暗号資産ウォッチャー これに注目!

第116回「ビットコイン、必要なのか? 尋ねてみた…BTC円は先月高値に迫る 」

BTC、対円では一時9月高値に迫る

 

代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は10月10日11時時点で、対円では909万円前後と前週(7日前)同時刻と比べて約1.1%高い水準で取引されています。BTCドルが6万800ドル台と、こちらは前週比で小幅な低下です。

 

為替相場ではドル円が149円台に再び乗せて、8月半ば以来のドル高円安を更新しており、それがBTCの対円と対ドルの勢いの違いに影響しています。

 

先後半から地合いが強かったBTC円は週明け、955万円台と9月高値960万円に迫りました。金融相場全般にリスク志向が強まり、BTCにも資金が向かいました。

 

リスクセンチメントが改善したきっかけは、石破首相が早期利上げを否定したこと。石破ショックの巻き戻しから株が買われ、円が売られました。その後、4日夜に発表された9月米雇用統計がかなり良かったことで円が対ドルで急落し、日本株も上昇幅を広げました。

 

※Trading Vewより 


BTC、対ドルでは伸び悩み 米金利が…


しかしなが、BTCは対ドルで伸び悩みました。米金利に上昇圧力が強まったことが要因の1つされています。

 

米労働市場の強さを背景に、それまで大きく進んでいた米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ観測が急速に後退。米国の中長期金利も上昇し、米10年債利回りは7月末以来の高水準を記録しています。

 

利息が付かないBTCにとって、基本的に金利の上昇は投資意欲を削ぐことになります。特に世界金融市場の中心・米国における金利上昇には、BTCがいくら非中央集権を掲げていても敏感になりやすいのでしょう。


 

※Trading Viewより



ビットコイン、必要なの?生成AIに質問してみた


さてビットコインの誕生し、もうすぐ16年が経とうとしています。価値がほぼないところから、1BTCは対円で一時1000万円台まで上昇しました。

 

そんなビットコインですが、非中央集権としての位置や、今でも使われる仮想「通貨」としての役割に疑問を覚えてしまいます。


ここで、日本においてビットコインは必要なのか?ということを少し考えてみようかと思います。私だけの力では無理なので、こちらが提示した疑問を生成AIに答えてもらう形にしました。

 

質問1 「日本は既存の金融システムがしっかりしている。なのに、ビットコインは本当に必要か?」

 答え

日本の金融システムは非常に安定しており、キャッシュレス決済や銀行送金も瞬時に行えます。そのため、ビットコインが日常生活で使われる理由はあまり明確ではありません

 

しかし、これを国際的な文脈で考えると、その価値が浮かび上がります。


例えば日本に住む外国人労働者が母国への送金を行う際、銀行間の手数料や為替差益が大きな負担になることがあります。このような状況では、ビットコインを介した送金が迅速かつ低コストで行えるため、非常に利便性が高いと言えるでしょう。


また、金融機関が使えない国への送金手段としても有効です。

 

質問2 「国内での決済手段は簡単なものが多くある。そのなかでビットコインが普及する可能性は?」

 答え

現時点では、日本国内におけるビットコインの決済利用は限られています。クレジットカードやQRコード決済が非常に普及しているため、日常的な買い物にビットコインを使う理由は少ないです。


加えてビットコインの価格変動が大きいため、ビジネス側としても受け入れるリスクが高いのが現状です。

 

ただし一部の事業者はビットコイン決済に対応しており、これが将来的に成長する可能性は否定できません。特にビットコインがより価格安定性を持つようになれば、投資対象としてではなく、実際の決済手段としての普及が進むかもしれません。


 


質問3 「日本は災害が多い国。また今後、経済危機に襲われたとき、ビットコインは有用か?」

答え

日本は災害が多い国です。大規模な災害が発生した場合、銀行やATMが機能しなくなることが考えられます。こうしたシナリオにおいて、非中央集権的なビットコインは、物理的な銀行やインフラに依存せずに資産を保持・取引できる点で利点があります。


