ついに大台到達!
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は3月7日5時頃、対円で999万円付近と前週(7日前)比で約8%高い水準で取引されています。
この1週間も大きく買われました。
28日NY午後に960万円台まで急ピッチで値を上げた後は、一旦900万円割れ。再び持ち直すと920-930万円台を中心に上下する展開が続きました。週明け3月4日から上げ幅を拡大し始め、その後は相変わらずの買いが買い呼ぶ展開に。その日のNY時間にはついに1000万円台に到達しています。その後は調整をこなしながらも強含みむと、5日には1034万円まで過去最高値を更新しました。
※Trading Viewより
アジア時間でも上昇しましたが、勢いが強まるのは平日のNY時間のように見えます。やはり、その時間帯で多く取引される現物ビットコイン上場投資信託(ETF)が相場の押し上げに繋がっているのでしょう。
「ブラックロックとフィデリティにFOMOの追い風、ビットコイン急伸」Bloomberg
現物ETFの好調さを述べている記事です。とくに資産運用最大手ブラックロックの「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト、IBIT」とフェデリティ・インベストメンツの「ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド、FBTC」の人気度が高いとしています。
1月に新たな現物ビットコインETFが立ち上げられましたが、前述した2本が全体の運用残高の8割近くを占めています。
※暗号資産分析サイトコイングラスより、3月5日時点
恐れという気持ちが?
前述のBloomberg記事のタイトルにあったFOMOについてです。
FOMOはFear Of Missing Outの略であり、「見逃すことや取り残されることへの恐怖・不安・ストレス」を指します。市場で何か重要な動きが起きたとき、投資機会を逃してしまうことに恐れを感じて飛びついてしまうことをFOMO投資と言います。
上昇する一方のビットコイン相場を見て利益を得るチャンスを逃したと焦り、まるで損をしたように感じる人もいるでしょう。それがリスクは二の次で資金を投入に繋がっているのかもしれません。
ただ今のところ、取引を始めるきっかけとなる心理的な状況の良し悪しは一旦置いておいて、今回のような大相場ではFOMO取引も有効なようです。特に短期間で上昇する暗号資産などでは、(入るタイミングにもよりますが)利益を得られ機会も高まるでしょう。
簡単なことは良きこと
ビットコイン関連の資料を読んでいると、ブロックチェーン、暗号技術、ハッシュ関数、ウォレット、ノード、公開鍵・秘密鍵、PoW、マイニング、ブロック報酬、コンセンサスアルゴリズム、ハード・ソフトフォーク、ライトにニングネットワーク、半減期など沢山の専門用語が出てきます。
こういった言葉の意味を知っておくことも、暗号資産に触れるうえでは必要なのでしょう。しかしながら、投資するうえで必ずしも詳しくある必要はないというのが今回のビットコインの動きでした。
今回の大幅な上昇は、米国で現物ビットコインETFが上場されたことに端を発しています。暗号資産交換所に口座(ウォレット)も、個人のウォレットも秘密鍵・公開鍵も必要なく、簡単にビットコイン保有と同じ状態になれます。
実際にはビットコイン価格に連動する投資信託という商品を買っているのであり、暗号資産の利点を全て享受できるわけではありません。証券と同じ様に簡単に資金を投入できるというのがミソです。
機関投資家の参入はこれから?!
現物ビットコインETFは、機関投資家の暗号資産市場への参入ハードルを下げたと言われています。ここまではフットワークが軽いヘッジファンドや個人投資家がETFの主要なバイヤーだったようです。
先週の記事ですが↓
「ビットコインETFへの資金流入、今後数カ月で・・・」コインテレグラフ
暗号資産取引所のCIOの話として、「主要な証券会社がビットコインETFの取引を提供し始めると、さらに大きな資金流入が見込まれる」との話を紹介しています。機関投資家の資金がビットコインETFに向かうのは「これから」との見立てです。
※Trading Viewより
BTCドルも5日、6万9000ドルを超えてついに過去最高値を更新しています。しかしながら約5時間後、一部取引所では5万9300ドルと高値から約14%安まで下げ幅を広げる場面がありました。その後はしっかりと切り返していますが、こういった大きな調整に振り落とされないようにしておきたいものです。