半値戻しは・・・
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は7月3日13時時点で、対円では988万円前後と前週(7日前)比で1%弱の低い水準で取引されています。BTCドルが6万900ドルを挟んだ値動きです。
月末と重なった先週末、BTC円は一時1000万円付近を回復するも970万円前後まで緩みました。ただし6月終わりにかけて持ち直し、7月に入ると買いが先行しました。一時1030万円台と、先月安値935万円から10%近く戻しました。
しかしながらその後、BTC相場は失速。6月は前半に1024万円台の過去最高値を記録も、下旬には935万円台まで売り込まれました。この月間下落幅の半値がおおよそ1030万円付近です。つまり「半値戻しは全戻し」という相場の格言が意識されたのかもしれません。
※「半値戻しは全戻し」という格言、第81回コラムより
反発力の強さという意味よりも、反発は一時的だから「半値まで戻した時点で全戻しまで待つことなく、ポジションを手仕舞え」という考え方。
※Trading Viewより
知れば知るほど、好きに?
さて先月後半に、野村ホールディングスとその子会社「レーザーデジタル」が「デジタルアセット投資動向に関する機関投資家調査 2024」というレポートを発表しました。
国内の機関投資家や公益法人、そしてファミリーオフィスの運用担当者547名に対して、4月にオンラインで実施されたアンケート結果がまとめられています。
※ファミリーオフィスとは、資産が一定額以上の富裕層を対象に資産管理および運用サービスを提供する組織。
暗号資産(ここでは主にビットコインやイーサリアム)に関してはまず、今後1年先を見通したときの印象を尋ねています。ポジティブ/中立/ネガティブの3択では、
それぞれ25%/52%/23%と、いわゆる「どちらでもない、中立」というものでした。
ただし、暗号資産について詳しくなれば(知識レベル高と表現)、ポジティブ度が上がっているという相関関係がありました。知れば知るほど、好きになるようですね。
今後3年間で投資する可能性が?!
野村のデジタルアセット投資動向では、回答者の約6割が暗号資産を分散投資の機会として捉えているとしています。ビットコインは、株式・債券やコモディティと同じような位置を獲得しつつあるようです。
ただし別な見方をすれば、「まだ4割近くが投資する気なし」ということでもあります。ビットコイン円が1000万円台に乗せ、発行時価総額が1.2兆ドルを超えてと株式時価総額では世界7位のメタ社に並ぶ水準であったとしてもです。
もっとも先ほどと同じように、暗号資産への知識が高い運用者だけで見ると9割近くまで(分散投資の機会として捉える)割合が上がります。まずはビットコインについて知ってもらうことが大事なのでしょう。
興味深かったのが、「今後3年間で暗号資産に投資したいと考えているか」という質問に対する回答です。
答えは「投資したい/やや投資したい」と答えた運用者が54%でした。半分をやや上回っただけではありますが、今現在は規制で本邦機関投資家がなかなか暗号資産に手を出しづらいのが実状と比べると、それなりの割合とも言えるでしょう。
直ぐにではないにしろ、日本の機関投資家の資金が暗号資産市場に向かう可能性が高まってきたのではないでしょうか。ビットコインが暗号資産全体の半分以上のドミナンス(シェア)ということを考えると、やはりBTCを中心に投資ということになるでしょう。
日本から更に・・・・
その他にも幾つか日本発の暗号資産関連のニュースがありました。
1つは、ソニーグループが暗号資産取引所に参入と報じられたこと。実際には、すでに昨年ソニーグループの傘下に入っていた暗号資産取引サービス「WhaleFin」を運営する会社の名称が変わったということです。ただ社名を変更に伴いソニーグループの一員とであることをより強調し、暗号資産取引サービスの向上やそれに伴う付加価値創出に取り組むとしています。
またこちら→「WebCM発表、メルカリのビットコイン取引サービス」コインデスク
フリマサービス「メルカリ」の子会社「メルコイン」が、7月からのキャンペーン開始にともない長州力さん、島崎遥香さんを起用したWebCM「はじめないと、はじまらないぞ。」を開始しました。
これらの動きは、日本におけるビットコインの裾野を広げることになるでしょう。