ビットコイン、約2年ぶりの・・・
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は6月14日14時時点で、対ドルでは2万6000ドル前後と前週比では3.4%低い水準で取引されています。BTC円が364万円と前週から下落率は2.8%と、為替が円安基調のため対ドルよりは底堅い値動きです。
先週末にかけてBTCは売られましたが、2万5500ドル台ではなんとか支えられました。そこから底堅いという感じもしますが、ニューヨーク株式相場が強く、日経平均が3万3000円台で上値を伸ばしている一方で、BTC相場はさえないと言っていいでしょう。
「NYダウ145ドル高と6日続伸 インフレ鈍化を好感」いまから投資・NY株式サマリーより
ただ、こちらのチャートを見てください。Trading Viewの「BTC.D」の値動きです。
※Trading Viewより、BTCドミナンス 日足チャート
こちらは暗号資産全体におけるビットコインのドミナンス(占有率、シェア)を示すチャートです。今年に入り基調としては上昇してはいたのですが、4月から6月にかけて47-48%台で行ったり来たりでした。
それが先週半ばくらいからBTCドミナンスは拡大し、一時49.66%と約2年ぶりの水準を記録しました。
1%や2%程度の違いだろと思われるかもしれませんが、Trading ViewのCryptocapによれば、5月末時点の暗号資産の時価総額は約1兆1000億ドルです。1ドル=140円とすると154兆円、1%だと110億ドル(1兆5400億円)です。
BTCドミナンス高まれど、全体は縮小
ところで執筆時、暗号資産の時価総額は1兆300億ドルを下回っています。先週末には一時1兆40億ドルまで減少していました。BTCドミナンスと全体の時価総額を比較してみると、こちら↓になります。
※Trading view
ラインチャートのほうが比較しやすいと思い、BTCドミナンスがピンク、全体の時価総額を紫の線で出してみました。ラインは1時間ごとの終値でつながれています。
2つの線は同じような動きをすることもありますが、日本時間10日午前から午後に急速に時価総額が縮小したとき、逆にBTCドミナンスが急拡大しているのが分かります。
チャートには載せませんでしたが、そのころのBTCドルの値動きは10日10時頃の2万6500ドル辺りから5時間後には1000ドル近く下落しました。もっともその後は下げ止まり、2万6000ドルを中心に上下する展開が続いています。
全体の時価総額が低調な一方でBTCの占有率は高まったということは、やはりアルトコインと言われているビットコイン以外の暗号資産が売られたということになります。
ロビンフッドのせい?
こちらは、14日14時頃のステーブルコインを除いた時価総額上位の暗号資産です。幾つかの暗号資産がこの1週間で2割、またはそれ以上も価格が下落しているのが分かります。
※暗号資産情報サイトCoinMarketCap
下線を引いた「カルダノ(ADA)、ソラナ(SOL)、ポリゴン(MATIC)」が売られたきっかけは、↓こちらのニュースとされています。
「米ロビンフッド、暗号資産「ソラナ」などの取り扱い廃止へ」ロイター
記事によれば、ネット証券ロビンフット・マーケッツが取引プラットフォームから3つの暗号資産を除外すると発表しました。その3つがカルダノ、ソラナ、ポリゴンです。
※ロビンフットは、株式やETF、オプション、暗号資産の取引手数料が無料であることが特徴とされています。また初心者にも使いやすいインターフェースや口座開設が簡単であることで人気が高まりました。
3つの暗号資産が見捨てられた理由は、米証券取引委員会(SEC)が関係しています。SECが取引所最大手のバイナンスやそのCEO、そして米国で上場している取引所コインベースを提訴した際に、それらを証券と見なしたからです。
※ロビンフッドHPより
SECの主張に対しては、「カルダノ、ソラナ、ポリゴン」それぞれのブロックチェーンを開発する団体が間違った認識だと反論。
「カルダノの開発企業IOG、ADAを証券とみなしたSECの主張を否定」コインデスク
「SOLは証券ではない、ソラナ財団がSECに反論」コインテレグラフ
「ポリゴンが SEC の訴訟に対応」コインフォニ-
それにもかかわらず、戻りが鈍いようにも見えてしまいます。
「もうはまだなり、まだはもうなり」の相場格言が生きるとかもしれません。