BTC、堅調な動き続く
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は6月6日10時頃、対円では1107万円台と前週(7日前)比で3%以上高い水準で取引されています。BTCドルが7万1200ドル前後での値動きです。
先週末にBTC円は1050万円まで弱含むも、その後は切り返す動きとなりました。1100万円付近では一度頭を抑えられましたが下押し幅は限定。5日NY時間には、史上最高値1120万円に迫る場面もありました。BTCドルも6万7000ドル割れから、一時7万1700ドル台まで買い戻されました。
暗号資産サイトcoinglassによれば、5月のビットコイン騰落率は11%上昇でした。4月の下落幅14%超には届きませんでしたが、半減期を終えた材料出尽くし感による持ち高調整売りはある程度済んだということでしょうか。
・半減期とは
ビットコイン・ネットワークでは、マイニングと言われる「ブロック生成(取引や送金データの集まりを繋げる)競争」に勝ったマイナーに報酬が支払われます。約4年に1度発生する半減期では、その報酬が半分になります。4月20日を境に、報酬は1ブロック生成ごとに6.25BTCだったところから3.15BTCとなりました。
※coinglass より
日本の交換所でハッキング
さてこの1週間のサプライズニュースといえば、日本の暗号資産交換所がハッキングされ、約4500BTC(482億円相当)が不正に流出したことでしょう。
「ビットコイン482億円が不正流出・・・・」Bloomberg
こちらは交換所のウエブサイトで最初に報告されたページの一部です。
5月31日13時26分頃の不正流出と規模、そして流出相当分のBTCは全額保証する旨をこの時点で表明していました。
一部メディアによれば、ハッカーは盗み出したBTCをすでに10のウォレットに転送しているようです。
市場に不安感広がらず
ハッキングされた交換所は6月5日の第二報で、流出した分を全額保証すると再度言及。グループ会社から資金調達をして、流出相当分のビットコイン(BTC)は市場に影響を与えないよう配慮しながら調達を進めると述べました。ただし、不正流出の原因については調査中としています。
ハッキングの原因は分からないものの、交換所は流出をすぐに報告し、全額保証や資金調達についてなどをオープンにしました。これらは、市場のパニックを防ぐうえでも正しい対応だったように思います。
暗号資産の口座数が日本でも1000万を突破し、こういった事件は今後も規模は様々ながらあり得るでしょう。そういった場合、被害にあった交換所には同様の対応が求められます。
米国ではETFに流入止まらず
ハッキング報道を受けて一瞬下押ししたビットコインでしたが直ぐに反発しました。米国の現物ビットコイン上場投資信託(ETF)への資金流入が続いており、相場しっかりと支えました。
「ビットコインETFに3月以来最高の・・・」コインデスク
米国の現物ETFは4日、8億8000万ドル以上の純流入となり、過去2番目の記録を達成したという記事です。高い手数料が嫌気されて1月以降は流出超のグレイスケール・ビットコイン・トラスト (GBTC)でさえも、流入を記録しています。
これまでの最高流入額は3月12日の10億4000万ドルです。その翌日にBTCドルは史上最高値(7万3700ドル前後、取引所によって差あり)を達成しました。
ポートフォリオに加える機関投資家が大幅増
先月末の日経新聞によれば、現物ビットコインETFを保有する機関投資家が3月末時点で995社に達しました。そのうちの1社、資産運用大手フィデリティのデジタル資産戦略責任者は、「投資家はポートフォリオにビットコインを加えるべき」 と強気の姿勢を示しています。
暗号資産取引所の社長の話ではありますが、↓こういった意見も出てき始めました。
「ビットコインETFの登場 BTCを退職後の生活のための・・・」コインテレグラフ
オーストラリアやタイでも!
盛況な米国の現物ETFに乗り遅れまいと、追随する国が徐々に増えてきました。それもオセアニアとアジアでです。
「オーストラリアでビットコインを直接保有するスポットETFが上場」コインデスク
オーストラリアでは4日から現物ビットコインETFの取引が始まっています。
「THAILAND APPROVES ITS FIRST SPOT BITCOIN ETF」BITCOIN MAGAZINE
(タイ、初の現物ビットコインETFを承認)
タイでは、資産運用会社が11の主要な現物ビットコインETFに投資することを同国証券取引委員会が承認。運用会社は現物ETFを組み合わせたファンドを機関投資家や富裕層限定に販売するようです。
現物ETFに関しては、日本の出遅れ感が目立ち始めたように感じます。