BTC、復活ならず
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は6日12時時点で対円では381万円付近と前週(7日前)比では5%ほど下落した水準です。先週後半の410万円超えは夢だったのか?と思わされるくらいアッサリと売り戻されました。週末には一時371万円台まで売り込まれる場面もありました。
先週のこのコラムタイトルが「ビットコイン、復活!・・・」としたこと、お恥ずかしい限りです。
2万8000ドルを超えていたBTCドルも、足もとでは2万5800ドルを割り込んだ水準で取引されています。為替が147円台後半までドル高円安が進んだため、BTC円よりも下げはきついと言えるでしょう。
※Trading viewより
利食い売りに使われた?
さて、前回のコラムでお伝えしたBTCが急騰したきっかけ、「暗号資産運用会社グレースケールがSEC対して起こした訴訟で勝利」が報じられる前、約3万BTCが暗号資産取引所に関連するアドレスに移されたというのです。
「グレ-スケール勝訴の前、3万BTCが取引所に移動」コインデスク
1BTC=400万円とすると、3万BTCは1200億円!です。まとまった暗号資産が取引所に移された場合、通常それは売却のためとされています。
急騰後の上値の重さから想像するに、400万円台は買い持ちの人たちの「売り場」とされたようです。私のように上昇したことで強気になり、または安心し切っているときにしっかりと利益を確定した人たちもいました。
現物ETF、やはり?判断は先送り
さて、グレースケールが米証券取引委員会(SEC)に対する訴訟で勝利したことを受け、米大手金融機関のアナリストは「SECはビットコイン現物ビットコイン上場信託(ETF)を承認せざるを得ない」と発言していました。
「JPMorgan says SEC would likely be forced to approve spot bitcoin ETFs」 the block
しかしながらそのSECの判断ですが、承認するかどうかの判断は延期とされました。
「ブラックロックなどの現物型ビットコインETF SECは10月まで承認可否を延期」コインテレグラフ
記事によればSECは、ブラックロックやインベスト、フェデリティなど大手運用会社から提案された現物ビットコインETFの上場に関する審査期間を45日間延長。次回の承認可否を公表する期限は10月16-17日あたりに集中しています。
※ETF、SEC承認可否の判断期限 Bloombergより
SECの延期判断を受けて現物ビットコインETFの申請を取り下げ、との報道も見受けられました。
「Bitwise、仮想通貨ビットコインETF申請取り下げ・・・」コインポスト
暗号資産投資会社ビットワイズ(Bitwse Asset Management)の話です。
そうした中SECが、引き続きETF申請拒否を正当化する理由を見つけ出す可能性について述べている記事もありました。
「SECはビットコイン現物ETFを拒否するための別の論拠を探すかもしれない・・・」コインデスク
やはり、このETFに絡んだ件はかなり長引くことになりそうです。
9月到来、ビットコインには辛い月
さて、昨年の今頃に書いた第10回コラムでは「BTCにとって怖い9月、一方でETHは?」 、ビットコインに関するアノマリー(anomaly)について取り上げました。
金融市場で「アノマリー」と言う場合、これといった合理的な根拠がある訳ではないのですが「よく当たると言われている経験則・規則性」という意味で使われています。
ビットコインのアノマリーの1つに「9月は弱い」というのがあります。
それを検証したのが→第15回「BTC、9月アノマリーはどうなった?」
昨年9月、BTC円はなんとか小幅プラスで踏みとどまりました。しかしながら、BTCドルは約3%マイナスと6年連続の9月マイナスを記録しています。
※暗号資産分析サイトcoinglassより
まだまだ残暑が厳しいですが、季節的には秋です。
秋は英語で「autumn」と言いますが、こちらはイギリス英語。アメリカ英語では「fall」がよく使われるようです。
「秋という意味の“fall”と“autumn”の語源や使い方を解説!」ECCフォリラン
fall の別の意味は「落ちる」。7年連続のfallとならないか、注意しながら取引する必要がありそうです。