BTC、対円では対ドルでよりも…
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は12月26日12時頃、対円では1554万円前後で推移し前週(7日前)と比べて1%弱低い水準で取引されています。BTCドルが9万8600ドル台で取引され、こちらは前週比2%安と低下幅がやや広めです。
日本銀行が19日に金融政策決定会合の結果を公表し、政策金利を0.25%と前回から据え置きました。市場予想通りでしたが、発表後から為替市場では円売りが出やすい地合いとなりました。
その後に行われた植田日銀総裁の定例会見では、追加利上げを急がない姿勢が示されました。植田総裁のハト派寄りの会見を受けて、為替相場は一気に円安が進行。これがBTC円のBTCドルよりも下げ渋りに繋がりました。
日銀会合の結果公表前に1530万円を下回る水準まで売られていたBTC円も、夜にかけて1610万円台まで反発しました。もっとも、それ以後は週末にかけて1450万円割れまで軟調に推移することになります。
※Trading Viewより
先物市場はロングの投げが…
20日(金)夜、BTCドルは9万2100ドル台まで下げ幅を広げました。17日夜中に10万8300ドル台の史上最高値をつけてから、わずか3日後の出来事です。高値からの下落率は15%近くに達しました。
※Trading Viewより
前回コラムでも触れた「米連邦公開市場委員会(FOMC)のタカ派寄り姿勢」を受けた金融市場全般の動きが、ビットコイン相場にも影響しました。まずは利益確定売りが広がり、下落が始まるとBTC先物市場で買い持ちの投げ売りが進みました。
下は暗号資産分析サイトcoinglassが集計したBTC先物の清算をまとめた棒グラフです。バー1つが4時間分を表示しています。ピンクの〇で囲んだ緑の長いバーが、BTC先物の買い持ち清算が大きかったことを示しています。
現物のETFからも資金が…
先物ロングの投げの他にも、現物(またはスポットとも言われる)ビットコインの価格に連動する上場投資信託(ETF)から資金が流出したことも、BTC相場の重しとなりました。
今年1月に現物ビットコインETFの取引(上場)が米国で承認され、今年の大幅なBTC上昇をけん引してきました。ただし、上場当初は一部ETFの資金入替に伴い伸び悩む場面もありました。しかしながら春以降は、資金の流入が流出を上回っています。
感謝祭の前日から続いた米国の現物ビットコインETFへの資金流入超は、FOMCの結果公表1日前で止みました。FOMC発表の19日から(取引されない)土日を挟んで、4営業日連続で流出が流入を上回っています。
※coinglassより
特に19日の現物ビットコインETF流出額は約6.7億ドルと5月1日や11月4日の5億ドル超を超え、一日あたりでは最大のネット流出額を記録しました。その後、4営業日連続の流出総額は15億ドル超まで拡大しました。
ETHにはXmasプレゼント?!
時価総額2位のイーサリアム(ETH)の現物ETFからも、19-20日と資金が流出。しかしながら、1カ月ほど前の流出時につけた総額8130万ドルを超えることはありませんでした。その後、23-24日になるとイーサETFに資金が戻ってきます。
しかしながら、ビットコインETFからは依然として資金が引き出された23-24日になると、ETH現物のETFには資金が戻ってきています。クリスマス休日の25日は米株市場が休場ですのでETF取引はできないため、ETHにとってはその前のサンタラリーと言えるかもしれません。
現物イーサリアムETFについては、このような記事が
「イーサETFが25億ドルを突破、ETHは…」コインテレグラフ
一方ビットコインについてはイスラエルで来週、6つのファンドが上場される予定です。市場規模は大きくありませんが、ビットコイン需要の強さを感じさせるニュースです。