BTC円、年初来の値幅は310万円まで拡大
代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)は11月1日18時時点、対円では522万円付近と前週比(7日前比)2.5%高。依然として、しっかりとした値動きが続いています。
先週末にかけては520万円超えで伸び悩んでいましたが、31日夜から1日早朝にかけて買いが強まりました。一時は1年半ぶりの高値となる526万円台まで上げ幅を拡大。今年の一番安いところからだと1BTCは310万も価値が上昇したことになります。
暗号資産全体に対するビットコインのドミナンス(シェア)も54%台まで上昇。2021年4月以来の高い水準となりました。
※Trading Viewより
ハロウィン効果?10月は5年連続のプラスを記録
10月の値動きを簡単に振り返ってみましょう。400万円超えで始まり、いきなり2日間で6%ほど上げたものの430万円には届かず。その後は400万円割れまで失速する場面もありました。
しかしながらその後、米国で現物ビットコイン上場投資信託(ETF)の承認期待が高まると再び上値を試す展開に。10月23日には1日で10%以上も上昇し、500万台に乗せに成功しました。結局10月の終値は524万円台となり、月間で30%の上昇率を記録しました。
BTCは月間で2カ月連続のプラス、10月がプラスで終えたのは2019年から5年連続となりました。この月の強さ、ハロウィン効果なのでしょうか。
こちらは↓暗号資産分析サイトCoinglassのデータです。
日銀、植田総裁のおかげ?
↑coinglassの月間騰落率ですが、対ドルでの値ですので対円とはややズレがでています。
外国為替相場では10月29-30日、日銀の金融政策決定会合後に円安が一気に進みました。大規模な金融緩和政策の基本的な枠組みは変わらず、引き締め政策を続ける欧米などと日本の金利差が再び意識されました。
ドル円は昨年10月につけた高値151.95円に迫る水準まで上昇。同高値を超えるようだと1990年以来の高い水準となります。BTC円の最後の一押しは、物価高にもかかわらず緩和に固執する植田総裁のおかげでと言えるかもしれません。
※テレ東BIZ Youtubeチャンネルより
現物ETFどうなった?
さて、米国で複数の資産運用会社が申請した現物ビットコインETFですが、今のところ米証券取引委員会(SEC)からは目立った動きはありません。
ただしこういった記事も↓
「現物型ビットコインETF アナリストはSEC委員長が一斉拒否する懸念にも言及」コインテレグラフ
あくまでも可能性は低いとしていますが、現物ETFを否定し続けてきたゲンスラーSEC委員長ならゼロ%ではないとしています。
もっとも、現物ビットコインETF承認へ市場の準備は着実に進んでいるようです。
「インベスコとギャラクシーの現物型ビットコインETF DTCCのサイトにティッカーが掲載」コインテレグラフ
「ブラックロックのビットコインETF、大手マーケットメーカーがサポートか:関係者」コインデスク
やっぱり買っていたクジラ、そして10/31は
金融市場で大口投資家のことを「クジラ」と呼ぶ場合があります。ビットコイン(BTC)が堅調な動きを見せているとき、クジラたちも積極的に取引をしていました。
「ビットコインクジラの活動が活発化──10万ドル以上の取引が急増」コインデスク
10万ドルは日本円にして約1500万円です。その額の取引が増えているというのです。
また、こういった記事も
「Bitcoin Whales Aggressively Accumulating, Data Shows」BINANCE
(ビットコインのクジラ、積極的にかき集めている)
データによれば、過去1週間でクジラたちは3万BTC(10億ドル相当)を所得したという記事です。これによりBTCドルは一時3万5000ドル以上まで持ち上げられました。
ところで10月31日はハロウィンですが、ビットコインにとっても特別な日です。
2008年10月31日、ビットコインの生みの親と言われている「Satoshi Nakamoto」がビットコインに関する初めての論文(ホワイトペーパー)「P2P電子通貨システム」をメーリングリストで発表しました。
ビットコインの考えが明らかにされてから15年。その価値はしっかりと上がり続けています。