BTC円、史上最高値を更新
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は10月31日13時頃、対円では1109万円前後と前週(7日前)と比べて約8%高い水準で取引されています。BTCドルが7万2300ドル台での値動きです。
週末に弱含むも1000万円では支えられ、再び買いが優勢になりました。27日の衆議院選挙後に直近高値1045万円を超えると、その後は目立った押しもなく29日夜には1100万円台乗せに成功。
30日未明(ニューヨーク午後)には6月初旬につけた1124万円を超えて、1128万円台までBTC円過去最高値を更新しました。9月の一番低かった水準からだと50%の上昇率、月初来騰落率も23%台まで拡大しました。
※Trading Viewより
トランプトレードや衆院選の結果が?!
米国の現物ビットコイン上場投資信託(ETF)への資金流入が続いていることが、BTC相場全般の押し上げ要因です。米大統領選でトランプ再選期待が高まったことも、いわゆるトランプトレードを強めました。
※トランプトレードとは、2024年の米大統領選でトランプ氏が再選した場合を想定し、その政策を見越して行う投資戦略。規制緩和や減税などトランプ政権下で恩恵を受けそうな業界関連に投資する動き。ビットコインも含まれる。
以下は、「トランプ氏勝利でBTCドルが9万2000ドルから12万5000ドル辺りまで上昇するだろう」という見方を取り上げたコインテレグラフの記事です。
「スタンダードチャータード銀、トランプ勝利でビットコインが…」
※NY TIMESより
BTC円については、日本の総選挙結果を受けて強まった円売りも影響したと言えるでしょう。
10月27日の衆院選で与党が過半数に達せず、政局不透明感が強まりました。政治の先行き不確実性が「日銀の追加利上げの遅れ」に繋がるとの思惑から、週明けの為替相場は一気に円安に傾きました。
ここから10%上げたぐらいでは?
先物やオプション取引などのデリバティブ市場をもとにした予測では、BTCドルは8万ドルに向かうという記事もあります。
しかしながらビットコイン市場にとっては、8万ドルという現状水準から10%程度上げたくらいはサプライズではないようです。そういったなか、25年末にはBTCドルが20万ドルに達するというレポートも出てきました。
「ビットコイン 2025年末までに20万ドルに達する:バーンスタインが予測」コインテレグラフ
あの企業やフロリダ州の年金基金が…
さて、米国株式市場でハイテク・ジャイアントの一角を占めるのがマイクロソフトです。アップルやエヌビディアなどに次ぐ同社の時価総額は、10月30日時点で3.215兆ドルにも達します。ビットコイン(BTC)の2倍超です。
そのマイクロソフト社の株主が、BTCをバランスシートに追加すること(つまり、BTC投資)に対する可否について、12月にも投票するとの報道がありました。同社の取締役会は反対しているものの、提案した投資家はインフレヘッジとしてBTCが有効な可能性を訴えています。
また米フロリダ州の退職基金を管理する機関が、ビットコイン投資を検討するとも一部メディアが報じています。米国では今年、5月にウィスコンシン州投資委員会、7月にはミシガン州の退職基金もビットコインに投資したことを明らかにしました。
まだ決定されたわけではありませんが、大企業や州基金の資金がビットコインに向かう可能性が、相場センチメントさらに強気にさせているのでしょう。
一方、ブータン政府は?!
ビットコインが上昇トレンドを強めるなか、ブータン政府が1000BTC近くを大手取引所バイナンスのウォレット(口座)に移動したことが報じられました。
取引所の口座に暗号資産を移すというのは、たいていは売却するためです。
ブータンは数年前(約5年ほど前との見方が有力)から国家事業としてビットコインのマイニング(採掘)をしています。バイナンスに送金した後でも、1万2000以上のBTCを保有していると見られていいます。
まだまだ上がるぜ~~と息巻いている人たちが多いなかで、ブータン政府の冷静さ気になるところです。