現物ETF、米国では延期も欧州では
代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)は8月16日22時時点で対円では425万円台と前週比(7日前比)で1%ほどの低下した水準で推移しています。
先週11日には米証券取引委員会(SEC)が、米投資管理会社ARKインベストメントが上場を申請した現物ビットコイン上場信託(ETF)の承認可否を延期しました。予想されていたことではありますが、BTCにとってポジティブなニュースではありません。
※https://twitter.com/JSeyff/status/1690005279293816833?s=20
SECの審査延期の報道からBTCは伸び悩んだものの、週前半には再び上値を試す場面がありました。
1つの要因としては、ロシアルーブルの下落やアルゼンチンペソの切り下げです。ロシアやアルゼンチン、また流れ弾を嫌気した他の新興国から資金が逃避し、その一部がビットコインにも向かったのではないでしょうか。
※Trading Viewより
またユーロネクスト・アムステルダム証券取引所では15日、ロンドン拠点のデジタル資産運用会社による現物ビットコインETFが上場されました。これは欧州で初の現物ビットコインETFだそうです。
「EU初のビットコイン現物ETFが・・・」コインテレグラフ
これは米国でのETF承認に対する期待を高め、BTC円は431万円まで上昇する場面がありました。
アルトコインが重い
上値を試す雰囲気があったビットコインですが、外国為替で円安が進んでいるにもかかわらず、対円でも徐々に伸び悩んでいます。これはビットコイン以外の暗号資産、いわゆるアルトコインが全般的に重い動きとなっていることに影響されているようです。
暗号資産ではBTCに次いで2番目に時価総額が大きいイーサリアム(ETH)の下落幅は小さめですが、それ以外の主要なアルトコインの下げが目立ちます。
先週も取り上げたリップル(XRP)は前週比6%安、カルダノ(ADA)も同程度の下げ幅です。ポリゴン(MATIC)に至っては9%近くの下落率となっています。
このあたりの下げ要因については、どうもハッキリしません。以下の記事でも、米国の経済指標が強かったため同国金融引き締め長期化への懸念が強まり、リスク資産である暗号資産の売り材料にされた、としています。
「Altcoin Plunge Leads Crypto Lower; Bitcoin Slips 0.7% to $29,150」CoinDesk
(アルトコインの急落により暗号資産相場が下落、ビットコインも・・・)
イーサリアム 先物ETFへの期待大?
アルトコイン全般に軟調ななかでも、前述した表でイーサリアム(ETH)の下落率は1%以内に留まっていました。以下のようなニュースが支えとなっているようです。
「イーサリアム先物ETFレースが始まった」コインデスク
記事によれば米国では、7月28日から8月1日までで運用会社6社が先物ETHのETF上場を米証券取引委員会(SEC)に申請したということです。また、16日にも同じような申請があったことが報じられています。
「ヴァルキリーがイーサ先物ETFをSECに申請」コインデスク
これまでSECが先物イーサリアムETFを承認したことはありません。しかしながら、否定的なコメントも出てこないことから、「却下されない」との思惑が高まりつつあるようです。
トランプ前大統領も信じ始めた?
さて、米国では来年の大統領選に向けた動きが活発化しています。共和党内では、再出馬を目指すトランプ前大統領が支持率では優勢。前大統領は敗北した前回選挙における行動を巡り起訴されるなど、相変わらず世間を騒がせています。
そのトランプ氏は以前、暗号資産に対しては懐疑的な意見を述べていたことで知られています。
「ビットコインは詐欺のよう、私は好きではない」と発言 ビットタイムズ
しかしながら今回、前大統領がイーサリアムのウォレットに暗号資産を保有していることが明らかにされました。
「トランプ前大統領、50万ドル相当の暗号資産を保有」 コインデスク
この続報として↓こちら
「イーサリアムウォレットで4億円以上を保有=政治監視団体が報告書」コインテレグラフ
トランプ氏が心変わりし、暗号資産を保有しているから相場が今すぐどうにかなる、という分けではもちろんありません。しかしもし仮に、「トランプ大統領が再び誕生」となれば、暗号資産にとってはポジティブということになるのでしょうか。