伸び悩むとロングの投げが
代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)は12月27日23時半過ぎ、対円では615万円前後で推移しています。前週(7日前)の同じ時間帯と比べて、2.5%ほど低い水準です。BTCドルが4万3000ドル付近での値動きです。
先週後半にBTC円は630万円超えで頭を抑えられ、その後は徐々に上値を切り下げる動きでした。クリスマス後に売りが強まると597万円台まで下落。これといったニュースもなかったことから、600万円付近では短期的な取引に絡んだロングの投げが出たと思われます。
※暗号資産分析サイトcoinglassの清算チャート
しかしながら、現物ビットコイン上場投資信託(ETF)の承認期待の高まりは依然として相場の支えとなっていたようです。買い持ちが投げ終わった後は水準を戻すという最近の展開に変わりはありませんでした。
BTC円は一時618万円手前と、下押しした水準から20万円ほど持ち直しました。BTCドルも4万1600ドル台から一時4万3200ドル台まで切り返しています。
※Trading View より
3年ぶりの12月プラス、期待は更に膨らむ
暗号資産分析coinglassのサイトによれば、執筆時点で月初来騰落率は13.8%の上昇です。このままであれば、3年ぶりの12月プラスで終えることになります。また1-4月に続いて、今年2度目の4カ月連続プラスも記録。月間の勝敗だと2023年は9勝3敗と大きく勝ち越しています。
なお月間の連続プラス期間では、2019年2月から6月、2017年4月から8月の5カ月連続が最長です。
さて、2023年のビットコインはここまで、約160%の上昇率を記録しています。上昇幅は22年が弱過ぎたということもあるのでしょうが、今年前半から盛り上げり続けている「現物ビットコインETFの申請、そして承認への期待」の影響は大きいでしょう。
「2024年、暗号資産はついに金融の未来としての地位を確立するだろう」コインデスク
このオピニオン記事でも、スポット型(現物)ETFが承認されれば、「暗号資産がより広範な金融環境に統合される、極めて重要な瞬間を意味すると」と述べています。
米国の運用資産のごく一部がそのETFに向かうだけでも、ETF規模が非常に大きくなる可能性があるとしています。
承認で更に良いことが?! ちょっと気になるのは・・・
また、こういったニュースもあるようです。
※Mr.BitcoinのXより
記事の元はこちらです。
「The spot bitcoin ETF race could quickly reach your 401(k) retirement plan」CNBC
(現物ビットコインETF競争は401k退職金プランに直ぐ採用される可能性も)
米国の401(k)プランとは、米国の税法に基づいて設定された個人型確定拠出年金制度の一種。従業員が自分の給与の一部を税引き前に積み立て、将来の退職資金として運用する制度です。
米証券取引委員会(SEC)が現物ビットコインETFを承認した場合、401(k)の選択の1つとして採用される可能性があるというのです。ただし記事では、もし採用されたとしても、退職金の運用口座で暗号資産を選択できる範囲は限られているとはされています。
いずれにせよ、金融市場の活性化や価格形成に影響を与えるとも言われる401(k)プランのリストに乗るようであれば、ビットコイン投資への興味はかなりのスピードで広がるかもしれません。
ビットコインの買い持ちにとって、辰年は期待いっぱいの年となりそうです。
少し気になるのは、SNSで「ビットコインは絶対に上がる」というような言い方をする人が増えた印象があること。経験上ですが、「100%」や「絶対」という言葉を人前で強調する人が上手くいったところをあまり見たことがないもので。