経済的に不安定な状況下では通貨の価値が下がるリスクも考えられ、そういったリスク回避のためにビットコインが活用される可能性があります。

 

ただしビットコイン自体の価格も非常に変動しやすいため、その利便性が必ずしも安全資産となるかは議論の余地があります。

 

質問4 「資対象としてのビットコインは、日本在住者にとって有益か?」

答え

国内ではビットコインは主に投資目的で利用されており、特に若年層を中心に人気があります。依然として低金利環境が続く日本では、ビットコインのような高リスク・高リターンの資産が一部の投資家にとって魅力的に映ります。



株式や不動産と異なり、ビットコインは24時間365日取引可能であるため、短期的な値動きを利用した投資が行いやすいです。ただし価格変動が激しく、適切なリスク管理が求められるため、初心者にはハードルが高い面もあります。

 

質問5 「ビットコインは本当に「分散化」された資産なのか?」

 答え

ビットコインは技術的には分散化されたネットワーク上で運用されており、中央集権的な管理者は存在しません。しかし実際には多くのビットコインが特定の大口保有者や取引所に集中しており、これが真の意味での「分散化」を妨げる要因となっています。

 

日本の利用者にとっても取引所を介した購入が主流であり、そのため、ビットコインの本質である「自己管理」の精神からは離れている側面もあります。


 


