暗号資産、どうやって保管する
前回の【暗号資産よもやま話】では、暗号資産ソロナ(SOL)のハッキングを取り上げました。こちら→第7回「時価総額9位がハッキング被害、財布のせい?」
SOLのデータが入っていた「Slope」というホットウォレットに原因があった可能性が高いようですね。※ホットウォレットとは、インターネットに接続している暗号資産を管理するソフトウェア、デジタル財布のようなもの
暗号資産(仮想通貨)はデジタルデータであり、やはりインターネットにつながった機器・状態で取り扱うことが多くなります。そうなると価値がある分だけ、どうしてもハッキングというリスクが付きまといます(価値がなければ、ハッカーは無駄なことをしないでしょう)。
暗号資産を保有する人にとっては、いかにリスクを減らすかが重要になってきます。
ここからは暗号資産の保管・管理する方法について、メインの2つ「①個人で持つウォレットか、②取引所に置いておくか」を見ていきましょう。
なお、代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)関連で話を進めますね。
繰り返しになりますが、BTCはあくまでもデジタルデータです。↑の写真はあくまでもイメージであり、実際に手に取れるようなコインがあるわけではありません。
さて、BTCなどの暗号資産(の秘密鍵や公開鍵)を管理するウォレットには、大きく分けて「インターネットに接続しているホットウォレット」と「インターネットと繋がっていないコールドウォレット」があります。
色々あるホットウォレット
「ホットウォレット」にも幾つか種類があります。
1.モバイルウォレット・・・スマホやタブレットに専用アプリをダウンロードして使います
2.デスクトップウォレット・・・専用ソフトをダウンロードして使用
3.ウェブウォレット・・・インターネットのブラウザ上で管理する
Bitcoin.orgではモバイルウォレットとデスクトップウォレットを以下のようにまとめています。「ビットコイン・ウォレットの選択」
赤丸で囲んだところをクリックすると、それぞれのシステム(写真は左がAndroid、右はWindows)で利用可能なウォレットが提示されます。
Bitcoin日本語情報サイトでも「ビットコインウォレット比較」幾つかのモバイル/デスクトップウォレットが紹介されていますので、ぜひチェックしてみてください。
ウェブウォレットについてBitcoin日本語情報サイトでは、 口座開設・設定が簡単でどのコンピュータからもアクセス出来るのが長所としています。しかしながら、セキュリティをサイト管理側に一任するため、大きな額を入れるのではなく、小銭入れ感覚で使用することを勧めています。
ホットウォレットは、総じて入出金や送金が簡単にできるという手軽さが売りです。そのため、暗号資産のウォレットはホットウォレットだけという人も多いようです。
ただし、インターネットに繋がっている分だけ安全性という面では次のコールドウォレットには劣ります。
紙だけど守りが堅い、紛失には注意
安全性が高い「コールドウォレット」はインターネットから完全に遮断して暗号資産を管理します。
こちらは、紙で保管する「ペーパーウォレット」と物理的なデバイスで使用する「ハードウェアウォレット」に分けることができます。
「ペーパーウォレット」はハッキング攻撃に合うこともなく、長期保存に適しています。ビットコインのペーパーウォレットの作成はこちら⇒bitaddress.org
画面上でマウスを適当に動かすと、赤丸の中の数値が上がっていきます。これが100%になるとアドレスや秘密鍵(誰にも絶対に渡してはいけないパスワード)がQRコードともに表記されるので、それを印刷し保管してください。
ただし紙を紛失したり、または印刷がかすれて読めないとなれば一発アウト!です。安全性は高いのですが、アナログな保存方法とも言えるでしょう。
ハードウェア、費用がかかるけど安全
「ハードウェアウォレット」は購入費用がかかります。製品にもよりますが、一般的な使用だと1万から2万円前後というところでしょうか。
ハードウェアウォレットの優れている点は、オフラインで管理するため安全性の高さはもとより、どのPCに接続しても保有している暗号資産が管理可能とされていること。また、(機種により差はありますが)対応している暗号資産も多数あります。
紛失や故障した場合でも、初期設定の際に示される複数のリカバリーフレーズを忘れなければ大丈夫です。ただもしフレーズを忘れた場合は、こちらもアウト!ですが・・・。
どういう機種があるかは、Bitcoin.org「Hardwareウォレット」やBitcoin日本語情報サイト「ハードウェアウォレット」などを参考にしてみてください。
↑の2つは「LEDGER」(左)、「TREZOR」(中)、「CoolWallet」の製品です。
※写真は各会社のホームページより
取引所に預けておくのもアリ
じつは私自身、コールドウォレットを試したことがありません。ペーパーは明らかに面倒な感じがしますし、暗号資産の保有額がそれほど大きくないので、ハードウェアウォレットを買うまでもないかなと思ってしまっています。
また、コールドウォレットで顧客の暗号資産を保管している取引所を使っているからというのも理由の1つです。
「結局は取引所まかせか」と言われそうですが、確かなリスク管理と自分自身で納得した複数の取引所に口座を開いています。金融庁の監督が厳しいということもあるからか、大手の暗号資産交換業者はリスク防止への取り組みがしっかりしていると個人的には感じています。
暗号資産交換業者を選ぶとき、コールドウォレットで保管していることを重要ポイントに入れておくとよいかもしれませんね。
もちろん、何事にも絶対はありません(投資をするうえで非常に重要な言葉です)。リスクを分散させることも必要ですので、私も今後はハードウェアウォレットの購入を考えています。