BTC、抵抗ラインをブレイクしたことが
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は5月22日23時頃、対円では1089万円付近と前週(7日前)比で約8.5%高の水準。BTCドルが6万9500ドル前後で推移しています。
BTC相場は先週後半から買いが強まり、週末から週明けも底堅く推移。そして、21日未明(20日NY午後)から一気に上げ幅を広げています。為替の円安進行の影響も受け、BTC円は4月高値を超えて1200万円まで過去最高値を更新しました。
BTCドルは7万2000ドル付近まで上昇。下のチャートをみると、4月高値から5月前半の戻り高値を繋いだ線を先週クリアに超えていました。結果的には、このブレイクが買い方に勢いをつけた、または売り方の買い戻しを誘ったとも言えそうです。
※Trading Viewより
ビットコインETFに資金が戻ってきた!
先週からのBTCの強さは、やはり現物ビットコインETFへの資金流入が要因の1つでした。
「US spot bitcoin ETF rebound continues with nearly $1 billion in net weekly inflows」
↑は暗号資産情報サイトTHE BLOCKの記事です。
現物(スポット)ETFの回復が続き、週間のネット流入額は10億ドル(1ドル=155円で1550億円)に迫ったという内容です。
※暗号資産サイトcoinglassより
「米年金基金がビットコイン採用・・・」コインデスク
こちらの記事によれば、なんと1-3月期だけで約500の機関投資家が現物ビットコインETFに資金を投じたとされています。その中には、前回のコラムでも取り上げたウィスコンシン州投資委員会(SWIB)も含まれています。
機関投資家は「あらゆる種類」とされ、1月前半に上場が承認されたビットコインETFがどれだけ投資家に待ち焦がれていたかが推測できます。
興味深いこと・・・GBTCが?
このコラムでもよく使わせてもらっている暗号資産分析サイトcoinglassのデータ↓をみると、興味深いことが1つありました。
これまで流出が続いていたグレースケールのビットコインETF「Grayscale Bitcoin Trust(以下GBTC)」が4日間連続の流入超で終えています。流出していった額と比べると圧倒的に少ないですが、もしかするとGBTCへの風向きが変わったのかもしれません。「もしか」ではありますが・・・。
「グレースケールのビットコインETF、純流出止まった=CEO」ロイター
1カ月以上も前のロイターの記事ですが、CEOの言っていたことがやっと実現しつつあるようです。
ただし、このCEOは退任することが伝わっています。
さて、次はイーサリアム
5月21日未明にビットコイン以上に急上昇した暗号資産があります。それは、時価総額2位のイーサリアム(ETH)です。22日24時時点でも、ETHは対円で58万5000円前後、対ドルでは3740ドル近辺と前週比で約26%高い水準で取引されています。
ETH急騰のきっかけは、米証券取引委員会(SEC)による現物イーサリアムETF承認が近づいているという思惑が高まったことです。
「イーサリアムスポットETFの審査は急速に進展・・・・」コインデスク
これまでSECは、資産運用会社から申請されている現物ETHのETF承認の判断を先送りにしてきました。次の決定発表日を23日に控え、取引所にこのETFを上場し取引するための重要とされる申請書類の修正を求めたと報じられました。
「US SEC asks exchanges to fine-tune ether ETF filings in positive sign for approval, say sources」Reuters
こちらの記事によれば、取引所に対する前述したようなSECの変更要求はETF承認に向けたポジティブな兆候であるようです。
期待高まるなか、あの会社も?!
ビットコインの現物ETFへの資金流入が相場を大きく押し上げたように、イーサリアムの現物ETF上場となれば、同じように資金が流れ込むことへの期待が高まっています。
「イーサリアム先物の建玉が過去最高の140億ドルに-投資家のETFへの期待が高まる」コインデスク
「イーサ現物ETFの承認でETH価格が1万ドルに到達と予想」コインテレグラフ
そういったなか、フリマアプリを運営しているメルカリの子会社メルコインがイーサリアムの取り扱い開始を発表しました。
今後、イーサリアムへの注目が益々高まることになりそうです。
※ethereum.orgによれば、イーサリアムとは「一連のルールに従う世界中のコンピューターのネットワーク」の名称です。そのネットワークで使用される暗号資産(通貨)がイーサ(Ether、ETH)です。日本では、ネットワーク(プラットフォーム)と通貨のどちらもイーサリアムと表現するのが普及しています。