ビットコイン、行ってこい
代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコインは、9月13日18時時点では対円で383万円付近と前週(7日前)比0.7%高での値動きです。現状は落ち着いてきていますが、週明けから半ばまで激しく上下しました。
380万円を割り込んだところから下値を試す展開となり、12日早朝には一部取引所で366万割れと約3カ月ぶりの安値を記録しました。もっともそこから切り返すと、買い戻しが更なるショートの巻き戻しを呼び、一時は390万円近くまで値を戻す場面もありました。
結局は行ってこいという状況です。
※Trading Viewより
下落のきっかけはFTXへの警戒感?!
ビットコインの下落は、昨年11月に破綻した暗号資産取引所FTXが債務返済のために保有している暗号資産を売却するのではないか、という警戒感が高まったからのようです。
「ビットコインは一時2万5000ドル割れ、FTXの暗号資産売却を懸念」コインデスク
暗号資産ニュースサイトDecrypt↓も報じているように
「FTX's $3.4 Billion Crypto Portfolio Includes Solana, Bitcoin and Ethereum」Decrypt
FTXは34億ドル(1ドル=145円換算で4930億円)相当の暗号資産を保有しているようです。
資産の内訳は、約5.6億ドル相当のBTCとイーサリアム(ETH)については2億ドル弱。その2つを合わせた以上に保有しているのがソラナ(SOL)であり、約11.6億ドル(およそ1680億円) とされています。
暗号資産サイトCoinMarketCapによれば、SOLの時価総額は74.5億ドル弱とステーブルコインも含めた暗号資産ランキングでは9位に位置しています。時価総額ベスト10に入る規模ですが、FTXがSOLを本当に売却するようであれば、かなり下落圧力となることは容易に想像できます。
警戒感が急速に広がるなかSOL相場は今週、10%以上の下落幅を記録しました。
※Trading Viewより
なおFTXのポートフォリオには、流動性のかなり低い暗号資産も含まれているようです。
更なる下落を予想する人がいる一方・・・
13日18時台でソラナ(SOL)円は2680円付近と24時間比では1.4%程度戻していますが、前週(7日前)比では8%以上も下げた位置にいます。
その他のアルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)も、前週比ではETHが2.3%安、リップル(XRP)は5%超安、カルダノ(ADA)も3.5%安と軟調です。
「アルトコインに暴落の怖れ──売り手はFTXだけではない」コインデスク
暗号資産のベンチャーキャピタルファンドもアルトコインの売り手となり得るとのレポートを報じています。
しかしながら、別な見方も↓
「FTXの資産売却による暴落懸念は「大げさ」:アナリストら」コインデスク
一部アナリストは「資産売却にも制限がかかる可能性」を指摘し、市場の反応は過剰であり、今後は落ち着くとしています。
アルトコインは楽観視できないのでしょうが、ビットコインの反発は底打ちを示唆しているのかもしれません。
何とか踏みとどまった! ただし・・・
こちらの日足チャートは、チャートサービスTrading Viewのシンボル検索で「TOTAL」、暗号資産全体の時価総額を示したものです。
相場が急落した9月11日、時価総額は節目の1兆ドルを割り込んだものの、6月半ばに支えられた9750億ドルを前に何とか踏みとどまりました。もちろん、まだダブルトップとなる可能性は残されており油断はできませんが・・・。
いずれにせよ、もしビットコイン(BTC)だけをトレードするとしても、暗号資産全体の時価総額の方向性には目を向けておく必要はあるでしょう。