに転送しているようです。

 

市場に不安感広がらず


ハッキングされた交換所は6月5日の第二報で、流出した分を全額保証すると再度言及。グループ会社から資金調達をして、流出相当分のビットコイン(BTC)は市場に影響を与えないよう配慮しながら調達を進めると述べました。ただし、不正流出の原因については調査中としています。



ハッキングの原因は分からないものの、交換所は流出をすぐに報告し、全額保証や資金調達についてなどをオープンにしました。これらは、市場のパニックを防ぐうえでも正しい対応だったように思います。

 

暗号資産の口座数が日本でも1000万を突破し、こういった事件は今後も規模は様々ながらあり得るでしょう。そういった場合、被害にあった交換所には同様の対応が求められます。


米国ではETFに流入止まらず

 

ハッキング報道を受けて一瞬下押ししたビットコインでしたが直ぐに反発しました。米国の現物ビットコイン上場投資信託ETF)への資金流入が続いており、相場しっかりと支えました。


「ビットコインETFに3月以来最高の・・・」コインデスク

米国の現物ETFは4日、8億8000万ドル以上の純流入となり、過去2番目の記録を達成したという記事です。高い手数料が嫌気されて1月以降は流出超のグレイスケール・ビットコイン・トラスト (GBTC)でさえも、流入を記録しています。


これまでの最高流入額は3月12日の10億4000万ドルです。その翌日にBTCドルは史上最高値(7万3700ドル前後、取引所によって差あり)を達成しました。


  


ポートフォリオに加える機関投資家が大幅増


 先月末の日経新聞によれば、現物ビットコインETFを保有する機関投資家が3月末時点で995社に達しました。そのうちの1社、資産運用大手フィデリティのデジタル資産戦略責任者は、「投資家はポートフォリオにビットコインを加えるべき」 と強気の姿勢を示しています。


暗号資産取引所の社長の話ではありますが、↓こういった意見も出てき始めました。

「ビットコインETFの登場 BTCを退職後の生活のための・・・」コインテレグラフ

 

オーストラリアやタイでも!


盛況な米国の現物ETFに乗り遅れまいと、追随する国が徐々に増えてきました。それもオセアニアとアジアでです。


「オーストラリアでビットコインを直接保有するスポットETFが上場」コインデスク

オーストラリアでは4日から現物ビットコインETFの取引が始まっています。


 「THAILAND APPROVES ITS FIRST SPOT BITCOIN ETF」BITCOIN MAGAZINE

(タイ、初の現物ビットコインETFを承認)

タイでは、資産運用会社が11の主要な現物ビットコインETFに投資することを同国証券取引委員会が承認。運用会社は現物ETFを組み合わせたファンドを機関投資家や富裕層限定に販売するようです。