ひとまず、今回はここまで。「中央集権からの脱却」が根幹にはありますが、なかなかそうも行かないようです。


この連載の一覧
第116回「ビットコイン、必要なのか? 尋ねてみた…BTC円は先月高値に迫る 」
第115回「ビットコイン、9月は2年連続の上昇 10月は好調なはずなのに・・・」
第114回「ビットコイン、回復基調 利下げはやはり!!副大統領は初めて暗号資産に言及」
第113回「ビットコイン、米利下げの影響は? ところで詐欺に合わないために・・・」
第112回「ビットコイン、伸び悩み ファンドから資金流出 昨年の暗号資産詐欺のトレンドは?」
第111回「ビットコイン、夏バテか? 残暑も厳しく 曲がり屋とされるあの人は」
第110回「ビットコイン、上値トライは失敗 チャットアプリ騒動が影響?」
第109回「暗号資産税制、隣の芝は青く見え過ぎた 1年以上保有すると・・・」
第108回「ビットコイン、米インフレ減速も上昇の勢いは・・・相場って難しい 米投資銀行が現物ETFを所有」
第107回「ビットコイン、夏バテ気味 リスク回避の流れに逆らえず」
第106回「ビットコイン、失速するも月間ではプラス維持 トランプ氏がビットコイン大国を掲げる」
第105回「ビットコイン、分散化が強さ 米大統領選の影響はより不透明に」
第104回「ビットコイン、大幅反発はトランプ氏のおかげ? イーサリアムもついに!」
第103回「BTC、2月以来の安値更新 独政府やMt.Goxなど売り材料目立つ ただし一巡後は持ち直す」
第102回「ビットコイン、半値戻しまで 日本の投資家は暗号資産に興味あり?!」
第101回「ビットコイン、週明けに売り強まる マウントゴックスがついに?!」
第100回「ビットコイン、ダブルトップ形成で下落?! アルトコインの影響も無視できず」
第99回「ビットコイン、対円では最高値更新も・・・ 米イベントで右往左往」
第98回「ビットコイン、ハッキングもなんのその こんどは豪とタイが!」
第97回「ビットコイン、占有率が下がり気味・・・ 現物イーサETFの取引は?!」
第96回「ビットコイン、対円では最高値更新 ETHもついに?!」
第95回「ビットコイン、弱い米指標が助けに?! ウィスコンシン州がお買い上げ」
第94回「ビットコイン、2割下落は買い場? 月間の連勝記録は途絶え5月は鬼門かも」
第93回「ビットコイン、4年に1度のイベント終了 半分になったことが・・・」
第92回「ビットコイン、下落はあの国のせい? リスク耐性はどこいった」
第91回「ビットコイン、対円では高値更新も米国では小休止 香港が追随?! そして半減期」
第90回「ビットコイン、月間の連騰記録を更新 日足チャートで気になる形も」
第89回「ビットコイン、やっぱりETF次第・・・ 手数料高いとやっぱりダメ?!」
第88回「ビットコイン、大幅下落も何のその 相変わらずのジェットコースター相場」
第87回「ビットコイン、巨人がかき集め中 わずか2カ月で追いついたETFも」
第86回「ビットコイン、ついに夢の水準へ 機関投資家はこれから?!」
第85回「強すぎるビットコイン、まだ重要イベントが控える」
第84回「ビットコイン、対円では最高値更新 お隣が前向きな感じ」
第83回「どうにも止まらない、ビットコイン ETFによる保有量はあの企業も上回る」
第82回「ビットコイン、1月は何とかプラス 都合の良い見方にはご注意」
第81回「ビットコイン、トータルでは流入増だった 半値戻しは・・・」
第80回「ビットコイン、高値から2割下落 売り手はヤツが・・そろそろ終わり?!」
第79回「ビットコイン、祝・現物ETF承認!事実で売られるも取引は活況」
第78回「ビットコイン、年初も材料変わらず フェイクニュースもなんのその」
第77回「ビットコイン、4カ月連続のプラスとなるか 辰年への期待も高いまま」
第76回「ビットコイン、飛び跳ねた年 年明けも好材料が待ち受ける?!」
第75回「ビットコイン、荒い動き ただし下落率は意外とそれほどでも?」
第74回「フィーバー中に、ビットコインがフィーバーしていた! それも仕方なし」
第73回「ビットコイン、先物市場は盛り上がり ただし現物ETFへの待ち疲れ感も?」
第72回「ビットコイン、アルゼンチンからバイナンスまで材料多し 上げて下げて結局まだ底堅い」
第71回「ビットコイン、強気に傾き・買われ過ぎ感も高まっていた 後付けではありますが」
第70回「ビットコイン、5%下落は調整の範囲内、でもポジションの急拡大には要注意?」
第69回「まだまだ強いビットコイン、クジラも活発化 ハロウィンで15周年」
第68回「ビットコイン、年初来では2倍超に!ETFに心躍らせる人たち 」
第67回「ビットコイン、誤報にもめげず底堅い あの高級車も買えるようになる?!」
第66回「地政学リスクよりもハッキングリスク、9月や第3四半期は今年最悪」
第65回「急騰の要因は色々あれど、マスク氏も関係?米議会の混乱や債務増もポジティブ材料に」
第64回「ビットコイン、米金利とドルに振り回され再び暗雲も しかし挫けない男は追加でご購入」
第63回「ビットコイン大台回復、大手参戦が追い風に たまには他のコインも要チェック」
第62回「再びFTXで大騒ぎ、ソラナが大幅安 一方ビットコインは底打ち期待も?! 」
