ビットコイン、往って来い相場
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は、11月22日18時時点で547万円前後での値動き。前週(7日前)比では約1.3%高と底堅さは継続していると言えるでしょう。
前週比では落ち着いた値動きのように感じますが、チャートを見ると意外と激しかったことが分かります。BTC円は16日未明から買いが強まり、朝方には574万円台まで上昇して再び年初来高値を更新しました。水準としては昨年4月初旬以来です。
※Trading Viewより
この頃、現物ビットコイン上場投資信託(ETF)を申請している大手資産運用会社ブラックロックが、現物イーサリアムETFも米証券取引委員会(SEC)に正式申請したことが報じられました。
「BlackRock files for spot Ethereum ETF with SEC 」 The Block
(ブラックロック、現物イーサリアムETFをSECに申請)
この後イーサリアム(ETH)は対ドルや円でやや上昇しましたが、申請については織り込み済みということもあり、上げ幅は限られました。ETH/BTCのチャートを見ても下落(ETHよりもBTCの方が上昇力が強い)していることから、ETH主導の上げという分けではなさそうです。
※Trading Viewより
なおブラックロックに次いで、大手資産運用会社フィデリティがイーサリアムの現物ETFの承認を申請する動きが見られました。
ソラナが元気だったから?!
ビットコイン(BTC)が年初来の高値を更新したタイミングで、より元気だったのがソラナ(SOL)でした。SOL/BTCでも、16日にSOLがBTCより強かったことが分かります。
SOLは、20020年に公開されたブロックチェーン「ソラナ」で使用される独自コイン(ネイティブトークン)です。
※ビットコイン・ブロックチェーンのビットコイン(BTC)やイーサリアム・ブロックチェーンのイーサ(ETH)などもネイティブトークンの1つ。
※Trading Viewより
SOLはトランザクション(取引などの情報処理)が非常に速いことや低コストが大きな特徴とされています。また、前もって決められたことを自動的に実行するスマートコントラクトや、異なるブロックチェーン同士を接続するテクノロジーを実装していることも強みのようです。
日本では取り扱っている交換業者は少なく、暗号資産全体のSOLのドミナンス(シェア)も2%に届かずと、50%超えのビットコインとの差はかなりあります。
しかしながら、執筆時点でのソラナの年初来騰落率は450%と約120%のビットコインを大きくアウトパフォームしています。時価総額ランキングでも、ステーブルコインを除くとリップルに次いで5位まで存在価値を高めてきました。
Ethereum Rival Solana Is Back、Experts Say It's No Surprise Decrypt
(イーサリアムのライバルソラナが復活-専門家は驚きではないと述べる)
「仮想通貨ソラナ 過去1ヶ月で80%上昇 | ファイアダンサーのテストネット公開も好感か 」コインテレグラフ
システムが大きく改善されたことが、市場の信頼回復に繋がっているようです。ファイアダンサーについては、今後勉強します。
ここ1週間のSOLは売り戻しが優勢となっていますが、16日のBTC上昇には少なからず影響したと思われます。
現物ETF、なかなか承認されず・・
BTC円は574万円台まで高値を更新した20時間後に、540万円割れまで売り込まれています。Bloombergが報じた「SEC、ビットコイン現物ETFとイーサ先物ETF申請の判断延期」がきっかけの1つのようです。
他にも「SEC、フランクリン・テンプルトンとグローバルXのビットコイン現物ETF承認を延期」など、 米証券取引委員会(SEC)による承認延期が相次ぎました。
ここにきて、現物ビットコインETFに対して慎重な意見も出てきたようです。
ビットコインETFのさらなる拒否、「可能性高い」:BitGoのベルシェCEO | コインデスク
アルゼンチン大統領選、そしてバイナンス
ただ週末にはBTC相場は再び持ち直しています。アルゼンチン大統領選で、ビットコイン支持派とされる野党のハビエル・ミレイ候補が勝利したことが好感されました。
もっとも、BTC円は560万円超えでは伸び悩み、一時530万円割れまで売り込まれました。きっかけは、暗号資産交換業最大手のバイナンスが過去最大級とされる43億ドル(約6400億円)の罰金を、米司法・金融当局に払うことで合意したニュースでした。
「バイナンスCEOが退任、資金洗浄規制違反認める 会社は当局へ43億ドル支払い 」ロイター
色々なことを消化し、ビットコイン相場はまだしっかりとした値動きです。