現物ETFに関しては、日本の出遅れ感が目立ち始めたように感じます。

この連載の一覧
第99回「ビットコイン、対円では最高値更新も・・・ 米イベントで右往左往」
第98回「ビットコイン、ハッキングもなんのその こんどは豪とタイが!」
第97回「ビットコイン、占有率が下がり気味・・・ 現物イーサETFの取引は?!」
第96回「ビットコイン、対円では最高値更新 ETHもついに?!」
第95回「ビットコイン、弱い米指標が助けに?! ウィスコンシン州がお買い上げ」
第94回「ビットコイン、2割下落は買い場? 月間の連勝記録は途絶え5月は鬼門かも」
第93回「ビットコイン、4年に1度のイベント終了 半分になったことが・・・」
第92回「ビットコイン、下落はあの国のせい? リスク耐性はどこいった」
第91回「ビットコイン、対円では高値更新も米国では小休止 香港が追随?! そして半減期」
第90回「ビットコイン、月間の連騰記録を更新 日足チャートで気になる形も」
第89回「ビットコイン、やっぱりETF次第・・・ 手数料高いとやっぱりダメ?!」
第88回「ビットコイン、大幅下落も何のその 相変わらずのジェットコースター相場」
第87回「ビットコイン、巨人がかき集め中 わずか2カ月で追いついたETFも」
第86回「ビットコイン、ついに夢の水準へ 機関投資家はこれから?!」
第85回「強すぎるビットコイン、まだ重要イベントが控える」
第84回「ビットコイン、対円では最高値更新 お隣が前向きな感じ」
第83回「どうにも止まらない、ビットコイン ETFによる保有量はあの企業も上回る」
第82回「ビットコイン、1月は何とかプラス 都合の良い見方にはご注意」
第81回「ビットコイン、トータルでは流入増だった 半値戻しは・・・」
第80回「ビットコイン、高値から2割下落 売り手はヤツが・・そろそろ終わり?!」
第79回「ビットコイン、祝・現物ETF承認!事実で売られるも取引は活況」
第78回「ビットコイン、年初も材料変わらず フェイクニュースもなんのその」
第77回「ビットコイン、4カ月連続のプラスとなるか 辰年への期待も高いまま」
第76回「ビットコイン、飛び跳ねた年 年明けも好材料が待ち受ける?!」
第75回「ビットコイン、荒い動き ただし下落率は意外とそれほどでも?」
第74回「フィーバー中に、ビットコインがフィーバーしていた! それも仕方なし」
第73回「ビットコイン、先物市場は盛り上がり ただし現物ETFへの待ち疲れ感も?」
第72回「ビットコイン、アルゼンチンからバイナンスまで材料多し 上げて下げて結局まだ底堅い」
第71回「ビットコイン、強気に傾き・買われ過ぎ感も高まっていた 後付けではありますが」
第70回「ビットコイン、5%下落は調整の範囲内、でもポジションの急拡大には要注意?」
第69回「まだまだ強いビットコイン、クジラも活発化 ハロウィンで15周年」
第68回「ビットコイン、年初来では2倍超に!ETFに心躍らせる人たち 」
第67回「ビットコイン、誤報にもめげず底堅い あの高級車も買えるようになる?!」
第66回「地政学リスクよりもハッキングリスク、9月や第3四半期は今年最悪」
第65回「急騰の要因は色々あれど、マスク氏も関係?米議会の混乱や債務増もポジティブ材料に」
第64回「ビットコイン、米金利とドルに振り回され再び暗雲も しかし挫けない男は追加でご購入」
第63回「ビットコイン大台回復、大手参戦が追い風に たまには他のコインも要チェック」
第62回「再びFTXで大騒ぎ、ソラナが大幅安 一方ビットコインは底打ち期待も?! 」
第61回「ビットコイン、9月は本当に"fall"なの?今年もアノマリーが気になる」
第60回「ビットコイン、復活!きっかけはGBTC そしていよいよETFも・・・」
第59回「どうしたビットコイン?スペースXのせいなのか さて、どのサインを信じるか」
第58回「ビットコイン、売り買い材料が交錯 あのトランプ氏も心変わり?」
第57回「リップルにつれ安、8月のビットコインは?そして6カ月後までに・・・」
第56回「ビットコイン、400万円台維持 ネガティブニュースも跳ね返す」
第55回「ビットコイン、ゴールドのように羽ばたけるか ただしETFはもう少し先かも?」
第54回「Simple is Best、相場は単純に考える ところでBTCが上がらない理由は?」
第53回「ビットコイン 円高の影響、分かれたヤツは元気」
第52回「ビットコイン、対円にしました!口座開設はもうお済み?」