第61回「ビットコイン、9月は本当に"fall"なの?今年もアノマリーが気になる」
第60回「ビットコイン、復活!きっかけはGBTC そしていよいよETFも・・・」
第59回「どうしたビットコイン?スペースXのせいなのか さて、どのサインを信じるか」
第58回「ビットコイン、売り買い材料が交錯 あのトランプ氏も心変わり?」
第57回「リップルにつれ安、8月のビットコインは?そして6カ月後までに・・・」
第56回「ビットコイン、400万円台維持 ネガティブニュースも跳ね返す」
第55回「ビットコイン、ゴールドのように羽ばたけるか ただしETFはもう少し先かも?」
第54回「Simple is Best、相場は単純に考える ところでBTCが上がらない理由は?」
第53回「ビットコイン 円高の影響、分かれたヤツは元気」
第52回「ビットコイン、対円にしました!口座開設はもうお済み?」
第51回「現物ETF 承認への期待大! ただし一旦落ち着く必要も・・・」
第50回「ビットコイン、救世主が出現! 現物ETFへの期待高まる」
第49回「BTCの占有率上昇、ただし市場が盛り上がっているわけでは・・・」
第48回「ビットコイン SECの圧力はちょっと違う、底打ち感も?!」
第47回「ビットコイン 5月は失速、でも今年中には大幅上昇?!」
第46回「ビットコイン 動かず、過去2回はその後に大波」
第45回「G7は規制強化 交換業大手はカナダから日本へ」
第44回「ビットコイン 4カ月連騰、手数料高騰が懸念?」
第43回「ビットコイン 冬は終了?欲張り過ぎには要注意」
第42回「イーサリアム 待ち時間は延びる、BTC 10カ月ぶりの高値をつけるも・・・」
第41回「ビットコイン 約10カ月ぶりの高値、信じる者は・・・」
第40回「リップル 3月は元気いっぱい、裁判の終わりが見えた?!」
第39回「当局の圧力にも負けず、BTC買い衰えず」
第38回「ビットコイン 時価総額はメタ超え、強欲な感じも・・・」
第37回「まるでジェットコースター、ビットコイン 代替資産としての位置づけも」
第36回「ビットコイン とんだ雛祭りに、懸念材料は複数残る?」
第35回「ビットコイン 売り持ちファンドに資金流入、投資家の懸念を反映」
第34回「昨年6月以来の高値更新、ビットコインの上昇要因を探る」
第33回「ビットコイン とばっちり食らう、PoWには関係なし?」
第32回「ビットコイン、2月も底堅い クリスマスまでには?!」
第31回「イーサリアム、マージから4カ月半 伸び代あり?!」
第30回「悪いニュースに反応せず、アノマリーもあったとは」
第29回「クジラがショートカバーを誘発?! 最後の一押しは日銀」
第28回「ビットコイン 年始はまずまずのスタート、より身近になった?」
第27回「ボラティリティ低調、でも今年のビットコインは進展!」
第26回「期待は失望に変わり、一喜一憂すべきではないとの助言も・・・」
第25回「厳しい年、規制強化は仕方なし?・・・理想は遠い」
第24回「あれから1カ月、ようやく明るい話も」
第23回「破綻の検証始まるも・・・先はまだ長そう」
第22回「FTX破綻の衝撃拡大、ただ日本法人は年内にも?!」
第21回「FTX/アラメダ破綻、FTT暴落・・・暗号資産は今後?」
第20回「ETHがBTCをアウトパフォーム、市場全体をけん引」
第19回「BTC 今年も10月は良い月に、依然としてボラは注視」
第18回「ビットコイン やっと反発、ボラティリティの底打ち感も?」
第17回「何時でも何処にでも、ウクライナ支援も」
第16回「BTCと米株、相関関係はあるの?」
第15回「BTC、9月アノマリーはどうなった?」
第14回「ビットコイン かなり電気を使い過ぎ?世界で23番目と同等」
第13回「マージ後にETH下落、運の悪さも?完成度はまだ・・・」
第12回「イーサリアム、地球に優しくなるために」
第11回「暗号資産のビッグイベント! The Merge」
第10回「BTCにとって怖い9月、一方でETHは?」
第9回「久しぶりのフラッシュクラッシュ、今さらマウントゴックス?」
第8回「ディフェンスは重要、保管の方法は?」
第7回「時価総額9位がハッキング被害、財布のせい?」
第6回「ビットコイン、まずはエビになってみる?」
第5回「ビットコイン 金融市場の入り口に?」
第4回「ビットコインもFOMCは無視できず」
第3回「ビットコインの魅力~それは自由、黎明期を振り返る」
第2回「ビットコインって魅力的?」
第1回「ビットコイン、えらいことになってます!」

為替情報部 アナリスト

小針 卓哉

1993年に米系銀行へ入行し、外国為替部でインターバンク・スポットディーラーとなる。ドル円のみならず豪ドルやドルマルクなどの通貨も担当し、東京市場を中心に活躍。 ユーロ発足後からは、ユーロドルやユーロクロスなどを担当。その後に移った米系証券や大手邦銀のトレーディング部においても欧州通貨を中心に取引し、収益手法は主に短期的なトレーディングを得意とした。 為替相場以外では、アンガーマネジメント・ファシリテーターとしての一面もある。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチ社に入社。

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