マイアミにビットコイン信者が集まる
代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)は5月24日22時時点、対ドルでは2万6900ドル前後と前週比では約2.1%安で推移しています。一方、為替の円安基調を背景に対円では371万付近と、底堅い印象です。
さて先週18日から20日まで、米フロリダ州マイアミで「ビットコイン2023・カンファレンス」が開催されました。2010年代初めから毎年開催されているこのカンファレンスは、ビットコイン関連のイベントでは世界最大規模と言われています。
※カンファレンスとは、規模が大きい会議のこと
2023カンファレンスでは、ビットコインの技術や方針、社会的な影響について多くの講演やパネルディスカッションが行われました。14万BTCと大量に保有している米マイクロストラテジーの会長マイケル・セイラー氏も当然ながら参加しています。
※マイケル・セイラー、bitcoin2023 youtubeより
ビットコインカンファレンスのツイッターによれば、今年は2000社以上の企業がブースを出展し、150人を超える講演者、多くのビットコイン信者がマイアミに集まりました。
しかしながら例年とは様子がやや違ったようです。3年連続マイアミで開催されたカンファレンスの参加人数は1万2000人以上だったものの、過去最多を記録した昨年の2万5000人超からは半減しました。
「Bitcoin 2023: Miami has had enough and so have we」Protos
(ビットコイン2023:マイアミはもう十分、我々も十分)
※Bitcoin Magazineより
昨年との大きな違い、でも寄付は受け付ける
昨年は4月前半にビットコイン2022カンファレンスが開催されました。当時と現在のBTCドルの水準を比較しても、昨年4月の4万ドル前後からだと3割以上も低い水準です。
また、昨年との違いで象徴的な1つといえば、やはりFTXでしょう。
FTXは暗号資産取引所で世界第2位とされ、更に勢いを強めるようにも見えていました。マイアミではNBAマイアミヒートの本拠地の命名権も持っていました。しかしながら隆盛を誇っていた同社の創業者は今、経営破綻を巡る詐欺罪などで訴えられています。
※FXアリーナ、sportproより
縮小気味のカンファレンスでも話題となったのが、ジョン・F・ケネディ元大統領の甥ロバート・F・ケネディ・ジュニア議員です。民主党の大統領候補・指名争いに出馬したケネディ・ジュニア氏は、その選挙活動にビットコインを受け付けと表明しました。
「Robert F. Kennedy Jr. to accept campaign donations in Bitcoin」Cointelegraph
(ロバート・F・ケネディ・ジュニア、選挙活動の寄付をビットコインで受け付ける)
現職のバイデン大統領は暗号資産への規制を強化しているため、今後の争点の1つがビットコイン・暗号資産となりそうです。
「大統領選指名狙うケネディJr議員 現政権の仮想通貨規制を批判」
※ロバート・F・ケネディ・ジュニア、bitcoin2023 youtubeより
また共和党の大統領候補として立候補を表明したヴィヴェック・ラマスワミ氏もカンファレンスにも参加し、暗号資産での寄付を受け付けるとしました。
2度あることは3度あるのか
ビットコイン2023カンファレンスが前年よりも盛り上がらなかったからか、5月21日までの1週間でビットコイン相場の動きも緩慢でした。
「ビットコインの値幅、ここ数カ月で最小に-高いボラティリティの前兆か」 コインデスク
暗号資産分析サイトglassnodeの週間レポートを元にした記事です。これによれば、7日間のBTCドルのレンジは3.4%に留まり、週間値幅としては過去3年間で最少の部類に入るということです。
glassnodeはツイートもしており、それによると同じように狭いレンジ週を記録した2020年7月と今年1月はその後に大きく動きました。
※glassnode twitterより
あなたがトレンドをフォローするタイプのトレーダーであれば、もっとも重要なことはボラティリティでしょう。glassnodeは「2度あったことは3度ある」と示唆しているように見えます。
儲けるために必要な「大きな波」に乗れるよう、動かない相場も常に準備だけは怠らないようにしておきましょう。