第51回「現物ETF 承認への期待大! ただし一旦落ち着く必要も・・・」
第50回「ビットコイン、救世主が出現! 現物ETFへの期待高まる」
第49回「BTCの占有率上昇、ただし市場が盛り上がっているわけでは・・・」
第48回「ビットコイン SECの圧力はちょっと違う、底打ち感も?!」
第47回「ビットコイン 5月は失速、でも今年中には大幅上昇?!」
第46回「ビットコイン 動かず、過去2回はその後に大波」
第45回「G7は規制強化 交換業大手はカナダから日本へ」
第44回「ビットコイン 4カ月連騰、手数料高騰が懸念?」
第43回「ビットコイン 冬は終了?欲張り過ぎには要注意」
第42回「イーサリアム 待ち時間は延びる、BTC 10カ月ぶりの高値をつけるも・・・」
第41回「ビットコイン 約10カ月ぶりの高値、信じる者は・・・」
第40回「リップル 3月は元気いっぱい、裁判の終わりが見えた?!」
第39回「当局の圧力にも負けず、BTC買い衰えず」
第38回「ビットコイン 時価総額はメタ超え、強欲な感じも・・・」
第37回「まるでジェットコースター、ビットコイン 代替資産としての位置づけも」
第36回「ビットコイン とんだ雛祭りに、懸念材料は複数残る?」
第35回「ビットコイン 売り持ちファンドに資金流入、投資家の懸念を反映」
第34回「昨年6月以来の高値更新、ビットコインの上昇要因を探る」
第33回「ビットコイン とばっちり食らう、PoWには関係なし?」
第32回「ビットコイン、2月も底堅い クリスマスまでには?!」
第31回「イーサリアム、マージから4カ月半 伸び代あり?!」
第30回「悪いニュースに反応せず、アノマリーもあったとは」
第29回「クジラがショートカバーを誘発?! 最後の一押しは日銀」
第28回「ビットコイン 年始はまずまずのスタート、より身近になった?」
第27回「ボラティリティ低調、でも今年のビットコインは進展!」
第26回「期待は失望に変わり、一喜一憂すべきではないとの助言も・・・」
第25回「厳しい年、規制強化は仕方なし?・・・理想は遠い」
第24回「あれから1カ月、ようやく明るい話も」
第23回「破綻の検証始まるも・・・先はまだ長そう」
第22回「FTX破綻の衝撃拡大、ただ日本法人は年内にも?!」
第21回「FTX/アラメダ破綻、FTT暴落・・・暗号資産は今後?」
第20回「ETHがBTCをアウトパフォーム、市場全体をけん引」
第19回「BTC 今年も10月は良い月に、依然としてボラは注視」
第18回「ビットコイン やっと反発、ボラティリティの底打ち感も?」
第17回「何時でも何処にでも、ウクライナ支援も」
第16回「BTCと米株、相関関係はあるの?」
第15回「BTC、9月アノマリーはどうなった?」
第14回「ビットコイン かなり電気を使い過ぎ?世界で23番目と同等」
第13回「マージ後にETH下落、運の悪さも?完成度はまだ・・・」
第12回「イーサリアム、地球に優しくなるために」
第11回「暗号資産のビッグイベント! The Merge」
第10回「BTCにとって怖い9月、一方でETHは?」
第9回「久しぶりのフラッシュクラッシュ、今さらマウントゴックス?」
第8回「ディフェンスは重要、保管の方法は?」
第7回「時価総額9位がハッキング被害、財布のせい?」
第6回「ビットコイン、まずはエビになってみる?」
第5回「ビットコイン 金融市場の入り口に?」
第4回「ビットコインもFOMCは無視できず」
第3回「ビットコインの魅力~それは自由、黎明期を振り返る」
第2回「ビットコインって魅力的?」
第1回「ビットコイン、えらいことになってます!」

為替情報部 アナリスト

小針 卓哉

1993年に米系銀行へ入行し、外国為替部でインターバンク・スポットディーラーとなる。ドル円のみならず豪ドルやドルマルクなどの通貨も担当し、東京市場を中心に活躍。 ユーロ発足後からは、ユーロドルやユーロクロスなどを担当。その後に移った米系証券や大手邦銀のトレーディング部においても欧州通貨を中心に取引し、収益手法は主に短期的なトレーディングを得意とした。 為替相場以外では、アンガーマネジメント・ファシリテーターとしての一面もある。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチ社に入社。

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