BTC、週明けは買い先行 ETHのおかげ?
代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)は4月10日19時時点で1052万円前後と前週(7日前)比では4%弱の上げ幅です。BTCドルが6万9000ドル付近で推移しています。暗号資産分析サイトcoinglassによれば、執筆時点のBTCの月初来騰落率は3.4%程度のマイナスです。
BTC円は今週初、買いが先行するなかで目先のレジスタンスと見られていた1080万円辺りを上抜けました。そのまま上昇に勢いがつくと、3月半ばにつけた1090万円も上回り1100万円近辺まで史上最高値を更新。BTCドルも7万ドルに乗せると、7万2700ドル台まで上げ幅を広げました。
coinglassの「Bictoin ETF Overview」によれば、4月1日から5日の週で米国の現物ビットコイン上場投資信託(ETF)への資金フローは1日を除いて流入超でした。
週明け8日も、前週と同じような動きを期待したBTC買いが出ていたと思われます。
また、暗号資産で時価総額2位のイーサリアム(ETH)の上昇にBTCが追随したとの見方もあります。ETH/BTCでみれば、確かにETHがBTCよりも強かったことが分かります。
※Trading Viewより
最高値更新もNY時間からは・・・
しかしながら8日のBTC買いは、ニューヨーク勢が参入してくる日本時間21時以降から弱まっていきました。その日は陽線で終わりましたが、翌9日は前日の上げを全て吐き出しています。
ビットコインは対円で1033万円台、対ドルで6万8200ドルまで水準を落としました。為替で円安が進行したためBTC円の下落率は若干小さめですが、それでも高値からだと約6%の下げ幅を記録しました。
※Trading Viewより
原因はやはり・・・
8日の日本時間夜から9日かけてのBTCの上値の重さは、相も変わらず現物ビットコインETFが起因しています。
「Total Bitcoin Spot ETF Net Inflow (USD)」によれば、データを得られる10ある現物ビットコインETFのフロー合計は、8日が2.24億ドル/9日は0.19億ドルの流出超でした。
これまでコラムで何度も取り上げているグレースケールのGBTCから資金が逃げていることに変わりありません。表では、日付けの直ぐ右側の列です。
ただし、1月に立ち上げられた現物ETFの2トップとされる資産運用大手ブラックロックのIBITやフェデリティのFBTCへの流入が細っていました。4月5日と比べると、IBITは8-9日で50%弱、FBTCは僅か10%超しか資金を集められませんでした。
あの大国が動く?
米国の現物ビットコインETFの盛り上がりが一服しつつあるなか、アジアではこれからという動きが見られています。
「CHINA'S LARGEST FUNDS APPLY FOR SPOT BITCOIN ETF IN HONG KONG」bitcoinmagazine
(中国最大のファンドがスポット(現物)ビットコインETFを香港で申請)
ハーベスト・ファンドやサザン・ファンドなどの中国の大手資産運用会社が、香港の子会社を通してビットコインETFの申請を行っている、という話です。
香港ではBTC先物のETFは既に承認されています。規制当局は暗号資産に対して前向きな姿勢を示しており、スポット(現物)のビットコインETFの認可申請があれば検討すると昨年末にも発表していました。
もし香港で現物ビットコインETFが上場され取引きされるようになれば、中国本土からの資金流入も予想されます。そうなると、市場規模の更なる拡大を期待してよいかもしれません。
いよいよ半減期が近づく
さて、いよいよビットコインの半減期(halving)が近づいてきました。約4年に1度、ブロックチェーン・ネットワークで1ブロック生成におけるマイナーへの報酬が半分になります。現在は1ブロック作るごとに6.25BTCを得られましたが、半減期で3.125BTCと減少します。
半減期の具体的な日時は計算方法によってまちまちではありますが、こちらのサイトNICEHASHでは、4月19日とされています。
「ビットコインの半減はボラティリティ・イベントではない・・・」コインデスク
↑こういう見方もありますが、紛れもなく供給量が縮小するため、価格の上昇を予測する人は多いようです。