BTC、XRPにつれて売り強まる?
代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)は9日11時点、対円で428万付近と前週(2日の同時刻)比ではやや上昇した水準です。ただ先週末から週初にかけては売りが強まり、410万円割れをうかがう場面もありました。
ビットコインのネガティブニュースはありませんでしたが、主要な暗号資産ではリップル(XRP)の下落が目立ったことから、BTCもいわゆる「つれ安」となったようです。
では、ここ1カ月のXRP円値動きを見てみましょう。かなり大きな値幅を伴って動いていることが分かります。
※Trading Viewより
第40回「リップル 3月は元気いっぱい、裁判の終わりが見えた?!」
4月の初めに取り上げましたが、米証券取引委員会(SEC)がリップル社やその創業者などを証券法違反として提訴していました。先月その裁判の判決が出たことが、XRPの動意に繋がったようです。
米連邦地方裁判所は先月13日、SECの訴えに対し「個人向けに販売されるXRPは有価証券に該当しない」との判決を下しました。一方、機関投資家向けXRP販売については「違法」との結論でした。
リップル側の一部勝訴という司法判断を相場は好感し、XRPは急騰。個人向け販売OKからXRPを取り扱う交換所の増加が連想され、需要拡大への期待が大きく強まったようです。
確かに、判決後にXRP採用の報道が続きました。↓
「コインベースなどの暗号資産取引所でXRP採用が相次ぐ」コインデスク
ただ先月後半からXRPは、水準は判決前を大きく上回っているものの、伸び悩んではいます。SECが裁判所の判断に納得せず、控訴する可能性を示唆したことは上値が重くなった要因の1つでしょう。
「リップルが一部勝訴したXRP訴訟 SECは控訴の可能性を示唆」コインテレグラフ
約3年にも及んだ裁判に判決は出たものの、暗号資産に対する規制強化をSECは緩めないとの思惑から、先行き不透明感は高まったままなのかもしれません。
ビットコイン、8月はどんな月?過去10年は・・・
さて今月に入ってもビットコイン(BTC)円は400万円どころか、410万円水準さえしっかりと維持しています。外国為替の円安基調が依然として支えの1つです。ただし、8月の傾向にはやや気を付ける必要がありそうです。
暗号資産分析サイトcoinglassによれば、2013年から22年までの10年間で8月が月間プラスで終えたのは4回、マイナスが6回と負け越しています。
気になるのは前月マイナスだった場合です。2014年、16年、19年の8月は3連敗しています。
しかしここで、暗号資産市場の規模が拡大した2020年からの直近3年に絞ってみましょう。そうすると昨年はマイナス月でしたが、その前2年はプラスで終えているため勝ち越しています。
人は見たいものを見ると言いますし、要は「どこを切り取るか」なのでしょう。
※coinglass より
https://www.coinglass.com/ja/today
過去5年間のうち最低水準に
ビットコイン相場は上下しているものの、レンジ内で膠着している印象も強いです。
そう感じているとき、こういった記事を見つけました。
「ビットコインの価格変動率、過去5年間のうち最低水準に」クリプトタイムズ
暗号資産分析会社Glassnodeのアナリストによると、ここ1カ月間のBTCのボラティティ(変動率、値動きの大きさを表す数値)が2018-19年の低い水準と同程度まで落ち込んでいるというのです。
相場が動かなくなる、つまりボラティリティが低下するとトレーダーが相場から離れやすくなる印象があります。盛り下がりは避けたいところです。
現物ETF、来年2月までには?!
今後ボラティリティが上昇し、レンジを上に切り上げるきっかけになるのは、やはり大手運用資産会社ブラックロックなどが申請している現物ビットコインETFでしょうか。
そういったなか暗号資産関連企業ギャラクシー・デジタルのCEOは今週、関係筋の話として、米国初の現物ビットコインETFが2024年2月前に承認される可能性があると述べました。
「現物型ビットコインETFの実現 長くても6か月後に」コインテレグラフ
期待の先行し過ぎには注意しながらも、関連報道には常に気を付ける必要がありそうです。