BTCドル 三角保ち合いを上抜け
代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)は、12日9時時点で対ドルでは3万200ドル台/対円では404万円前後と前週比で約7%超えの上昇率です。
時価総額も約5846.6億ドルまで拡大し、暗号資産全体におけるドミナンス(シェア)は47%を上回っています。
※Trading view より
BTCドルは3月下旬から4月前半にかけて値幅が徐々に狭まっていました。↑のチャートで線が引かれているところは、上値切り下げ/下値切り上げという「三角保ち合い」を形成していました。
※三角持ち合いとは→【誰にでもわかるチャート教室】の第9回「フォーメーションあれこれ~その3」を参照
レンジが徐々に狭まってくる「保ち合い」は、市場がエネルギーを溜めている時間です。そのため上下どちらからにクリアに抜けると、その方向に勢いを強める傾向があります。(もちろん騙しもありますが・・・)
今回は、10日ニューヨーク時間に保ち合いを上抜けると上げ足を一気に速めました。買いが買いを呼ぶ展開となり、翌11日のアジア時間には昨年6月以来、約10カ月ぶりとなる3万ドル台乗せを達成しています。
後付け?200日線が支持に
さて↓のBTCドル日足チャートをみると、青い線が1年に数回ではあるものの、重要なポイントになったことが分かります。その青線は単純200日移動平均線(200日間の終値を単純に平均した値を繋げた線、以下200日線)です。
実線は昨年22年3月末の反発時、200日線に頭を抑えられています。その後は「アルゴリズム型ステーブルコインTerraUSD(USDT)の崩壊」や「暗号資産交換業大手FTXの破綻」を受けて、200日線から下方向に大きくかい離しました。
※Trading View より
BTCドルは昨年12月にやっと下げ止まり、今年1月から反転。実線が200日線を上抜けたことが底打ちを示唆して上昇力を強めました。
結果論や後付けと言われそうですが、(今となっては調整局面だと分かる)3月半ばの下落時に200日線付近で下げ止まり、これが買い安心感に繋がったのかもしれません。
次のターゲットとしては↑チャート上の横線、昨年1月の下落時に支えられて5月末の反発時に重石となった「3万2900ドル前後」となりそうです。
結局どうして上がったの?
ビットコインが大きく上昇した要因ですが、テクニカル的な買いだけというわけではなく、「米金利先安観に後押しされた」とする意見も複数見かけます。市場の見込み通り米連邦準備理事会(FRB)が年央以降に利下げに転じれば、リスクの高いビットコインに資金が向かうというのです。
「ビットコイン、3万ドル超え」コインデスク
もう一つは、米金融機関の連鎖破綻を受けた「代替・安全資産としての役割が続いた」という見方。確かに、昨年まで顕著だった米株式市場との連動性は薄まっているようにも感じます。
「株式市場からのデカップリングが進むビットコイン・・・」コインテレグラフ
また↓チャートのように、為替市場のドル安がビットコイン高に繋がっているとの声も聞かれました。
※Trading Viewより
有名な大口保有者もやっと含み益
米上場企業でBTCの保有規模が最大とされているのが、ソフトウェア企業「マイクロストラテジ-(Microstrategy)」です。同社の元CEOであり現会長マイケル・セイラ―氏はBTC信奉者として知られています。
そのセイラ―氏の5日のツイートがこちらです。↓
マイクロストラテジーは、1045BTCを平均2万8016ドルで購入したと述べています。同社は4月4日時点で14万ビットコインを保有し、その持ち値は2万9803ドルとのことです。購入コストで計算すると、41.7億ドル(1ドル=133円換算で5546億円)分のビットコインを1企業が保有していることになります。
今年に入り7500BTCを追加購入したマイクロストラテジーのポジションは、BTCドルが3万ドルを超えて含み益に転じました。
「米マイクロストラテジー社の巨大ビットコインポジションが含み益に転じる ビットコイン3万ドル突破で」 コインテレグラフ
一時は見ているほうもドキドキするような損失を抱えていましたが、BTCドルの年初来8割高で復活!今のところは、「信じるものは救われる」が通用しているように見えます。
来週は、シャペラ・アップグレード後のイーサリアム動向を見ていきたいと思います。