ビットコイン、強すぎる
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は3月13日19時過ぎ、対円で1087万円付近と前週(7日前)比で約9%高い水準で取引されています。
週明けから買いが強まり、荒い値動きを繰り返しながらも12日夜には1078万円台まで上げ幅を拡大しました。その3時間後には1016万円台まで急落(約5.7%の下落率)しましたが、1000万円が既に支持水準として働いています。
13日東京午後から再び強含み始めると、一部取引所では1BTC=1089万円台まで過去最高値を更新しました。
※Trading Viewより
ETF、短期的には期待に沿わないことも
BTCドルも執筆時点では7万3600ドル台まで最高値を更新しています。
ただ12日ニューヨーク時間には、7万3000ドル付近から6万8600ドル台まで急ピッチで値を下げる場面がありました。これは、現物ビットコイン上場投資信託(ETF)への思惑が関係していたようです。
「Bitcoin price rollercoaster liquidates $360M from long and short sellers」cointelegraph
(ビットコイン価格が乱高下、3.6億ドルのポジションが清算)
記事では、3時間あまりの下落で先物などレバレッジを掛けられていたポジションが合計で3.6億ドル(1ドル=148円換算で533億円弱)ほど清算された、と述べています。
売りが強まったきっかけが、
”Traders are becoming more nervous that we could see a price correction”
トレーダーたちが、ビットコインの価格調整についかなりナーバスになっていたから、ということです。
「as Bitcoin has failed to rally during [United States] trading hours when the ETFs start trading.」
警戒感を高めていた理由として、ETFのトレードが始まる米国の取引時間帯にビットコインが上昇しなかったからとされています。
現物ビットコインETFが米国で承認されて以降、証券取引所のオープン後に価格が上がることは何度もありました。現物ETFへの資金流入が止まらないなか、今回も先走った短期トレーダーがロングで待ち構え、利食おうとしていたのでしょう。
しかしながら12日は、「買って売り」を繰り返すトレーダーにとってBTC価格は思ったほど上がらないと感じたようです。期待ハズレで慌てて売り戻した人たちが他のストップロスも誘発し、下げ幅を広げてしまいました。
もっとも、あくまで持ち高調整の域をでず、結局は上昇基調を取り戻しています。
※Trading Viewより
巨人がかき集める
BTC相場が水準を切り上げ続けるなか、ビットコインの大量保有で有名な米企業のマイクロストラテジーも買い増したと報じられました。
「マイクロストラテジー、ビットコインを1万2000BTC追加取得」コインテレグラフ
総額8億ドル(約1184億円)の転換社債の発行と余剰資金で1万2000BTCを追加購入したことを、同社会長のマイケル・セイラー氏が自身のXで述べています。今回の所得で、1社だけで合計20万5000BTCを保有していることになりました。
マイケル・セイラ―会長主導のもとマイクロストラテジー社がビットコインを購入し始めたのが2020年8月でした。2万1454BTCを合計2.5億ドル(1BTCあたり1万1652ドル)が最初の一歩でした。
約3年半が経った今、保有量は9倍超にまで拡大しています。
※MicroStrategy Bitcoin Holdings Chart & Purchase History より
2カ月で追いついた?!
1月に米証券取引委員会(SEC)に承認されて上場した現物ビットコインETFのなかで、最も人気があるのが資産運用大手ブラックロックの「iシェアーズ・ビットコインETF(IBIT)」です。
別なETFの話ですが、11日に手数料を0%にしたヴァンエックの現物ETF(HODL)への資金流入拡大が話題となりました。
「ヴァンエックのビットコインETF、過去最高1億1900万ドルの資金流入」コインデスク
しかしながら、ブラックロックのIBITは12日に8.49億ドルの資金が流入してます。円貨にして、およそ1256億円です。
※暗号資産分析サイトcoinglassより
さてIBITは、12日の取引が終了した時点で20万3754BTCを保有しているということです。1企業とETFの比較が正しいか分かりませんが、わずか12カ月でマイクロストラテジー社に迫る保有量となりました。
※coinglassより
アジアからはこれか、注意事項も
「タイSEC 米国のビットコインETFに投資する私募ファンドの設立を許可・・・」コインテレグラフ
こういったニュースもあるように、まだまだ現物ビットコインETFに資金が向かいそうです。
ただ、↓のような見方もあることは頭の片隅に置いておきましょう。